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この句何? 住所氏名句 川柳擬き [詩歌]

 


 


 新聞の日曜歌(俳)壇をたまに見るが、いつも皆さん良い句を作るものだと感心しながら読むことが多い。しかし今回書きたいのは投句のことではない。 


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 先日、投稿者の住所、氏名を見てびっくりした。何と俳句になっているではないか。


 茨城県 つくばみらい市 美川鮎


 栃木県 那須塩原市 山田美穗 


 


 投稿句自体は覚えて無い。作者の住所氏名が投句と「付いて」いたかどうか考えなかったが、良句だなと思ったことは記憶にある。


 それよりも住所氏名句ともいうべきこちら方が印象に残った。茨城県は字余りだが違和感はない。氏名は仮名に変えたけれど、実名の方も季語(に近い語と言うべきか)が入っている。


 子規の母親のつぶやき句 「毎年よ彼岸の入りに寒いのは」を思い起こした。


 俳句に土地が詠みこまれることはしばしばある。例えば「象潟や雨に西施がねぶの花」 芭蕉 などだ。名句であればその土地が歌枕になる。


 土地名の入った句は、読む人、詠む人それぞれに関わりがあったり、何らかの思いがあるとさまざまな感慨をもたらすから、詩ともなるのだろう。


 しかし、住所氏名が読みようによっては、俳句のようなものになるとは思いもよらなかった。


 


 住所氏名句と名づけ作ってみた。無理矢理作る工事俳句になるのはやむを得ないが、日本の地名、苗字、名前は多彩なので、定型の強味もあっていくらでも出来そう。


 東京都 中野区江古田 町さくら


 東京都 西東京市 曾良ひばり


 東京都 足立区綾瀬 峰春香 


 東京都 中野区野方 谷百合子 


 北海道 北広島市 波多野雪 


 秋田県 由利本荘市 星野美佳


 愛知県 尾張旭市 向笠菊


 兵庫県 南あわじ市 櫂洋子


 鳥取県 奥出雲町 山路佳奈 (哉)


 大分県 豊後高田市 篠冬美


 香川県 東かがわ市 梶航 (わたる)


 


 やってみると中七がなかなかない。平成の大合併で生まれた市の字数が多いが、古い市は比較的短い。足立区綾瀬、中野区新井のような町名を入れるなど一工夫がいるか。中野白鷺はNGか?関係無いことだが、区を省略すると郵便が届くか心配。なれど、もとより地番はないから考え過ぎか。


 上五多少の字余りは目をつぶろう。郵便の宛先を真似て市、区部名から始めれば、町名や字名まで入れられて自由度が増す。しかし知らない市町村名だと、何処の都道府県かわからず土地のイメージが湧かない。


 滋賀県のような四文字が困る。住所だから滋賀県の〜、滋賀県や〜とするわけにいかない。ついでながら、切りが体言止めだけなのが辛い。佳奈(哉)さんを多用するしかない。


 句の調べは何とかなっても、格調は心許ないし、都道府県から始まるのでは句柄が小さいのは致し方無かろう。大きくするには国際郵便の日本国でも使うしかない。


 日本国 名古屋瑞穂区  城さくら


 郡、町、字名をうまく折り込めば面白そうだが、住んだ人でもないと多くを知らないのが難である。しかし逆に言えば、その地に詳しい人が詠めば良句が出来る可能性がある。


 ちなみに自分が住んだことのある地などの、いわば縁ある地を読み込んだ住所氏名句。


 


 大阪市 北御堂筋 伊調ナミ


 大阪府 箕面市南 滝涼ニ


 新潟市 松波町 日向美帆


 福岡市 天神東 梅木翔


 福岡市 博多区中洲 杜詩郎(もり しろう)


 栃木県 烏山町 境麻衣


 栃木県 那須烏山市 簗鮎美


 大分市 中島東 社宅 (やしろ たく)


 文京区 茗荷谷下 門司学


 


 北御堂筋、箕面市南の北、南などは苦しまぎれの地名じっさいにあるかどうかは知らない。


 名前はキラキラネームや芸名、ペンネーム、四股名などを上手く使えれば味が出るかも知れない。一字ニ音苗字、一字三音の名前などを上手に(詩的に)使いたいものだ。


 住所も氏名も季節を表せるものが良いが、どうしても限られる。


 都道府県、市町村、字名で季節感のあるものは北海道、秋田県、青森県、鹿児島市、春日部市など稀である。


 世田谷区 桜上水ハナ肇


 季節感はあるが、川柳擬きになった。


 願わくば作者の読んだ俳句とその作者の住所氏名句が付いていたら申し分無いが難しそう。


 住所氏名の十七文字の後に七、七の長句を付けて短歌にする方がやりやすく、面白いかも知れないと詩想ならぬ妄想が膨らむ。


 


 今年2022年5月には「含笑句」なるものを捻り出した。「住所氏名句」は、今年二つ目の仰天俳句(びっくり句)である。


 


 この句何?川柳擬き含笑句


 https://toshiro5.blog.ss-blog.jp/2022-05-21


 


 なお、今回作った住所氏名句の名前は仮名だが、もしかして実在する可能性もあるので、その時はお遊び、戯れ事につき乞う御容赦である。


 住所氏名句と含笑句はともに俳句をめざすが、まだまだ川柳擬きの域を脱していない。


 


 


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