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eアトリエ1046 [風流]

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10年以上前、マイeハウス60というホームページを作った。作ったときは、60歳でまだ20世紀だった。マイeハウス70として今も続いている。
マイハウスなので書斎、キッチン、ガーデンなどのほかアトリエを作った。しかし、すべてeである。アトリエももちろんeで絵を描く場所でなく、描いた水彩画や写真をほそぼそと掲載した。
アトリエとは仏語でatelier、英語ならスタジオstudio。工房(こうぼう) のことである。画家や建築家などの芸術家が仕事を行うための専用の作業場のことである。「画家! 、芸術家!専用の作業所!」である。
フランス語だから言葉も綺麗だし、自分一人で自由に使える部屋、空間は何とも恰好良くて憧れる。イーゼルは大小何本もあり、散らかした画材や描きかけの絵がいくらほったらかしてあっても気にならず、疲れたらどこにでも横になれるし、同好の仲間が集まって喋るスペースももちろん充分ある、などゆったり広いアトリエをサラリーマンの昔から想像し夢見ていた。
しかし、兎小屋に住むしがない貧乏人には高嶺の花だ。しかも画家ではないのだから、アトリエなど夢のまた夢で作れるはずも無いけれど、夢見ることは自由だ。
そこでHPにeでアトリエを実現したのである。eは何でもできる。おばQだ。バーチャルなだけが欠点であるが。

しかし、すぐ夢は破綻した。無料サイトの容量10MBが不足してきて、アトリエに当てられる分が足りなくなったのである。そこで、一計を案じもう一つ別のホームページを作り、そこに絵を掲載することにした。絵を掲載するだけなので、最初の思惑と変わってしまったが、e画廊(e-gallery)としてe個展の会場にして描いた下手な絵を次々掲載している。
10MBを越えそうになったら古い順に外せば良いことも覚えた。外した絵はファイルを保存、それをもとに電子画集を作り、さらに自分用の本に自炊もして愉しんでいる。

そんなわけで、マイeハウス70の旧アトリエは、残念ながら、古い絵や写真が掛かっているだけの部屋になってひっそり閑としている。

それではあまりに勿体無いので、一週間に一度くらいの頻度で、たいていは土曜日の朝だが、このeアトリエへ出かける。画材の入ったバッグをファンカーゴに積みマイ e ハウス70へ走る。車で30分ほど。
熱いコーヒーのあと、10時半ごろからそれまでに描いた絵をながめて手を入れたり、新しく何か描いたりする。家人はバイオリンのおけいこ。時々家の掃除やご近所への挨拶なども。
12時ごろには家人がランチを作ってくれてピポンと2階のチャイムが鳴る。二人でランチだ。天気の良い日には猫額の庭のテーブルで食事ということも。2時半ごろには絵の道具の後片づけをして、バッグに詰めファンカーゴで帰宅。この小半日の時間は、わが黄金の時である。
もちろんその体をなしていないけれど、ひとり eアトリエ1046と称している。1046は、WEB名の杜 詩郎(と しろう)、の洒落。
しみじみとしたe時間、e生活だ。

歳をとって、夢とうつつとの境がつかなくなるのもまた乙なものである。
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