解体パワーショベル [随想]
このところ、ご近所は家の解体、新築が立て続けに数カ所あった。子供が独立して巣立ってしまい、老夫婦が住んでいたが、高齢化とともに戸建て管理が大変になったというのが多いようだ。更地にして売却したあとに、数件の新所帯向けの小さな家が建つ。自分たちは、その一角に住む方もおられる。世代の代わりでやむなしといえども、古屋の解体は見ていてものがなしい。壊される途中で二階の押入れなどが見えると、あそこで生活していたのだなと、人のことなれどなにやら妙な気になったりする。
しかし、やがて古い家が、庭木ともども跡形もなく消えると、そこにどんな家があったか思い出せなくなる。
解体に使われるパワーショベルは強力である。昭和に建てられた木造家屋などあっという間に壊される。
パワーショベルが動き出す前に合掌しているように見えた。
秋晴れや 解体ショベル 合掌す
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