SSブログ

柑橘類の話(2) 熊本産みかん類到来す [自然]

暮れに熊本のM君が段ボールいっぱいのみかん類(果実)を送ってくれた。春の接ぎ木「芽出ーズ」の失敗を慰めてくれたのである。接ぎ木が成功すれば、数年後にこのようなりっぱな柑橘類が、たわわにわがカボスの枝になったのかと複雑な思いである。
買って入れてくれた晩白柚を除いて全てが、彼が自分の果樹園で丹精こめた作ったという多品種の柑橘類である。
ダイダイ、デコポン、ポンカン、パール柑、ライム、レモン、スイートスプリングなどまるで柑橘類の見本市、多彩である。小みかんというのもある。もちろん無農薬だが、市場のものに劣らず立派なものばかりだ。M君の高度な園芸技術の成果だ。

image-20160214091339.png


暮れから正月、2月にかけて美味しくいただき堪能した。

我々がふだん食べるみかんは、周知のようにウンシュウミカン(温州蜜柑、学名:Citrus unshiu)である。ムクロジ目、ミカン科の常緑低木。りんごと並ぶ日本の代表果実。様々な栽培品種がある。
甘い柑橘ということから漢字では「蜜柑」と表記される。「ウンシュウ」は、柑橘の名産地であった中国浙江省の温州のことで、名はその地名に由来する。単に名産地にあやかって付けられたもの。紀州みかん、静岡みかんとおなじようなものか。子供の時は温州とは静岡のことと思っていた。
欧米では「Satsuma」「Mikan」などと呼ぶのが一般的である。 タンジェリン・マンダリンオレンジと近縁であり、そこから派生した栽培種である。手でむけて炬燵で食べられると人気のフルーツ。
Mandarinマンダリンは中国清朝の官吏のこと。彼らが身につけていた服の色によるもので、Tangerineはタンジール(Tangier)人、つまりモロッコ人のことである、と聞くと
にわかにミカン類がアフリカ、アジア大陸の人に愛されてきたことが身じかに感じられてくる。
自分は最初の赴任地が静岡で、新婚所帯も、第一子の誕生も彼の地だったので静岡みかんは懐かしい。

みかんはムクロジ目というので、ヘェと思って調べると、次のように書かれている。
ムクロジ(無患子、Sapindus mukorossi)はムクロジ科の落葉高木。西日本(本州中南部から南西諸島)から、台湾、中国南部、ヒマラヤ、インド北部まで自生し、栽培もされる。名前の由来は、読んで字のごとく、子どもが患わない病気をしないという意味という。ムクロジ科には、熱帯果物として人気のあるレイシ、ランブータン、リュウガンや日本でも観賞用に植えられるツル植物のフウセンカズラなどが属しているとあるが、みかんがこれに入るという記述は無かった。
ムクロジの熟した果実は、果皮がつやのある黄褐色の半透明になり、中に一個の黒い種子が入っている。たしかフウセンカズラも、黒い実がフウセンの中にコロコロ入っていた。
ムクロジの種子は堅く、よく弾むので羽子板の羽根の重りとして、あるいは数珠玉として使われると聞けばああ、あれかと思うがみかんとはおよそ結びつかぬ。植物分類というのは不思議なものではある。りんごがバラ目バラ科であるのといい勝負だ。

ミカンの分類を体系的に理解するのは、門外漢にはなかなか難しそう。
ついでながらミカン科植物、中でも柑橘属の分類研究の世界的権威としてウォルター・T・スウィングルと並び称される田中 長三郎(たなか ちょうざぶろう、1885ー1976 90歳没)という、日本の農学者がいる。この人の区に分ける分類(ミカン区、ザボン区など)が素人には少し分かり易い。

我々はふだん柑橘類という言葉を使う。柑橘系の香水とか、香酸柑橘といったぐあいだ。
柑橘類(かんきつるい)は、ミカン科ミカン亜科ミカン連(カンキツ連)の、ミカン属など数属の総称である。漢語ではなく日本での造語で、やまと言葉。ミカン(蜜柑)やタチバナ(橘)に代表される。

一般的とは言えないが、似たような幾つかの種をまとめた柑橘類の呼称にタンゴール (tangor) がある。主に「ミカン」(マンダリン、タンジェリン)と「オレンジ」の交雑種のことを指す。
語源はタンジェリンの英名tangerineとオレンジのorangeの「tang」と「or」を組み合わせた事に由来する。日本では「清見」、「せとか」などが代表的なタンゴールである。
また、「ミカン」と「ブンタン」 (pummelo) との交雑種は「タンゼロ」 (tangelo) という。
なお、ここでいうオレンジ(英名:orange、学名:Citrus sinensis)はみかん科ミカン属の常緑小高木で柑橘類に属する。和名はアマダイダイ(甘橙、甘代々)。このオレンジ類はスイートオレンジ、サワーオレンジ、マンダリンオレンジに大別される。

日本のタンゴールの代表選手、清見(きよみ)はミカン科ミカン属の常緑小高木で、柑橘類の一種である。温州ミカン(宮川早生)と外国産のトロビタオレンジを交配させたもので、日本で育成・公表された最初のタンゴールである。品種名の「清見」は、育成地(静岡市)の近くにある清見潟(きよみがた)・清見寺(せいけんじ)に由来する。清見ミカンはスーパーでもよく見るが、育種親としても有名である。

同じく、「せとか」は1984年タンゴールの「清見」と「アンコール」を掛け合せたものに「マーコット」を交配し、育成された品種である。高級懐石料理のデザートになる高価なもので自分は食べたことがない。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。