ヘラオオバコ(箆大葉子) [自然]
団地の庭は花壇も庭木の植栽もあるが、そうでないところも広く種々の雑草が生えている部分もある。定期的に庭師が入り雑草は電動草刈機で刈られてしまうがすぐ繁る。
そこには雑草と一緒に夕化粧、ムラサキツメクサ、白ツメクサなどの花々が咲いていてきれいだ。
見ているとその中にあれ?これは何?という草が花をつけてたのでググった。地味で秋草の風情である。
検索結果はヘラオオバコだった。オオバコは良く田舎で見て知っていたが、知る前は全くオオバコと繋がりを感じなかった。
ヘラオオバコ (箆大葉子)は、オオバコ科オオバコ属の植物である。ヨーロッパ原産の雑草で、日本では帰化植物であるという。
葉が箆の様に平べったいのでオオバコとは区別される。
オオバコより葉は大きく花茎も高いが、オオバコの特徴である踏みつけ耐性はない。
箆(へら)は靴ベラや箆鹿(ヘラジカ)の角の様に平べったい形のことだが葉の形状がヘラ状だという。葉は目に入らなかった。
言われてみれば花茎がひょろっと伸びて長いところは違うけれど、花自体はオオバコの花に似ていると後から気付いた。
オオバコ(大葉子、車前草、学名:Plantago asiatica)はオオバコ科オオバコ属の多年草。高地から平地まで、道端などによく生える野草で、地面から葉を放射状に出して、真ん中から花穂をつけた茎が数本立つ。葉は薬草として利用され、漢方薬でも使われている。中国では車前草(しゃぜんそう)という。スモトリグサ(相撲取り草)なる別名もあるとネットにある。
大葉子は踏みつけに強く、人などがよく踏む道端などの場所のほか校庭や公園などでもよく見られ、草丈が高くなる草が生えないような場所を選んで生育する。何と踏みつけが弱い場所では、高くのびる性質を持たないので、他の草に負けてしまう。ここにも植物の生き残り戦略があってびっくりする。
和名の由来は、葉が広く大きいことから「大葉子」と名付けられたと一般にいわれるが、当て字だとする説もある。
自分は長いこと、間違って頭の中で大箱という漢字をあてていた様に思う。
地方により、別名ガエルッパ、ゲーロッパ、オンバコともよばれ、弱ったカエルをこの葉陰におくと元気になるという俗説からカエルバともいわれる。
中国では車前草と書き、「車前(しゃぜん)」は漢名で、人や車(牛車・馬車)が多く通る轍(わだち)によく生え、踏みつけに強いからこの名がついたというからオオバコの踏み付け耐性は古くから注目されていたのであろう。
小さい時、おできの膿を吸い出すのにこれを使った記憶がある。確か温めて柔らかくして母が患部にあてがってくれた。
田舎ではゲンノショウコやドクダミも陰干して軒に吊るされていたが煎じて飲んだ記憶は残っていない。オオバコは何故か微かに覚えているのは薬効があったのだろうか。草むしりをするときのこの草の手強さも覚えている。
田舎ではケェルッパと呼んでいた。
変種に唐大葉子(トウオオバコ)、西洋大葉子(セイヨウオオバコ)、蝦夷大葉子(エゾオオバコ)、蕾大葉子(ツボミオオバコ)などがあるらしい。
ネットでミズオオバコ(水大葉子)というのも出てきたが、これは別種(トチカガミ科)で紛らわしい。
踏み付けに強い大葉子弱い箆(ヘラ)
花帽子箆大葉子風に揺れ
道端で踏み付けられしけえるっぱ
踏まれても踏まれてもなおけぇるっぱ
踏まれても平気の平左ケェルッパ
遠き日のおできの治療蛙っ葉
この木の名は何?番外編 柳にあらず 欅 [自然]
この木の名は検索しなくても知っている。柳(ヤナギ)ではない。欅(ケヤキ)である。
欅を公園や庭木、街路樹に植えると大きくなりすぎないよう剪定されてしまうことが多い。落ち葉の始末も大変だし、電線などの邪魔になるからだ。
