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宮本三郎のパステル画 1ー阿修羅の朱色 [絵]

宮本 三郎(みやもと さぶろう 1905 - 1974 69歳で没)は石川県能美郡末佐美村(現・小松市)生まれの洋画家である。
誰もが言う、素描の名手と 。既に巨匠だった安井曽太郎が若い宮本に注目したという逸話があるという。アマチュア(自分のこと)には上手すぎて参考にならないが、動きのある<宮本の線>は凄いと思うし、憧れる。

絵は「現代日本素描全集 10 宮本三郎」(河北 倫明/監修 ぎょうせい)で見ることが出来る。油彩などと断っていないのはすべてパステル。ただし、パステルだけのものもあるが、コンテ、木炭などを合わせ使っているものもあり、そのあたり正確に記していない。
上記画集には、パステルの他に「彩色」とあるデッサンも何枚かある。水彩と書いてないがたぶん水彩であろう。


「裸婦 」(1955 )
「浴室裸婦 」(1965 )大きさは50×32cmだからFサイズなら6か8くらいか。肌の緑はすごいが浴室のタイルが反映していると思えば、違和感なし。
「レ・トロワ・グラース」( 1970 油彩も )大きさは、パステルデッサンが55×37.5 cm、本制作の油彩は162.5×97.3cm。
ギリシャの三美神をモチーフにし、一つの画面に裸婦の驚きや恥ずかしさといった心理状態も 表現しようとしたという。パステルは明らかに油彩のためのスタディだが、迫力は負けていない。
「熱海 」(1962 コンテ パステル) 33.3×33cm 4Fくらいか。淡彩風のスケッチ。
「阿修羅 」(1958 )65×50.2cm 。F8-10くらいか。これは昔から好きな絵の一枚。パステルだったんだ。朱色がいいのは周りの色があればこそだろう。

パステルでこの模写に挑戦してみた。完敗。F4 パステル用紙。

image.jpeg


ハードパステルだが 、この朱色がない。混色も出来なかった。したがって阿修羅の顔が似ないので、全体の雰囲気も出ない。グレイの扱いがダメなのか。そのうえバックの焦げ茶も難しくて往生する。

「阿修羅 」(1958 油彩 )107.8cmの正方形。パステルと少し色調など微妙に違うようだ。特に朱色が。
「鯉 」(1946木炭 パステル)32.5×50cm。
「鯛 」(1946パステルのみ)32×40.2cm。
「扇面流し」(1972 )32.5×50cm 。バックの屏風絵が扇面流しの絵なのだろうか。
「バレリーナ」( 1972)この太い足でプリマはムリ、というのはヤボ。ティアラ、アイシャドウ、脚の白が連動しているように見える。
「舞妓 豊千代 」(1947 )後ろ向き舞妓。
「舞妓 おふく 」(1959鉛筆 コンテ パステル)50×32.5 cm左向き 。この時期さかんに描いた次回の女優像と比べると面白い。
画伯は、「舞妓は裸婦と対照的に 人間を幾重にも装飾でくるんで本来の個性や特性を剥奪してそれを修正し、美化し、類型化した一つの表現体とみることが出来る。 本来の人間像に対応させると、伝統を衣とした生きた虚像というところに惹かれる」と言う。舞妓の美についてそういう見方もあるんだ。昔一度だけ祇園「一力」で見た宴席の舞妓を思い出した。

次回は、舞妓と比べればだいぶ自由で自立した強い女性美を追求した女優像、婦人像のパステル。
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