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已己巳己(いこみき) [随想]

 


克己(かつみ)君という名の友人がいて、いつも「み」は巳だったか己だったか迷ったものだ。


漢字というのは似たものがあって、いい加減に覚えているので普段よく迷うものが多い。


己と巳などがそれだが、やっかいなことに他に已()というのがある。己と巳の間が空いている。そういえば已然形というのを未然形などと共にに習った覚えがある。


 


改めて国語辞典で見ると次の様にある。


 



①やむ やめる ②すでに もはや 已然 ③ のみ だけ ばかり ④はなはだ 音読み い 訓読み や( すで()


 



①おのれ じぶん 自己 克己 ②つちのと 己丑 音読み こ き 訓読み おのれ つちのと 名のり み


 


み へび 元巳げんし 上巳じょうし 音読み 「し」 訓読み「み」


 


これを見ると、己はおのれだからおのれに克つ男で克己(かつみ)君という訳だが、己の音読みは「き」と「こ」で「み」は無い。


訓読みは「おのれ」である。しかしながら、名のりで「み」があるから良いのであろう。


巳は十二支のへびで音読み「し」、訓読み「み」である。


 


なお、辞書にこの三文字を使った已己巳己(いこみき)という言葉があったのでびっくりした。不学にして知らなかったのである。


似たものという意味だそう。あの姉妹は已己巳己(いこみき)だ、双子だからね、と言った具合に使うとか。これまで見たこともなかったが。


しかし、己を「こ」と「き」2回使った意味がわからぬ。四字熟語にしたかったのか。何か他に理由があるのか。まぁ似た漢字は他にもたくさんあるし、理由が分かっても詮無いことだが。


 


ふっと湧いた駄句。


 


 ひょろひょろと已己巳己(いこみき)おたまじゃくし哉


 


むかし、疎開地の田川や長じて遊んだゴルフ場の池にいたおたまじゃくしの群れを思い出す。


句が浮かんだのは、已己巳己なる字がおたまじゃくしの尻尾に似ているからか。他愛もない。自分の様に已己巳己なる言葉を知らない者が読んだら何のこととやら分からないだろう。知っていても理解し難いか。駄句。


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おたまじゃくしは中国語で蝌蚪(くわと)。俳句では、なぜかこちらの方が好まれている。二文字だからでもあろう。春の季語。


例句 川底に蝌蚪の大国ありにけり 村上鬼城


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アルミ空缶製の吊風ぐるま [雑感]


先日、よく散歩する遊歩道で、アルミ空き缶風車が柿の木の枝に三つ吊るされているのを見つけた。

 

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 前にもこの遊歩道の傍らにはペットボトルを利用したプロペラ型の風ぐるまや、プラスチックのシートを切って真ん中をとめたオーソドックスな形の風ぐるまを見たことあるが、これらは皆棒仕立てある。

 棒仕立てのものは、震動音や羽根音でもって鳥よけやもぐら退治になるそうだが効果のほどは疑わしい。

 これが発展したものは風力発電や汲み上げポンプのオランダ風車に代表されるように、実用化されるタイプである。

 

 吊り下げられているのは、初めて見たので何か新鮮な感じがした。

 吊り型のアルミ空き缶風ぐるまは、実用というより釣り忍や風鈴のようにもっぱら見て楽しむものであろう。  

 一般的なプロペラ型は横軸に回るが、吊り型は独楽のように、あるいはTVか何かで見たチベット仏教のマニ車のように縦軸に回転する。

 

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 空き缶風車はネットで調べると、作り方を紹介したサイトや動画がわんさと出てくる。ビールやジュースの空き缶を再利用して、手作りで楽しむ人が多いらしい。

その一例。

https://ja-kouka.shinobi.or.jp/food/challenge/detail.php?id=237

 

さてこれを見てから冷や汗駄句、駄句に挑戦している。

 

 寒明けや空き缶作りの風ぐるま(初案)

 誰ぞ吊る空き缶風車遊歩道

 何祈るジュース空き缶吊り風車

 遊歩道麦酒(ビール)空缶吊風車

 

 初案は、空き缶風車を最初に見たのが昨年暮れだったが、寒明けと缶空けの音韻連想から始まった。いつものだじゃれ俳句。

 「寒明け」は新暦二月四日ごろ。春の季語。「風ぐるま」も春、季重なり。

 上、下五は春一番、春本番、春嵐などもありか。

 その後、誰が吊ったのか、回るさまは祈っているようにも見えるなぁなどと迷走。

 最後はいつもの説明調体言止めの漢語俳句。「ビール」は夏の季語。「風車」は春だから季違い。ビール空き缶だから良しとするか、それとも「軽銀(アルミ)空き缶」とでもするか。

 

 いずれも、空き缶風車を知らない人にはいくら説明しても、何のことやら読む人に句意は伝わるまい。フォト俳句(それも動画の)なら別だが。

 

 既に3か月余の苦吟、舌頭千転(大袈裟な)だが、師無くて、格も調べもなく、はてどうしたものやら。

 

 歳時記では「風車、風車売り」は春の季語として以下のように説明している。もちろんアルミ缶再利用の風車の記述はない。昔は子供に与えるおもちゃとしての風ぐるまを、風鈴売りのように売っていたのだろうか。

 

「美しい色のセルロイド・ビニール・紙などを花のような形に組み合わせ柄の先に取りつけた玩具。風を受けて回るさまが美しい。かつては春先になると風車売が売り歩いたりした。」

 

  街角の風を売るなり風車 三好達治


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