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芽出ール? はじめての接ぎ木 [自然]

昨年秋、学生時代のクラス会があり熊本のM君が園芸三昧と聞いたので、我が家のカボスの話をした。彼の話では、その枝に接ぎ木をすればみかんでもレモンでもなるという。
びっくりしたのでひとしきり話を聴くと面白そうである。やってみたいと言うとそれなら春に穂木を送ってやるという。

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すっかり忘れていたら、最適期という4月中旬(4月16日)ゆうパックで送られてきた。開けて見て驚いた。
接ぎ木の手順はもちろん、初心者のための注意事項も丁寧に書かれ、なんと台木、穂木のサンプルと台木選択のための見本まで付いている。サンプルを見れば、まさに百の説明文より台木の割り方、穂木の削り方が一見して良く判る。
穂木は、レモン、デコポン、ダイダイ、みかん、ザボン、ライム、パール柑、スイートスプリングの8種。名も知らぬ柑橘類もあり、複数のもあり全部で14本。
一本のカボスにこんなに継いで、木が傷まないか気になる。また、みんな活着して実をつけたらどうなるの、とも思うが全部が成功するとは思えないので余計な心配かとそこで思考停止。

頂いた穂木は、親切丁寧に、すべて乾燥しないように木工ボンドが塗布され、メデールが巻き付けられている。
このメデールというのが、雨をしのぐとともに継いだあと芽が突き破って出て来て、あとで取らなくても自然に溶けて消えるという優れもののビニールテープ、だということは同窓会の時の講釈で教えて貰い知っていたが、初めて見る 。
ホームセンターで購入しようと思っていたが、今回その必要なし。至れり尽くせりの接ぎ木キットである。これで失敗したら…と思うと緊張する。
継ぐまで間がある場合は、冷蔵庫の野菜室で保管すると良いという。また、実践前にネットで知識を得てイメージを作っておけとのこと、これらのご注意も有り難かった。ユーチューブで接ぎ木の動画がたくさんある。

さて、当日である(4月19日)。接ぎ木には枝接ぎ(高接ぎ)と腹接ぎと台木継があるが、枝接ぎはやはりどの枝が良いのか選ぶのが難しい。剪定したほうが良いと思う枝が、気楽だし適切という。腹接ぎも、どのあたりが良いのかが分からぬ。どちらも高いところは作業がしにくい。
そばに日陰で威勢の悪いキンカンがあったので同じ柑橘類だからと考え、台木としてダイダイを継いで見た。あとでM君に報告したら正解とのこと。
ナイフは専用のものが無いが、ネットではOLHAでも良いとあったので砥石で研いで使用した。
台木も穂木も削り方が重要だというのは、初心者にも容易に推察できる。
形成層が合わさることが何より基本だろう。あとは雨水が切り口に入らないようにしてやることだろうか。そのため木工ボンドを切り口に塗り、園芸テープでしっかり結わえる。

ともあれ、作業は午前中3時間くらいで終了した。あとは芽が出るのを待つばかりだ。
ネットでは10日ないし2週間と書いてあったので、一週間後と二週間経過したときに見たら二度とも全く変化がない。
M君に「芽デーズ」と、失敗したかも知れないとメールを打ったら、説明メモに書いたように1〜3月かかるからまだわからぬと返信があった。なるほど読み返して見るとそうあった。事前に良く読んでいない証拠である。間抜けとせっかちをわびたが、他にもポカがあるやもしれないと自信喪失、にわかに心配にもなって来た。

あとは芽のでることを祈りつつ、ひたすら待つしかない。しかし、楽しみが先に伸びて長くなったとも言える。
M君は接ぎ木の活用で、庭のデザインが豊かにできるという。バラは木香ばらに7種ぐらい、桜、梅、フジなどに数種の色違いを、花桃に実桃、イチジク、柿に数品種を接ぎ、色、香り、果実などを接ぐことで、数少ない植栽でも自在にいろいろと取り込めるのが利点という。いろんな応用ができるので、季節の移り変わりを楽しんでいるという。

「我が庭、農園は賑やかなものです」というM君の域には、到底及ばないものの、彼の愉しみを少し想像できたのが何より嬉しい。

成功すれば、柑橘類も早いものなら3年で実をつけるという。家人はそれまで元気でいられる?と怪しむが、山林の持ち主は年老い、いくつになっても、木を伐ったらあと苗木を植えるものさと心の中で呟いている。
実ナール?より、まずは芽デール?かどうか。ワクワク ドキドキである。



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