植木の剪定はあまり大きくならないようにするために、透かし剪定が基本と聞いたことがあるが、この木は周知の通り天を衝くように大きくなるので、高い枝の先を全部ぶつ切りしてしまう。この頃よく見かけるが、やってはいけない剪定の典型である。
木へのダメージは素人目にも大きいのではないかと案じる。
最近では公園の欅など全部の枝を剪るので、冬の間は見るからにせつなく棒立していて、これで枯れないのかと思ってしまう。
見ていると、春になって密集した新芽が出て細い枝となり垂れ下がってくる。まるで柳のようだ。
心持ち剪定しない欅より芽が出るのが、遅いように思うがどうか。また少ない葉で太い本体を養おうとするためか、一枚一枚の葉が大きいように見える。
阿佐ヶ谷駅から北へ向かって「欅通り」があるが、ぶつ切り剪定はしていないので空高く枝を伸ばしていて見事だ。夏は日陰を作り秋は黄葉が美しい。
よく見るとここは電柱を地中に埋めているらしく電線が無い。
しかしいつまでこうしていられるか。各地に欅通りはあるが心配ではある。
神宮外苑の樹木伐採騒動に見られるように、都市における大きな樹木は危うい状態にある。木の本性に任せて成長することが出来る広さのある公共の土地は、それだけで価値がある。再開発を口実にする巨木の伐採など知恵のない話で、嘆かわしいというほかない。
恨めしや剪られた欅柳風
なお、これを書いた後にネットで欅の強剪定についての記事を見つけた。
「強剪定とは幹の途中からケヤキをばっさばっさ切ってしまう剪定で、この剪定をされるとケヤキがまるでメキシコの巨大サボテンのようになってしまう。
剪定に関する本などを読んでみるとケヤキは丈夫な木なので強剪定にも耐えられると書いてあるが、それは間違いだ。」とあった。やはり、ね。
スダジィの芸術的落ち葉 この木何?ー番外編2 [自然]
散歩から帰ってきた妻があまりに芸術的なので、何(の葉)か分からなかったが、拾わずにいられなかったと一枚の落ち葉を見せてくれたので、この葉何?と早速検索した。
グーグル先生はマンゴー、ローリエ、アグラオネマとかが似た画像という。マンゴー、ローリエは明らかに違う。
またアグラオネマは、ミカン科の顕花植物の属であるクモ類。アジアとニューギニアの熱帯および亜熱帯地域の原産。普通中国の常緑樹として知られているらしいのだが、これもちょっと違う感じ。
妻に拾った場所を聞くと、団地内の道路脇スダジィの木の下という。
その木には名札がついていて「すだじぃ」と書いてあることは以前から知っている。確かに拾ったアート、サイケな葉の形はスダジィのものである。
スダジイ(すだ椎)とは、ブナ科シイ属の常緑広葉樹である。別名はイタジイやナガジイ。普通、シイという場合にはこのスダジィを指す。スダジィの「すだ」に漢字は無いらしく、すだとは何か不明である。
翌日散歩がてらその地に行ってみると、スダジィはほかの常緑樹と同じようにこの時期に葉を少し落とすと見えて、落ち葉が木の下に散乱している。
しかし、妻が拾ってきたようなアート、サイケなものでなく普通の茶褐色な落ち葉ばかりだった。
団地にはあちこちスダジィが植えられていて数十本はあるので別の場所で探すと、少しサイケなのを何枚か発見した。
更にその翌日今度は二人で行って上を見ると、一部の木の枝にそれに似た模様の葉を見つけた。何と落ちる前から模様がついていたのだ。
他の枝は普通の葉をつけているので突然変異や変種スダジィとかでなく、病葉(わくらば)?かとひらめく。
サイトで農研機構の病害植物検索(樹種別)をかけて、スダジィの病害を探したがない。
いくつかの植木栽培などのサイトも覗いたが、それらしき記事は見つからない。
結局スダジィの葉が全部でなく一部だけ、変わった色がついて落葉するのは何故なのか、分からずじまいだった。夏休みの自由研究の面白いテーマになりそうな気もするのだが。
