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クマのプーさんWinnie-the-Poohの挿絵 [絵]

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家人は、長いあいだヴァイオリンの練習と英語の勉強を続けている。バイオリンはいっとき先生についたが、後は独りでほとんど毎日必ず30分ほど練習をしている。ときに、チェロを弾く友人に見て貰ったりするだけである。自分は、口にすることはないが、その根気にはひたすら頭が下がるばかりだ。
英語の方は、かつてYMCA英会話も習ったりしたこともあるので、一緒に出かけたハワイ旅行などでは大変重宝した思い出がある。今は図書館利用の独学である。これもよく投げ出さないものと思う。

さて、その家人の愛読書に「クマのプーさん」( Winnie-the-Pooh)がある。
この本は、我が国では、美智子皇后の愛読書と報道されて以来、すっかり有名になった。

主人公のクマのプーさんのほかにも個性的な動物たちが、たくさん登場して楽しい。どれが好きかは人それぞれだが、一例をあげれば、陰気なロバのイーヨー(Eeyore)などは変わっていて愉快だ。この名は大江健三郎の小説にも出てくるから、知っている人も多いのではないか。
主食はアザミ。しっぽをすぐに無くしてしまうのと、木の枝の家がすぐに壊れてしまって悩む。ところが、いちばんの常識人でもある。また、強い想像力を兼ね備えている変わったキャラクターである。

「クマのプーさん」は、アラン・アレクサンダー・ミルン(Alan Alexander Milne, 1882年 - 1956年)作の世界的に有名な童話である。1926年に発表された。
ミルンは、ロンドン生まれのスコットランド人で、イギリスの児童文学作家、劇作家、詩人。
その童話の主人公であるクマのぬいぐるみ、テディベアの名前も同じ「クマのプーさん」であることは誰でも知っている。実際のぬいぐるみだけでなく、あらゆる商品にデザインされ世界中で愛されている。キャラクター商品界のビッグネームでもある。
ミルンは1913年、ドロシー・ド・セリンコートと結婚。1920年結婚してやっと7年後、38歳の時にクリストファー・ロビン・ミルン(1920年- 1996年)が生まれる。「クマのプーさん」は、愛するこの一人息子クリストファーのために書かれたことも、物語にこのクリストファーが登場することも広く知られている。

Winnie-the-Poohは、クリストファー・ロビンが持っていたテディベアの名前であるWinnipegと、ミルン親子が休日に見た白鳥の名前Poohから、ミルンがヒントを受けて名付けたものと言われている。

童話の挿絵は、エルンスト・H・シェパードによって描かれたが、プーさんの絵のモデルは、シェパードの息子が持っていたテディベア「グロウラー」という。

自分も、時折りパラパラとこの本を開いて見るが、その目的はこの挿絵である。
シェパードの挿絵は、銅版画かなにか知らないが、ペンで描かれた絵に薄く着色されていて、一見水彩画風である。
個性的な動物たちや主人公の少年もそれぞれに魅力的だが、背景の風景も水彩画風で明るい色調が美しい。水彩画を習っているものにとっては、線も色も大変参考になる。
クマのプーさんの舞台である100エーカーの森は、作者ミルンの故郷であるイギリスのイースト・サセックス州にある、500エーカーほどの森林であるアッシュダウンフォレストをモデルにしているという。
シェパードの挿絵がそこを描いているかどうか知らないけれども、まことに楽しい童話の世界にふさわしい美しい景色であると思う。それが何とも魅力的で見ていて飽きることがない。
物語もさることながら、イラストの絵が子供達のみならず、親たち大人の心も捉える力を持っていたのであろうと確信する。

クマのプーさんは、その後ディズニー社によるアニメーション化がなされて、童話とともにあっと驚くほど速いスピードで、全世界に広まっていったのは周知の通りである。やや前の情報になるが、全世界での単行本売上は2001年時点で7000万部を超えるという。

今や ミッキーマウス、ミッフィーともに世界の三大人気キャラクターといって良いだろう。もちろんキャラクター商品の売り上げも、ベストスリーに入るのは間違いないのではないかと推量する。

三大キャラクターというのは、自分が勝手に言っているだけであるが、その一つのミッキーマウス (Mickey Mouse) は、ウォルト・ディズニーとアブ・アイワークスが、1928年に生み出したアメリカ文化のシンボル的キャラクターである。
1926年のくまのプーさんとほぼ同時期というのも何か時代の背景があるのか興味深い。
ミッキーこそ「キャラクターの王者」であろう。また、アメリカの象徴ともいわれるキャラクターである。説明など野暮というもので、誰でも知っている。
日本でも、東京ディズニーランドのミッキーマウスを始め圧倒的な人気者であり、ありとあらゆる商品に描かれ、それこそ「世界中で溢れるようにある」といって差し支えないほどである。

一方、ナインチェ・プラウス(オランダ語 Nijntje Pluis、英語 Miffy)は、これも縷々説明するまでもないが、ウサギの女の子のキャラクター、ミッフィーである。
1955年オランダのデザイナー、ディック・ブルーナが描いた絵本に主人公として登場する。
日本でも、「ミッフィー」または「うさこちゃん」として知られ、子供から大人まで広い層に愛されている。「うさこちゃん」は石井桃子訳 (福音館書店)の絵本の主人公名である。
ナインチェの絵本の販売は、2004年時点で全世界で8500万部に達するといわれ、プーさんに負けぬワン・ハンドレッド・ミリオンセラーである。これもぬいぐるみはもちろんのこと、コーヒーカップにいたるまで多くの商品のキャラクターとしても愛されている。

もちろん、キャラクターはこの三つだけが、有名なのではない。例えばスヌーピー(Snoopy)。アメリカの漫画家、チャールズ・モンロー・シュルツが1950年から書いた漫画『ピーナッツ』に登場するビーグル犬。性別はオス。主人公のチャーリーブラウンの飼い犬である。

これも子どもにも大人にも人気があるが、比べれば、上の三つはやはり桁外れのネームであることが歴然とする。

これらは、童話や物語の主人公出身だが、ややマイナーながら最初から商品化を目的に開発されたキャラクターもあることはある。
1974年誕生のハローキティ(Hello Kitty)はその一例。
株式会社サンリオでデザインされたキャラクターグッズ用の一連のキャラクター達を称していう。
主人公はキティ・ホワイト(Kitty White)。擬人化された白い子ネコで、左耳の付け根にリボン、またはそれに類する飾りをつけているのが特徴。サンリオを代表する長寿キャラクターである。通称は「キティちゃん」。他にもたくさんのネコがいて大人気だ。
しかし、最近の猫ブームに後押しされて人気が高いといえ、これも先の御三家にはとても及ばないように見える。爆発的人気者になるには、背景に物語性が必要だというのだろうか。

ところでクマのプーさん、ミッキーマウス、ミッフィー、スヌーピー、キティーちゃんくらいまでは、子供にも大人にも人気があって、キャラクターそのものやキャラクター商品を生み出す事情など、自分にも良く理解できる。
しかし、最近の、「ゆるキャラ」ブームというのは、一体どういう風潮なのかよくわからない。なかでも自治体あげて燃えているのは、何なのだろうかと訝る。市民との距離を小さくしたいとか、親しまれたいとか、それだけの現象なら目くじらを立てるほどのことはないのだが。
もちろん愛らしいものもあるが、中にはどうか思うような風体のものもあって気になるのだ。
クマのプーさん、ミッキーマウス、ミッフィーらとゆるキャラは、似て非なるもので、その差は大きいような気もする。


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