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睡眠口座の話 [雑感]

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片付けをしていたら20年ほど前のJAの古い総合口座通帳とキャッシュカードが出てきた。残高が少しあるので駄目モトで電話をすると、この種の扱いはT支店に集中しているので、そこに電話されたしという。

預金者は銀行に対して債権(預金を返してもらう権利)をもっているが、この権利は5~10年間行使しないと時効が成立し、権利が消滅する。権利の上に眠るものは…というやつ。
しかし、全国銀行協会では自主ルールとして、10年、20年経過した預金であっても払戻しに応じることになっている。つまり、いったん休眠(睡眠)扱いになった預金でも、引き出すことができるのだ。
小生の通帳は、最終引き出し日が平成11年(1999.6.22)だから、20年近く眠っていたのでこのルールが適用される。
この年は37年あまり勤めた第一の職場を離れ、第二の職場に転籍した年だったが、この口座を開設した理由や経緯が思い出せない。たった20年されども20年、耄碌寸前、往時茫々である。

なお、ごく最近(2018年1月)になって、「休眠預金等活用法」が施行され、「2009年1月1日から10年以上取引がない普通預金、定期預金、貯金、定期積立を『休眠預金』とする」と制定された。
つまり2019年1月から、休眠預金となった預金は預金保険機構に移管され、民間公益活動のために有効活用されることが決定している。自分の場合、これにも該当するだろう。
しかし、この場合も、名乗り出れば、口座のある銀行で引き出すことができる。ただ、2007年9月の民営化前に預けた郵便貯金は唯一例外なので要注意である。

JAのT支店はいつも車で近くを走るところなので、行ってみることにした。窓口嬢は、通帳を見て、確認処理などに時間がかかるから電話をするので、後日出直せと言う。
JAなので経済課の店舗に立ち寄る。鎌や地下たびなどとともに食品も店頭に並んでいる。同道してくれた家人は普段はスーパーで栃木や千葉県産こしひかりなどしか買わないがたまには食べようと、南魚沼産こしひかりを買うという。あわせておしるこ用の餡、煎餅などを買い込んで帰る。

2週間ほどしてJAのT支店から電話があり、印鑑、通帳本人確認出来るものを持参して来店せよとの連絡。印鑑はどれだったか覚えがないと言うと、ではこれと思うものがあればそれを、なければ新しいものをと仰る。
2度目も車で行った。今度は20分ほどで解約処理を含め全てが終了する。窓口嬢の感じがすこぶる良いので、口座を復活しようかとも思ったが、銀行口座は整理したいくらいなので思いとどまる。

それにつけても時間の経つのは早い。とくに老人には10年は須臾の間である。10年で休眠口座とはちと早すぎないか。休眠預金は、年間約900億円(例えば2011年3月期は約882億円)に及ぶというから活用したいというのは解るが、民間公益活動って何だろう。
窓口嬢によれば法改正後この種の問い合わせが増えているとか。皆没収されるのではないかとおそれてのことのようだが、これは誤解によるものだ。上手に普通預金を動かす方法なども含め、顧客に良く説明する親切を銀行には求めたい。

本題から逸れる。インターネットバンキングの急速な普及など、世の変化の中でメガバンクや地銀を含め今後の銀行経営は容易ならざる感がある。が、かたやJAは金融、経済、共済の複合経営の強みを持っているし、加えて営農のコンサルも出来る。さればどんな時代になっても、対応していけるのではないか。

暫くぶりでJAを訪れ、窓口嬢の笑顔に接してしみじみそう思った。

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