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佐藤忠良と香月泰男の水彩画 [絵]



佐藤忠良(1912-2011年)は、日本を代表する彫刻家のひとり。平成23年(2011年)98歳で
歿した。美術の教科書にも載った「帽子・夏」。「群馬の人」などで広く知られる。絵本「大きなかぶ」の挿画も有名。
彫刻も難しいので自分にはよく分からないが、この人の水彩画は、分かりやすくて大好きである。何よりデッサンが素晴らしいと思う。さっとつけた水彩の色もさわやか。透明水彩とクレヨンを併せて使っているものもあって、いいなあと思う。こんな絵が描けたら、どんなに良いだろうと。
高齢になってしきりに描いたという木のデッサンも、人の眼を惹きつけずにおかないものがある。
最近「つぶれた帽子 佐藤忠良自伝」( 中公文庫)を読む。自選画集も借りてきて、今回ゆっくり眺めた。以前「 願いは普通」 (佐藤忠良と 安野光雅の対談、 文化出版局)を興味深く読んだ覚えがある。
自伝の中に、ヘンリー ムーアに褒められたというヌードデッサンが出てくる。自分には、他のヌードデッサンには感心するのだが、こちらの方はどこがすばらしいのか分からなかった。どうも見る目が違うのは、あたりまえとはいえ、すっかりしょげてしまった。
昭和49年、62歳で亡くなった香月泰男(1911-1974)もそうだが、シベリア抑留の苛酷な経験が佐藤忠良の作品に大きな影響を及ぼしたことは間違いない。
絵や彫刻に深みがあるというのは、こういうことなのであろう。
香月泰男は、佐藤忠良の1歳歳上だが同世代。シベリアシリーズで有名だが、油彩画家で、水彩画はあまり残っていないようだ。この人の絵が好きだという人も多い。


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