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ハナニラ(イフェイオン)と韮など [自然]

近くの団地の庭には多くの花木が植えられ、住んでいる方が四季を楽しんでいる。春になると、庭に植えられた花と花の間を蕗の葉などがグランドカヴァーとして埋める。その一つにひときわ目立つ星形の白い花があり、絨毯のように広がっていて美しい。この白い花の名を知らなかったので、グーグルフォトで検索をした。

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 それがイフェイオン。イフェイオンと言っても知らない人の方が多いのでは無いか。一般的にはというか、日本では別名の「ハナニラ」の方が通りが良いと思う。


ハナニラ(花韮、学名:Ipheion uniflorum)はネギ亜科ハナニラ属に属する多年草。原産地はアルゼンチン。科名はユリ科で分類される場合もある。


葉にはニラ()やネギ()のような匂いがあり、このことからハナニラ(花韮)の名がある。


なお、ポピュラーな野菜のニラ(学名 Allium tuberosum)の一種に花茎とその先につく蕾の部分を食用とする「花ニラ(ハナニラ)」があるが、同じ亜科に属するものの別種である。


園芸植物である方のイフェイオン=ハナニラは食用にはならない。イフェイオン=ハナニラには先端に花が一つしか咲かないため区別できる。


イフェイオンといえば、通常は、南米のアルゼンチン及びウルグアイ原産のイフェイオン・ユニフロルム(学名である)を指す。


自分が団地の庭で見たのはこれだと思う。


 


さて、ハナニラ属は、南米に10種ほどが分布しているが、日本でもよく栽培されているのがイフェイオンで、きれいな星形の花に特徴がある。丈夫で育てやすく、球根もよく増えるという。


白い花だが、時折り紫っぽいのや花びらが少し太めのものも見かけることもある。


 


なお、黄色の花が咲くイフェイオン セロフィアナムは、ヒガンバナ科ハタケニラ属(ノトスコルダム属)にされている。また、同じく黄色いノトスコルダム モンテビデンセというのもあるとか。これらは今はイフェイオンとは別属とされているらしい。


黄色いのはネットの画像を見たが、実物は見たことが無い。白いイフェイオンのように、広い庭いっぱいに沢山咲いたら見事なものだろうと想像してしまう。


 


晩秋から初冬に白い花を咲かせるパルビフローラ(I.parviflora Tristagma recurvifolium


 平たい葉をもつが、開花が早く11月から12月に白い花を咲かせる。イフェイオンの名で流通するが、実はトリスタグマ属に分類される。


 


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  ハナニラは イフェイオンの 異名なり


  名を知ればやたら目につくイフェイオン


  検索のハナニラやたら其処ここに


  咲き初めは春の星図かイフェイオン


  ハナニラや星図のごとく咲き始め


  五階からは星図に見えるかイフェイオン


 


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 ニラ(韮、韭、Allium tuberosum)は、ネギ属に属する多年草。(ハナニラはネギ亜科)中国原産で欧米では栽培されていない。東洋を代表する野菜である。


わが田舎ではこの葉で地面の穴にいる虫を釣り出す遊びをしたことがある。遠い日のことだ。あの虫は何の幼虫だったのだろう。1cmほどの薄緑色だった。


ニラといえば反射的に思い起こすのはレバニラ炒め。学生時代金がない時の定食はこれ。しょっちゅう食べた。


 


韮 (別名ふたもじ) の季は春。「韮の花」は夏。花韮ハナニラは春の季語。 尚、「花韮」は、野菜の「韮」とは全く違う植物で、「韮の花」とすると夏の季語となるので注意を要すると歳時記に説明がある。


 


    一文字(ひともじ)の韮は別名ふたもじにや


  ふたもじは韮の別名一文字(いちもんじ)


 


「薤露(かいろ)という言葉がある。漱石の小説「薤露行」の薤露である。(行は詩のこと)


