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グスタフ・クリムトのパステル画 [絵]

クリムト(Gustav Klimt 1862- 1918 )は、装飾的な輪郭線の強い描写と平面的な空間表現を、リアルな描写とマッチさせた独特の作風で「接吻The Kiss」(1908油彩)、「ユディトJudith」(1901 油彩)など多くの名作を残した。オーストリア人。

水彩画も少しあるが少ない。弟子のエゴン・シーレの方がグヮッシュを含めて水彩画が多くあって、しかも良い絵があったように記憶している。

改めてクリムトの油彩画を観ると、圧倒的に迫ってくるものがある。間違いなく象徴主義、アールヌーボーの鬼才のひとりであろう。
丸谷才一が激賞した正方形の風景画も、激しい調子の人物画のあとで観るせいもあってか、静謐と安定感にこれもあらためて驚かされる。しかし、じっと見ていると調和の中に、不思議な得体の無い何かを感じる。
それが何かは人にもよるのだろう。「安らぎ」という人から正反対の「不安感」と言う人までいる。

参考記事 クリムトとシーレの水彩画

http://toshiro5.blog.so-net.ne.jp/2013-04-30

クリムトのパステル画もごく少ない。目にとまったのは3枚だが、それぞれに味わい深い。上記の
正方形の風景画にパステルは無さそうだ。

image-20150226104844.png


「Emilie Flöge, Aged 17」(1891 パステル)クリムト29歳、愛人エミーリエ17歳。髪飾りとブラウス?の白がさりげなくて絶妙。
クリムトは55歳で没したが、生涯独身を通した。多くの愛人がいたというが、著名な愛人はこのエミーリエ・フレーゲであり、最期の言葉も「エミーリエを呼んでくれ」であったという。彼女も独身を通した。

「Portrait of a Lady」(1897 パステル)油彩と言われても疑わないくらいオイル風。

「Girl with Long Hair, with a sketch for 'Nude Veritas'」( 1898-1899 パステル)
「Nuda Veritas」 (1899 油彩)はヌードだが、このパステルの女性は着衣のよう。しかも本制作品は正面からのヌードだがこちらは横向き。ヌードの別のスケッチも他にあるのかも知れない。
この絵の長い髪、背景、白い肌などいかにもパステルらしいが、そんなに手数は多くないようだ。

クリムトは、人物画の油彩に金箔を多用し、縦長の絵を好んだことから日本の特に琳派の影響を指摘する人もいるというが、確かに装飾画風に仕立てたものが多い。
しかも、きわめて写実的な絵が、装飾画となっても違和感を覚えないのは不思議な気がする。
ただ、あまりに技術的にも高度な感じでアマチュアにはなじめない。参考にならない感じだが、パステル画だけは少し親しみがわくところもある。



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