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藤田 嗣治の水彩画 [絵]

藤田 嗣治(つぐはる)は、1886 東京新宿区生まれの画家・彫刻家。昭和43( 1968 )年に82歳でチューリッヒにおいて病没した。
1913年渡仏フランスのパリで活動、猫と女を得意な画題とし、特に「乳白色の肌」とよばれた裸婦像などは西洋画壇で絶賛された。エコール・ド・パリの代表的な画家のひとりである。戦争画をめぐる批判などもあり、結局日本を脱出してフランスに帰化(1955)、帰らなかった。洗礼名はレオナール・フジタ(Léonard Foujita)。

藤田嗣治の絵は、細い面相筆の線と乳白色の肌で知られるが、和光堂のシッカロール説などもあって実のところどんな技法なのかは、今でも明らかでないという。
妖しげな雰囲気がパリの芸術家やパリジェンヌの注目を集めたのは、基本的に日本画の画法をもとにした独特の油彩画であったからであろう。
よく見れば、影などに墨を薄めて使っており水墨画も取り入れてもいるように見える。

藤田の水彩画は、線描水彩である。線が先に描かれ着彩するという手順か。淡い色が多い。油彩画との距離があまりない。つまり油彩画も水彩画ふうである。
また、藤田の絵に猫が多く登場するのも特徴だ。藤田の猫にも特徴がある。どちらかといえば写実的で、可愛らしさがとぼしい。媚びた猫でなくわが道を行くといった雰囲気のものが多い。
中には「Fight Cat」と題した戦う猫の群れ(1940 東京国立近代美術館蔵)さえ描いている。強い猫達である。女と猫に共通する描きたい何かが、あったのだろうかと思ったりする。



水彩画を見てみよう。
「Tête-de chat tigre トラ猫のあたま 」(1929)

image.jpg

絵は模写。サインまでいれたら贋作みたいになった。線が難しい。
「ジャクリーヌの肖像 」(水彩 )珍しく原色に近い鮮やかな色彩。フジタふうでない。
「シュルベーヌの肖像 」(1931ペン インク 水彩)バックはほぼ白だが人体を取り巻く翳は藤田の特徴。
「婦人像 マドレーヌ」 赤い肩が印象的。
「スリーピングマドレーヌ 」(1931)
「マドレーヌ」( 1932 水彩)
「 Untitled 」(1910前後 水彩)渡仏前の絵。和風の髪型。
「少女 」(1965 水彩 )青い服がさわやか。帰化後のもの。
「猫」水彩だろうか。
「チューリップ 」(鉛筆 水彩)花は珍しい。
「風景 」(1954 水彩)油彩の風景画もある。フジタは女と猫だけにあらず。

さて、猫好きの藤田には、「猫の本 藤田嗣治画文集 」(講談社 2003)がある。猫好きとしては読まねばなるまい。


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