なお、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(のうぎょう・しょくひんさんぎょうぎじゅつけんきゅうきこう、National Agriculture and Food Research Organization, NARO)は、茨城県つくば市に本部を置く農水省所管の国立研究開発法人。コミュニケーションネーム(通称)が農研機構。略称は研究機構。本部と5つの地域農業研究センター、7つの研究部門、3つの重点化研究センターからなる。
2001年農業技術研究機構や各地の農業試験場など農水省所管研究機関が統合され発足した。
団地には運動場の回りにスダジィより葉の大きなたぶんマテバシィ(馬刀葉椎)と思われる木が4、5本植栽されているが、こちらは今(6月)花盛りである。
スダジィはこれに比べ葉が小型で全体に地味であり、その花と実(どんぐりだという)はまだ見たことがないのも不思議だ。
マテバシイ(馬刀葉椎、全手葉椎、学名:Lithocarpus edulis)は、ブナ科の常緑高木である。 植物分類上はマテバシイはマテバシイ属に属し、シイノキが属するシイ属とは同じブナ科でも別属に分類されるため、葉や幹などの外見はシイノキに似ているものの系統上はシイノキの近縁の別属である。(ウキぺディア)
別名で、マテバガシ、マテガシ、マタジイ、サツマジイ、アオジイ、トウジイともよばれるらしい。自分は「待てば椎」になるからマテバシィというのだと思っていたが、どこにもそんなことは書いてない。明日は檜にと願ったアスナロ(翌檜)の話と混同していた節がある。
含笑句(川柳擬き)
スダジィ葉サイケな模様謎めきて
スダジィのアートな落ち葉拾いけり
アスナロ(翌檜)とマテバシィ(馬刀葉椎)とを混同し
歳時記では、「椎の実」が秋の季語。「ブナ科の常緑高木すだ椎・つぶら椎の実。細い団栗のような硬い実がつき、翌年の秋に熟すると、殻が裂けて堅果が露出する。内部の白く肥厚した子葉を食べる。」とある。
例句 わけ入りて孤りがたのし椎拾ふ 杉田久女
トランスミッター [健康]
夫婦ともに老齢化にともなう難聴に悩まされて久しい。妻は補聴器を求めたが、なかなかうまく聞こえないと悩んでいる。豆粒ほどの大きさなれどPC並みの値段である。販売先に長いこと相談に通っている。補聴器が悪いのか、耳が悪いのか定かではないがフィットしないようだ。補聴器屋さんとのやり取りにかかる時間と労力とランニングコスト(リチウム電池代など)は小さくない。
自分もスマホのブルートゥースを使う補聴器を買って利用して見たが、あまりよく聞こえないうえ、音量調整などの操作も結構やっかいである。しかもうっかりすると耳から落ちたりするので、落ち着かない。イヤホンとしても使えるところは評価出来るのだが。
妻にも同じものを買って試して見たが、これもうまくいってない。
老眼を眼鏡で矯正するのと老耳の場合ではたいへんな違いである。
脳と耳とデバイス(補聴器)を調整して若い時の機能レベルにするのは人にもよろうが難儀である。
難聴は仕事をしていないので決定的な不便はないと言え、生活上では医者の問診など大事なシーンは無いわけではない。
ある時、テレビの音が知らず知らず大きくなっていることに気づいた妻が音量を下げると、我が方は殆ど聴こえなくなり消音モードだ。
テレビはニュースと天気予報と相撲くらいしか見なくなっているうえ、字幕付き画面にして随分経つので決定的な不便もないが。
イヤホンでテレビの音を聞くことは出来ないか、と思い立ってネットでググると、トランスミッター(transmitters 送信機)を使えば聴けるらしい記事があった。
