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ジョアン・ミロの水彩とパステル画など [絵]


ジョアン・ミロ(Joan Miró i Ferrà 1893 - 1983)90歳没)は、20世紀のスペインの画家。カタルーニャ地方バルセロナの出身。ちなみに、ガウディ、ダリもカタルーニャの出身である。
ミロはパリでシュルレアリスムの運動に参加したことから、シュルレアリストに分類されるが、ミロの描く人物、鳥などをデフォルメした形態、原色を基調にした激しい色使い、あふれる生命感などは、例えばダリのように古典的・写実的描法を用いることが多い他のシュルレアリストの作風とは異なり、20世紀美術に異彩を放っている。


ミロは1911年、18歳の時、うつ病と腸チフスを患い、療養のためカタルーニャのモンロッチという村に滞在した。このモンロッチの村の環境がミロの芸術に大きな影響を与えたといわれる。彼はこの頃から画家を目ざすようになり、翌1912年、バルセロナの美術学校に入学した。1919年にはパリに出、この頃からモンロッチとパリを往復しつつ制作するようになる。パリではピカソら芸術家とも知り合い、また、シュルレアリスム運動の主唱者であるアンドレ・ブルトンと出会う。

ネット画集で見るとミロには水彩(Gouacheグヮッシュだが)も5,6枚ある。そのうちの4枚を。

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「Constellation: The Morning Star 星座 :朝の星」(1940 グヮッシュ)同じような油彩もあるが、画像では殆ど同じに見える。
「Constellation Awakening at Dawn, 星座 夜明けの目覚め」 (1941 グヮッシュ)
「The Red Sun, 赤い太陽」 (1948 グヮッシュ)油彩とのミックス。
「Woman and Bird in the Night, 夜の女と小鳥」(1971-75 グヮッシュ)インディアンインクも使用。

またPastelパステル画も4枚ある。

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「Portrait de Mme. K., K夫人の肖像」 (1924 パステル)チャコール、クレヨンなども使っている。ミックス。

「Woman (Opera Singer), 女(オペラ歌手)」 (1934 パステル)
とても夢に現れた歌手を描くかオートマティスムでもなければ描けそうもない。そこが良いのか?上掲のK夫人もそうだが、モデルは泣いているだろう。

「Character, キャラクター 」(1934パステル)画題の訳はキャラクターで良いのか、自信無し。ゆるキャラみたいと言ったら専門家に笑われそう。
パステルはソフトだろうか。

「Painting, 絵画」 (1943 パステル 油彩) ミックスらしいが、どこにパステルを使っているのか?

Oil油彩などを数枚。気まぐれ選定ながら。

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「The Vegetable Garden with Donkey ろばのいる菜園」(1918 油彩)
この頃のミロは、ディテイリストと呼ばれ、画面中に細かい品々をカタログのように描き込んでいる。自分が描くのはしんどいが、観るのは嫌いではない。

「Blue Star 青い星」( 1927 油彩 )
5,6年前(2012年6月)、 25,261,250ポンド、約29億2000万円で落札され話題になった。 ミロ人気の強さの証しながら、どこがもてはやされるのか。青い色か。飾ると落ち着くのか。見る人により何かを想い起こさせる単純性故か。アマチュアには解らぬ。

「Self Portrait 自画像 」(1937-8 油彩 )
これは他の画家にもある数多ある変わった自画像の中でも、ひときわ異色の自画像の一つであろう。44,5歳頃か。ミロの如何なる内面が描き出されているのやら。

「Johan Miro and his Daughter ジョアン・ミロと娘のドロア 」(1937 油彩 )
20世紀最後の巨匠と言われたバルテュス(1908-2001)が、ミロ親娘を描いた肖像画。同時期に描かれた上記の自画像とくらべ、なんとまともか。
バルテュスだからといって娘のほうを主役と勘ぐってはいけない。
ミロ44歳、バルテュス39歳。二人の接点の詳細は不勉強にしてわからない。

「Head of a Catalan Peasant (2 )カタルーニャの農民 (2) 」(1925 油彩 )
「Catalan Peasant Head カタルーニャの農民の頭 」(1924-5 油彩)
この2枚の絵は、理由不明ながら惹かれる。圧政下の農民がパイプをふかして何を思っているのか。

「Bouquet of Flowers. Smile of My Blond, 花束.私の金髪の微笑み 」(1924 テンペラ)
珍しく1枚だけテンペラを見つけたので。

「Carota ニンジン 」(1978 油彩 )
最晩年のもの。85歳。どこがキャロットなのか。ピエロにしか見えない自分が心許なくなる絵。

ミロは1924-28年 にかけてオートマティスム(自動記述)を用いて、夢や半覚醒状態で見た深層心理下のイメージを絵にしている。オートマティスムはシュールレアリスム派の芸術家にもてはやされたというが、不勉強でどんなものか知らない。憑依状態で絵や詩を創るのか。コックリ(狐狗狸)さんや明恵上人を想い起こすが、似て非であろう。

物は◯△□で出来ているというが、ミロの絵にはなかでも◯が多いように思う。太陽、鳥の目などだ。全体に優しい感じを与えるのはそのせいか。もうひとつは線。◯△□は閉じられているが、ミロの絵の線は絵の中で止まることがあっても、閉じない。

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