(薤にらの葉の上に置く露は消えやすいところから)人の世のはかないことや、人の死を悲しむ涙をいう語。また、漢の田横の門人が師の死を悲しんだ歌の中にこの語があったことから、葬送のときにうたう挽歌(ばんか)の意にも用いる。


 


「薤は一般的にはニラを意味するが、中国ではラッキョウのことである。薤の葉は幅が狭く、露がとどまりにくく乾きやすい。このことから、住みにくい世に生きる命の儚さの比喩になっている」とウキペディアにあるので漱石の薤露行はらっきょうの葉についた露の行(漢詩)と解するのか。小説は難解だ。青空文庫で読み直そう。


 


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  薤露行我に難解眼借り時


  永日や我に難解薤露行


  遅き日や薤露行を読み返す




らっきょう(辣韮、薤、辣韭 学名: Allium chinense)別名は「オオニラ」、「サトニラ」。ネギ科の多年草。燐葉(りんよう)で覆われ卵形の地下茎をもち、葉は線形で根際から出る。秋、高さ約40cmの花茎を伸ばし、紫色の小花を球状につける。中国の原産。鱗茎(りんけい)を漬物にし、特有の香味がある。《季 夏 花=秋》「辣韮ほる土素草鞋(すわらぢ)にみだれけり/蛇笏」(歳時記)


 


「葷酒山門に入るを許さず」という古諺があるが、肉や魚は?葷か酒か。肉も魚も入るを許すことはあるまい。葷は主にネギ属の植物であるネギ、ラッキョウ、ニンニク、タマネギ、ニラなどを指すという。


仏教では、忍辱(にんにく)、野蒜(のびる)、韮(にら)(ねぎ)辣韮(らっきょう)などの五つを五葷という。アサツキ(浅葱)、アブラナ(油菜)とすると説もあるらしい。


 


にんにく(大蒜 葫)ユリ科の多年草。高さ約60cm。全体に強い匂いがある。地下の鱗茎(りんけい)は灰白色で、数個の小鱗茎からなり、食用。強壮薬・香辛料などにも用いる。夏、茎の先に、長い苞葉に包まれて白紫色の花が集まって咲く。花の間にむかごをつける。ガーリック。《季春》(角川歳時記)


例句


雑草を抽きて大蒜畑強し  石川桂郎(1909  1975


(ざっそうを ぬきておおびる はたつよし)


 


石川桂郎は確か俳人というより、川柳人だったような気がする。


上掲句も代表作 昼蛙どの畦のどこ曲らうか も滑稽味溢れて


俳句と川柳の区分も曖昧だと分かる一例だ。


 


ニンニク(蒜、大蒜、葫、忍辱、学名:Allium sativum)は、ヒガンバナ科ネギ属の多年草。香りが強く、強壮・スタミナ増進作用があると信じられているため、球根(鱗茎)を香辛料などとして食用にするほか、茎も「ニンニクの芽」(トウ)と呼ばれて野菜として調理される。かつてクロンキスト体系による分類ではユリ科に属していた。強烈な風味を持つことから、肉食の習慣がある地域で普及している。(ウキペディア)


 


ノビル(野蒜、山蒜、学名Allium macrostemon)は、ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属の多年草。日当たりのよい土手や道端に生える野草で、全体の姿や臭いはニラに似ている。花にムカゴをつけて繁殖し、葉と地下の球根は食用になる。(ウキペディア)


 


ユリ科の多年草で、田の畦あぜ・荒れ地・土手などいたるところに群生している。葱のような臭みがあり、茎は細長く直立し、初夏に花をつける。春の代表的な食用野草の一つで、茎と鱗茎りんけいを生食したり、浸し物・酢味噌和え・胡麻和えなどにして食べる。


季語春 (角川歳時記)


 


 これも田舎で良く摘んできては、お浸しにして食べたので懐かしい。当時でも農家の人は野菜には事欠かなかってので、食べる人は少なかったと思う。我が家では貴重なビタミンだった。今ではこれを食べる人はいないのだろう。田舎では「ののひろ」と呼んでいた。花はどんなものだったか覚えていない。


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