最近のテレビはブルートゥース内蔵らしいが我が家のは古いタイプなのでその機能はない。トランスミッターをテレビに外付けし、そのブルートゥース送信機能でブルートゥースイヤホンで受信し聴くというわけである。
ブルートゥースイヤホンは持っているので、それを使えば良いと早速トランスミッターを通販で購入した。送信機能は2台まで可能である。
2台目を使えるように設定するところで疲れてギブアップ、息子に来てもらった。根気が続かない。
この手の機器の取説は多言語で併記していて、日本語もあるが、字が小さくて老人には極めて読みにくいのである。
しかし、何とかイヤホンでテレビを聴く(見る)ことは出来るようになった。
さて、ネットの広告でテレビの音を小さくして聴くためのスピーカーがあることを知っていたが、高価だなとパスしていた。
テレビに付けたトランスミッターとブルートゥースサウンドスピーカーを繋げば同じ効果があるのではないかと考えて、妻が息子に貸していたスピーカーを持って来て貰って試すと、何やら具合が良い。
息子は引き続きスピーカーを使いたいというので、ヴァージョンアップした同じサウンドスピーカーを購入した。
結果的にはこの方法がイヤホンのわずらしさもなく、妻も聴けてテレビの音も限りなくゼロに近い音に出来るので採用決定。
テレビの音とスピーカーの音にわずかなタイムラグがあって違和感があるが、我慢出来ないほどではない。
ただ、二人の難聴度は当然ながら差があるので、音量がどちらかは不満となるのはやむを得ない。
不満はあれど、トランスミッターはテレビからUSB充電してつけっぱなしであり、テレビを見たい(聴きたい)時にテレビとサウンドスピーカーをオンにするだけなので手軽である。
トランスミッターとサウンドスピーカー合わせて1万円弱の投資なりで、コスパも良い。
ところで、購入したトランスミッターとサウンドスピーカーのメーカーは、日本を含めた海外全体を販路にするグローバルカンパニーで、モバイル充電機などを主力製品としている。低廉なうえ品質も良く急成長しているという。会社名からしてドイツかアメリカのメーカーかと思っていたが、中国深圳を拠点とする会社という。
中国は欧米日の工場だと思っていると間違いであって、時代は進んでいるらしい。巨大企業ファーウェイくらいは知っていたが、彼の国では新しい中堅企業も成長しているようだ。かつての成長期の日本のメーカーのような勢いを、使ってみて感じる。
中国の深圳市というと現役の1985年に仕事で行ったことを思い出した。半世紀も前のことになる。ようやく中国が急成長の入り口に立ち、経済特区として有名になり始めたのが深圳であった。
今や「北上広深」として北京、上海、広州市に次ぐ中国第四位の近代都市だが、当時は高層ビルはまだほんの一角で郊外は田舎だった。
偉いさんの随行だったので、深圳では広大な迎賓館に宿泊した。近代的なビルを訪問した後に泊まったのが、古めかしい宮廷風の施設だったのと北京、西安、上海、広州の長旅の最後だったこともあって良く覚えている。
1997年英国から中国に返還される前の香港に接した国境の都市でもあり、香港経由の出国時の異様な緊張感も忘れられない。
難聴対策からトランスミッター、サウンドスピーカーへ、さらにそのメーカーの根拠地深圳訪問の昔の思い出へといつもながら脈絡のない話に飛んでしまった。
年を取ったから文章が迷走するのではなくて、もともと心に浮かぶことをそのまま書き連ねるブログなのだと、思うようにしよう。
本題の難聴の話に引き戻せば、老耳も他の加齢によるフレイルと同じようにQOLの低下をもたらすし、わがしみじみ生活を送りたい思いの障碍であることに変わりはない。色々な対策を講じても徐々にそれは着実に進行しているなとしみじみ思う。
斑入りミズヒキと蓼(タデ) [自然]
この花(葉)の名は何?
