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不況時代のランティエ 高等遊民 気儘人 [雑感]

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不況が病人、老人、こども、貧しいひとなど弱者を直撃しているさまを毎日テレビや新聞が報じている。
競争,市場原理、自己責任の重視などが作りだした格差社会の弱者の悲鳴を聞かぬ日は無い。

 それでは一方の強者はどうなっているのか。
 ランティエは金利、不動産収入などの資産があって働かなくとも生きていける人のことをいう。フランス語である。 高等遊民は夏目漱石が憧れた世俗から離れた生活を実践する人。高学歴がポイントで高収入が裏付けになっている。気儘人は大阪の実業家でこれも金持ち。芦屋に住む船場の旦那を思い起こす。金のない芸術家などのパトロンというイメージ。親からの相続遺産、あるいは一代で成功したものを問わず余り好きな言葉ではないが、「勝ち組」といえようか。
 ゼロ金利は、金利収入者を襲う。株も下落して売るに売れず塩漬けとなり、含み損は増えるばかり。不動産収入も地価の低下で、ゼロにはならなくとも家賃収入は減少する。ランティエなど気取って居られないだろう。
 大学卒だから高給取りという時代はとうに去り、賃上げ(ベア)もストップして久しい。いまや高給取りのサラリーマンは、一部高級官僚、優良企業の幹部などに限られ、安定したサラリーが保証されているのは公務員や議員のみ。遊民の前提たる経済的裏付けは脆弱だ。
 小回りをきかし成長してきた中小企業も、大企業の下請けで安定経営をしてきた中小企業もともに不況の波をもろにかぶっている。大阪にかぎらず中小、中堅企業経営者、役員も気儘な旦那然としていられぬ。

 今回の不況は、その原因は複雑そのもの。これまでの循環をあてに出来ない。
 各種の文学・芸術賞、絵画の売上、交響楽団の財源などを考えて見ればわかるように芸術や文化は、一部かも知れないがこの人たちが支え、それなりに役割を果たしてきたことは否定出来ないだろう。不況は、芸術、文化をも直撃しているに違いない。

 こんな問題よりも弱者に降りかかる深刻な難題をどうするかという方が大事であることは言うまでもないが、ランティエ、高等遊民、気儘人など不況の時代どうしているのかなと気にはなる。

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