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アイスペールで稲づくり [雑感]

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今年の春5月、新宿駅近くで買い物のあと散歩していると、JA東京のアグリパーク(農業情報発信拠点)を宣伝する店舗がオープンフェアを開催していた。
商品を買ったら福引きが出来て4等賞品「バケツで稲づくり」のキットが当たった。
種籾と肥料と稲づくりマニュアルがセットになっている。平成元年から28年まで小学生など960万人が参加した実績があるとパンフにある。教材として人気があるのだろう。

適当なポリバケツがなかったので、使っていないアイスペール(ワインクーラー)でチャレンジする。
土は家人が培養土をスーパーで買ってきてくれた。園芸用腐葉土なのでやや有機質が多いのが気になったがそのまま使用した。
マニュアルを後でよく読むと、土についてはかなり詳細につくり方が書いてあったが、無視した。これは稲の成長、米の品質に影響があったと思われるが、具体的にはどんな影響を及ぼしたかは分からない。

収穫は10月予想だから栽培期間はほぼ6ヶ月かかるが、やることは基本的には水を切らさないことだけである。ただ、分けつ、中干し、水落ちなどのタイミングが難しい。いつそれをやるかだが、忘れるとまずいことになる。

分けつ(苗の移し替え)で失敗した。芽がでてから葉が4、5本になったところで苗を植え植え替える(たぶんこれが田植えだ)のだが、余分な苗をもったいなくて捨てられず側に植えたのである。小さなアイスペールには苗が多すぎることになり、その後の稲の生育に悪影響を及ぼしたようだ。ケチは駄目と思い知った。

懸念したとおり苗全体に勢いが弱く下の方の葉も枯れてきたものもあり、なかなか穂が出てこない。もうダメかなと焦ってきた8月18日にやっと1、2本穂が出て、白い花がこぼれてきたのを見つけたときはホッとした。近くで見ると稲の花はきれいである。
米づくりは八十八も手がかかると言う。キットは病気、虫、嵐、田の水の管理などが無いので楽だが、実際には農家はもっと大変だろうと思う。
実際の手間もそうだが、いっときも気が抜けないだろうことは容易に想像できる。

米は水田で栽培されるが、極めてシンプルなもので優れた装置であることが良く分かる。
しかも連作が可能であり、保水の機能も持ち合わせている田んぼというのは食糧生産だけでなく環境保全にも優れたシステムだ。バケツ稲作りはそれをよく教えてくれる。

10月5日稲刈り。束ねて干す。穂から籾を落としてから(脱穀)、玄米にするためすり鉢で籾を剥がそうとしてもうまくいかない。籾殻(もみがら)をはずす作業を脱稃(だっぷ)と呼ぶそうだが、こんな言葉は知らなかった。
乾燥不足かと思って暫く放っておく。JAのネットでは軟式野球ボールで摺りあげると良いというのだが。軟式も公式も野球ボールなど無い。
これでは、「稲は出来たが米は出来なかった」になってしまう。
ジムで頂いた筋膜リリースのボールを代用して小さなすり鉢でやってみるが、なかなか籾殻が剥がれない。長時間かけてやっと玄米らしくなった。次は精米。
なお、この段階で計ってみたら22g。これではご飯茶わん一杯にも足りないだろう。ふうっ、疲れた。
いつもスーパーで買う米は、決して高価とはいえない気がしてきた。


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