草花を見ていて、綺麗なというか不思議なというか、一風変わった葉に惹かれることが多い。たいていは斑入りの葉である。斑入りニチニチソウ、斑入りアジサイ、姫蔓蕎麦の葉などなど。
見たことはないが、斑入りのドクダミ、五色ドクダミというのもあるらしい。
それぞれ突然変異をしたものを固定したものなど、改良園芸種なのであろう。
斑(ふ)は主として白いものが多いが、花かと間違えそうなものもある。
カラーリーフや観葉植物を楽しむだけでは足りず、葉も花もとは人は少し欲深ではある。
散歩の途中で見た葉は変わっていた。緑の葉に絵の具で描いたように赤と黒の鮮やかな模様である。
ググると斑入りミズヒキ。
以下はネットで教えて貰ったことをベースにしている。
ミズヒキ(水引、学名 Persicaria filiformis)とは、タデ科イヌタデ属の草本。和名は、紅白に見える花序が贈答品や封筒にかける紐、水引に似ていることに由来する。その花は9月ごろ咲くので今(6月)は見ることは出来ない。
ミズヒキはタデ科イヌタデ属というが、斑入りミズヒキは柳蓼(ヤナギタデ)や犬蓼(イヌタデ)より葉が大きいように思う。
イヌタデ(犬蓼、学名Persicaria longiseta)は、タデ科イヌタデ属の一年草。道端に普通に見られる雑草である。
和名はヤナギタデに対し、葉に辛味がなくて役に立たないという意味で「イヌタデ」と名付けられたという。赤い小さな花や果実を赤飯に見立て、別名アカノマンマともよばれる。この赤飯を想起させる薄紅色の花「アカノマンマ」は俳句では秋の季語。
我が田舎ではままごと遊びの赤飯だと聞いたような気がするが、遠い昔のことでたしかかどうか。もはや我が記憶はあてにならない。
ヤナギタデ(柳蓼、学名Persicaria hydropiper)は、タデ科イヌタデ属の一年草。水辺などに生える雑草。和名は、葉がヤナギに似ていることから。マタデ、ホンタデともいう。
「蓼食う虫も好きずき」という言葉があり、文豪谷崎の小説「蓼食う虫」の蓼はよく人に知られている。
実際にタデを食べる虫もいるらしいが、人も辛味のある葉を薬味として食べる。刺身のつまにしたりするほか、すり潰して酢に混ぜることでアユ等の魚の塩焼きに使用する蓼酢となる。
鮎といえば古里那須烏山の投網漁、簗漁の鮎、転勤先の静岡県大井川の友釣り、大分県犬飼のうるかなど懐かしい思い出がある。
これも転勤先の経験だが、京都で食べた鮎は琵琶湖の鮎で、川や養殖の鮎と違って、成魚ととなっても大きくならないのだという。塩焼きにする前、笊の中に笹と一緒に入っていたのを見せてくれた。たしかに小ぶりであった。ちゃんとしたところだったから、蓼酢で食べたと思うが味も淡白だったような気がする。
琵琶湖の魚では、ニゴロ鮒の鮒ずしは別格として、鮎よりも焼きモロコの方がうまいとその時教わった。モロコの方は、後に琵琶湖のほとりで食べる機会があったが、蓼酢をつけたかどうか記憶にない。
含笑句(川柳擬き)
斑(ふ)の模様八かV字か水引草
葉の色は斑入りミズヒキ赤と黒
暮れなずむ琵琶湖の小鮎蓼酢かな
シモツケソウ(下野草)とシモツケ(下野) [自然]
薄紅色というか、ピンク色というか、おだやかな美しさに惹かれたが、名を知らずググった。結果はシモツケソウ。
この花に限らず、知っている人は多いだろうから、無知、不学を晒すようなものだが、幾つになっても知るということは楽しい。
シモツケソウ(下野草、学名Filipendula multijuga )は、バラ科シモツケ属に分類される多年草の一つ。
和名は木本のシモツケに似る草本であることから。シモツケは「下野」(栃木県の古名)で多く見られたことに由来する。お隣の上野(群馬県)にもあるだろうになと想像してしまう。
