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不透明水彩 のお稽古 [絵]


リタイア後、透明水彩を手すさびで楽しんでいるが、ある洋画家のブログが絵の勉強に役に立ち、かつ面白いので良く読むようになって久しい。
岡山在住のその画家が「不透明」水彩の1日特別講座を東京(と横浜)でされる、というので参加してみた。講師先生は、「水彩といえば透明水彩が主流だが、透明水彩も良いところがありそれを知って貰いたい」とおっしゃる。
透明水彩を10年カルチャー教室に通いお稽古したが、挫折した身とすれば、何やら惹かれるおすすめ。
このわがブログは、自分のために書いているようなもので、およそ人様の役に立たないが、この体験記はふだん不透明水彩って何?と思っていられる方にだけは、少しは参考になるような気がする。

絵の具は有料だが用意するというのでお願いしたが、むかしペリカンの固形セット(パレットがついている)を買って放り出していたことを思い出して念のため持参した。そう、水彩クロッキーのお稽古で一枚だけこれを使ったことを思い出した。

紙はストラスモア(スパイラルブックF4)がおすすめだったので、少し大きめF6 を買った。

先生は最も重要なのは、白とおっしゃる。白はジンクホワイト、パーマネントホワイトではないとのこと。理由はおっしゃらなかったが、あとでジンクは混色用でパーマネントはハイライト用と知る。うかつにもちゃんとした不透明水彩用のパレットを忘れたが、ペリカンについているのと100均で買ったのが一枚残っていたのでそれを使うことに。

先生のデモが始まる。モデルは紫色の洋服を着た小柄な若い女性。F4のストラスモアで下書きなし。いきなり白を混色して人物の顔から描き始めるのに驚かされる。
透明水彩では白の混色はおよそやったことは無く、白ガッシュをハイライトで使う程度なので、白で混色するのは新鮮な感じではある。不勉強でよく分からないが混色して彩度、明度を調節するのだろうか。それとも新しい色を作るのだろうか。
たしかに乾くのが早いようで、上から色を重ね修正が出来るから透明水彩のように手順を考慮する必要がない。早描きスケッチには最適であろう。
先生は、修正を重ね自分の目指す絵を追求すれば良いとおっしゃる。
先生は最後にカラーペンシルを使われた。色鉛筆はサンフォード、水彩の上にかけるおそらく唯一のものとか。細い線が使えるので良さそう。これは早速アマゾンで求めた。
絵の具はホルベイン ガッシュ アーティスト、筆はキャムロンプロ、フィルバート18、10、6号平筆がおすすめ。

透明水彩の技法書は、「格好が良い」ので沢山あるが不透明水彩はひたすら修正していくだけだからほとんどない、と先生。なるほど。
さて、デモは15分ほどで終了、あと実際に白の混色をやってみたが、白の量が分からず意外に難しく良い色がでない。
下書きなしというのもなれないと位置決めが出来ない。絵が下の方に下がってしまうのは、最初に描く顔の位置が間違っているらしい。
とにかく、最初の絵は二目と見られぬぶざまものになった。失敗。
合間に人物画のコツを伝授される。頭と膝の角度に注意、腕の遠近感の出し方etc…。これがおおいに役立つものばかりだ。

最後に先生に幾つか用意していった質問をしてみた。答えは次の通りだった。
ガッシュと不透明水彩は同じですか?ー同じです。(愚問で先生に失礼だが、以前から気になっていて、プロの答えが聞きたかったのである。)
なぜストラスモアがおすすめか?ー画用紙に近いこと、強い紙であること。(水彩紙ならホットプレス、極細系か)
ぼかしや滲みは使いますか?ー使います。(マスキングはどうかを聞きそこねた…白が使えるのだからこれも愚問か)
鉛筆はどう扱うか?ー正しい線は残してあとは消す。
ミックスは?ーパステルを使う。

たしかに不透明水彩も面白そう。2年ほど前パステルに手を出した時も、同じように最初は面白かったから同じことかも知れない。当然ながら、すぐにそんなたやすいことではないと気づかされる。

いわゆる透明水彩(Watercolor)は、産業革命のあとイギリスを中心に発達したものだが、ガッシュは顔料をアラビアガムで溶いたものでそれ以前ヨーロッパでさかんに使われた絵の具あるいは水彩技法全般をさすとネットにある。不透明水彩の方が古いことになる。
日本では小中学校で使用される水彩絵具を、不透明水彩ということが多いという。これは透明水彩の技法は小学生には難しいことから、子供専用につくられたものである。このため、不透明水彩はわが国では多少誤解されているかも知れない。

不透明水彩といえば中西利雄(1900ー48)、小堀 進(1904-75)が知られている。二人とも清澄感溢れた絵を描いている。これは、かつてこのブログにも書いた。

中西利雄の水彩画
http://toshiro5.blog.so-net.ne.jp/2013-11-27

いまは、わが国だけかもしれないけれど、透明水彩ばかりがもてはやされているのは何としたことか。

ともあれ、先生は熱心に不透明水彩の良さを説明されて、絵を描く楽しさが伝わってくる。確かに面白いかも知れないと思って、帰ってきてからもせっせと練習している。
この2カ月余りで10枚くらいは描いた。ぼかしたり滲ませたりマスキングを試みたりして楽しんでいるが、やはり晴明感ある良い色を出すのが目標。
まだ描いている過程でも、出来上がりも透明水彩とどう異なるのかよく分からないが、
当分は講師先生の絵を模範に続けて見ようと思う。もしかしたら、透明水彩の方にも良い影響があるかも知れないと思って、あわせて透明水彩も同時にお稽古中。 何の根拠もなく、かつ虫が良過ぎると思うが。

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ワークショプでは、洋画家のお嬢さんが熱心に進行を手伝っていて、何とも微笑ましい。
ブログの愛読者には、洋画家のモデルもつとめる(絵も上手 )なじみの(?)お嬢さんだが、実際にお目にかかれご挨拶ができてラッキー。もっと幼いイメージだったのに大きくなっていておどろく。ヴァーチャルの画像の絵で拝見するお嬢さんも美しいが、実物はそれ以上に素敵で可愛いい。きっとすぐに母上似の美しいおとなの女性に、成長されるだろう。

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