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沈魚落雁閉月羞花 [風流]

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 ご存じ、というか知る人ぞ知るというか、中国の四大美女。その形容であるが、かの国特有の白髪三千丈の類だけれども、何となくおかしみもあって味わいもある。読めばリズム感あり、真ん中で切ると四字熟語にもなる。
 まず、沈魚美人。彼女が川で洗濯をする姿に見とれて魚達は泳ぐのを忘れてしまったと言われる西施。越国のはかりごとで呉王は彼女のために国を傾けた。
 芭蕉の象潟や雨に西施がねぶの花でも有名。

 つぎに落雁美人。漢の時代、国のために異民族に嫁がされたが、旅の途中、故郷の方向へ飛んでいく雁を見ながら望郷の思いをこめて琵琶をかき鳴らした所、彼女の姿と悲しい調べに魅入られて雁が次々に落ちてきたと言われる王昭君。
 ただし、この王昭君を除き漢時代、文人司馬相如と駆け落ちしたという熱烈恋愛のヒロイン卓文君とする説もある。

 三人目は閉月美人。天下を憂いて物思いに耽る姿のあまりの美しさに、月が恥じて雲に隠れてしまったと言われる貂蝉(ちょうせん)。実在しなかったとも言われるが三国志演義に出てくるそうだ。恥ずかしながら、こんな美人がいたことを知らなかった。それにしても名前が貂(てん)と蝉(せみ)とは凄い。「てん」はイタチの仲間である。
 この貂蝉を除いて、劉邦に敗れた英雄項羽の愛人虞美人とする説もあるとか。こちらの方が、「あぁ、虞や虞や汝をいかんせん」や死して虞美人草(ひなげし)となったことで我々にはなじみがある。

 四人目が羞花美人。彼女が後宮を散歩すると庭の花が妃の美貌と体から発する芳香に気圧されてしぼんでしまったと言われる楊貴妃。玄宗皇帝に寵愛された。むかし仕事で西安(昔の長安)の華清宮に行き温泉や池を訪ねたことがあることを思い出した。グラマー説が有力だとか。こちらは、世界の三大美女(クレオパトラ、楊貴妃、ヘレネ)のひとりとも言われので、美女の中の美女といってよい。

 男は、女もだが、こころのボスならぬココロノ美女を必ず持っている。原節子、有馬稲子、吉永小百合、オードリーヘップバーン、リズテーラー、グレタガルボ・・・。誰が一番好きか答えて貰えば、その人の青春時代がわかる。雨夜の品定めでもそうであるが、美女(男)談義をすれば終わりを知らぬ。

 それにしても日本には、中国美女のような国を滅ぼすほどの傾城が出なかったのはなぜだろうか。小野の小町や静御前などなど美女はあまたいたのに。としみじみ思う。

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