画像で左に木本のシモツケ、右に草本のシモツケソウ(が一緒に映っているのを見つけた。虫は迷わないのか、風媒花か、交配はしないのか余計な心配か。へぇーという感じ。(右下)
高山型変種にアカバナシモツケソウがある。背景の山は男体山と見たがどうか。(左下)
川柳擬き(含笑句)
疎開地の母の生家に下野草
山峡の故郷遥かシモツケソウ
下野(シモツケ)は疎開地にして我が故園
上野にシモツケソウの咲き誇り
https://ja.wikipedia.org/wiki/シモツケ
シモツケ(下野、学名:Spiraea japonica )は、バラ科シモツケ属に分類される落葉低木の1種。別名、キシモツケ(木下野)とも呼ばれる。
学名の属名「Spiraea」はギリシャ語で「螺旋」を意味し、果実が螺旋状をしていることに由来する。「japonica」は「日本の」を意味する。
和名のシモツケ(下野)は最初に下野国、現在の栃木県で発見されたことに由来するということで、学名にジャポニカが入っている何やら嬉しい。
画像で見る限り、花は草本のものより濃い感じがする。
変種にドロノシモツケ (学名:Spiraea japonica var. ripensis )があるという。全長が30-50 cmの小低木で、全体に無毛。紀伊半島南部の和歌山県、奈良県、三重県に分布し、川岸または河川の中ほどにある岩の上に生育する。何故こんな名のか、どんな花姿なのか、興味深いが不明。
コエビソウ(小海老草) [自然]
散歩中に見かけて変わった花だなと思ったが、以前にネット画像か何かで見たような気がしないでも無い。
とにかく名前が分からないのでグーグルレンズで検索すると、コエビソウ(小海老草)と教えてくれた。
コエビソウ(小海老草、学名:Justicia brandegeeana)は、メキシコ原産のキツネノマゴ科の植物。 (シノニム=異名はベロペロネBeloperone guttata) 。
日本では道ばたの雑草としてごく普通なキツネノマゴ(Justicia procumbens)と同属である。
名前の由来は、花のつく穂が苞(ほう)に覆われていて、その形が小海老の尻尾に似ていることによる。
海老か蝦蛄か知らぬが、節があって曲がった苞がびっしり咲いているのは、ちょっと異形で驚かされる。花はその苞の間から顔を出す。
別名のベロペロネは旧分類時代の属名からで語源はギリシャ神話に登場するベロスの矢とペロネの帯が由来であり、花の雄蕊の形が矢のような形に見えることからだという。
魚名を使った植物というのは、知っているのはキンギョソウくらいなもので、あまり無いのではないか。
動物の名を使ったものならトラノオ、マムシグサ、イヌタデとかキツネノマゴ(コエビソウの科名でもある)とかがある。
いずれも花や葉などの形状が似ているというのが由来であろう。
川柳擬き(含笑句)
前世の海が恋しやコエビソウ
兵器かよ弓かミサイルベロペロネ
コエビソウの科名であるキツネノマゴなるものも、道端でよく見る普通の雑草というが、恥ずかしながら知らなかったので調べて見た。
キツネノマゴ (狐の孫、学名:Justicia procumbens) は、キツネノマゴ科キツネノマゴ属の一年草。
名前の由来はよく分かっていないという。花序が花の咲いたあとに伸びるのがキツネの尾のようだとか、花の形がキツネの顔を思わせるからなどの説もあるようだが、あまりしっくりしない。
素人目には、コエビソウとはあまり似ていないような気がする。
なお、変種に小ぶりのキツネノヒマゴ(狐の曾孫)というのもあるとか。
確かに小さいからといっても、ヒメキツネノマゴと命名すら訳にはいかないだろう。