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ドナルドキーン [本]

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 ドナルド・ローレンス・キーン(Donald Lawrence Keene, 1922年6月18日- )は、アメリカ系日本人の日本文学研究者、文芸評論家。2008年に文化勲章受章。
 日本文化を欧米へ紹介して数多くの業績を残した。なにやら、このところこの人が気になっている。きっとこの人を知れば世界、と言っても欧米であろうが、から見た日本、日本文化、日本文学のことが少しは分かりはしないか、と思うのである。

 2011年3月11日発生した大震災を契機に、コロンビア大学を退職した後、日本国籍を取得し日本に永住する意思を表明した。2011年9月1日には永住の目的で来日し「家具などを全部処分して、やっと日本に来ることができて嬉しい。今日は曇っているが、雲の合間に日本の畑が見えて美しいと思った」と流暢な日本語で感慨を述べ、また東北を訪れ仙台市の講演など被災地を訪問して被災者を激励したいとも話していると新聞で読んだ。  日本が好きということがまっすぐに伝わってくる。

 最近、ドナルドキーン著「声の残り 私の文壇交友録 」 (朝日新聞社)を読んだ。
 三島由紀夫との交友談が面白い。
 三島由紀夫が自死する直前にドナルドキーンに書いた手紙に「小生たうとう名前どほり魅死魔幽鬼夫になりました。」とあって、キーンは次のように書いている。
 <彼は私の名前に「鬼院」という文字を当てていた。その「仕返し」に私が先ほどの名を、彼に進呈したのである。>
 上記の新聞記事によれば、氏は日本に帰化した後は氏名の漢字表記を鬼 怒鳴門(キーン ドナルド)にする予定であるとも発言しているとあった。
 確かに「鬼院」では抹香臭い。「鬼」一字の方が良い。後の「怒鳴門」ともよく響き合う。
 「鬼 怒鳴門」は彼の日本文化、その世界への紹介に生涯を捧げた強い思いとそれに要した長い時間が込められているような気がする。
 それにしても一方の魅死魔幽鬼夫はあまりにぴったりしていて頂けない。酒鬼薔薇何某よりは、よほどまともではあるが。
 サッカーの選手や力士など外国人の人名も良く漢字をあて活躍している人が多いが、ドナルドキーンはこれを名乗るわけでなく一種の遊び心であろうが面白いと同時に、さすが1922年生まれ卒寿翁の余裕だなぁとしみじみ思う。


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