シャコバサボテン [自然]
暫くへたっていたが、家人の介護で復活したサボテン。
これはシャコバサボテンかカニバサボテンか?
蝦蛄か蟹か?
葉に突起があること、11月、12月に咲いたことからみてどうやらシャコバサボテンのよう。
別名クリスマスカクタスとか。
昔、大分の佐伯湾で蝦蛄の子を餌に手のひら大の小鯛釣りをしたことを思い出した。シャコの子は全身クリーム色一色だった。が、寿司で食べる成魚?は紫色っぽい。このサボテンの緑色の葉からシャコを連想し難いが、確かに棘は生えている。しかし蟹にも突起はある。はて?
野分荒れ千葉の弱者のミゼラブル [自然]
地震雷火事親父というがこの中にない台風、竜巻による風雨水害がこのところ続いて苛烈である。
集中豪雨は毎年のことだが、今年は温暖化による異常気象が原因かレベルが違う。こんな事は生まれてはじめてですというのは、災害にあった者からよく聞く言葉だが、今回の河川の氾濫はその範囲の広さが違う。
15号、19号台風、その後の豪雨は自分の身の近くで起きたので強烈である。昨年の西日本水害では死者二百人を超えた凄まじいものだったが、遠く離れていたというだけで凡夫の悲しさ、衝撃は今回の方が強烈に感じるのだろうか。
今回は東日本広域にわたる被害が特徴的だが、特に千葉県の風水害被害が際立つ。今回3度とも被害を受けた家も少なくないという。中には福島、宮城県など東日本大震災被災者が、被害を受けたと聞くと言葉を失う。
野分荒れ千葉の弱者のミゼラブル
弱者は重篤な病人、寝たきり老人、貧困児童etc.例示するのも胸が痛む。
被害は家屋倒壊、浸水、広範な長期に及ぶ停電、断水、農産物被害etc. 嗚呼。OMG!
被害から立ち直り従前の生活を取り戻すには、長い時間と苦悩を伴うだろう。安寧の日を取り戻せない人が出る恐れもあり得ると思うとやりきれないが、心からお見舞い申し上げるしか術がないとは何ということか。
自然災害だけではないと、確信出来るような報道を耳にするのもまた辛いものがある。
去年のかぼす [自然]
ややこしいが、おととし(2018年12月)の前回のこの話しは「今年のかぼす」という題だっと覚えている。
昨年(2019年)は花も実もたくさんつけたが、実が大きくなりはじめた夏頃、体調を崩して長期入院したので、採りどきに収穫できなかった。やむなく息子に頼んだが、その結果半分くらいを残してしまった。
退院してから体調と相談しながら、3回くらいに分けて残りを収穫せざるを得なかったため、自然にテニスボールよりひと回りくらい小さい、つまり大玉の温州ミカンくらいの大きさになり、しかも黄色いカボスとなってしまった。
大分では黄色いかぼすと言って馬鹿にする。かぼすはピンポン玉よりひと回り大きいくらいのものが香りがあって刺身、秋刀魚にかけて愉しむ物というのが普通である。
大分に住んでいた頃、当時大分の人は黄色いかぼすを、活用したのか覚えがない。香母寿というジュースがあったが、あれも小さいうちに採ったかぼすを搾ったのではないかと思う。
さて、1昨年最後の頃収穫した大きくて黄色いカボスを、どうかと思いながら人にあげたら、大きいしジューシーと喜ばれてびっくりした。さらにマーマレードにして食べたと言う。
それではと去年は家人にマーマレードを作って貰うことにした。
以前、青いうちのかぼすを使って、ジャムを作るのに悪戦苦闘したことがある。市販のペクチンを添加してもダメ。皮だけでなく、種子のペクチンも煮出して取り出すと良い、とネットにあったのでそれも試みたが、とうとうジャムにならず諦めた。
しかし、黄色いかぼすを使うとなんとちゃんとジャムらしく、マーマレードらしくなったではないか。黄色く熟してペクチンが皮の中に形成されたのか。かぼすの中身も大きいので取り出し易い。縦に二つに切り、へたとへそに2カ所包丁を入れスプーンで掻き出す。種子を除き、小袋を細かく切り刻み、細く切った皮と一緒に砂糖で煮れば良い。市販のペクチンも不要である。
ついでにピールを作って見ようと、かぼすの皮だけを砂糖で煮てざらめをまぶして乾燥する。天日乾燥が良さそうだがホコリがつきそうで難しい。が、ピールらしきものになった。そのままつまむのも良いが、たぶんスイーツの材料には良さそう。
ピールの場合も中身を捨てずに、布巾で濾せばジュースになる。簡単である。青いかぼすより酸っぱみがかなり消えるが、癖がなく鍋もののタレなどにすこぶるよろしい。
マーマレードもピールもオレンジなどと異なるのは、やはり苦みである。かぼすらしいと言えばそのとおりながら、口に合わない人もいるだろう。何か苦味を消す自然の添加物はありそうな気がする。プロなら見つけるのは容易だろうと思う。あるいはもっと熟してから収穫すれば良いかも知れない。
何人かの人にマーマレードを差し上げて食べて頂いたが、苦味に苦い顔をした人もいただろうと思う。
いずれにせよ、青いかぼすばかりでなく黄色いかぼすの活用方法は、十分ありそうだと実感した。大分県頑張れ!
この花の名は? [自然]
今は花の名前探しのためのスマホアプリなどがあって、かざすと名前が出て来る便利なものがあるが、以前は植物図鑑をめくるかひとに聞くしかなかった。それも写真でもなければ難儀だ。
8年前になるが母校の同級会で庭園の散歩中、真っ赤なおびただしい数の実をつけた木を見つけた。しかし、一緒にいた誰もその木の名を知っている者がいない。
帰ってから何となく気にしつつ過ごしていたら、一週間後くらいに東京新聞の日曜版写真コラム「草木帖」にずばりそれを見つけ、これだ、飯桐の実だ!と膝を叩く思いをしたことがある。これなど全くの偶然でめったにある事では無い。
グーグル検索は画像検索機能もあるので「木、灌木、夥しい赤い実」など入力すれば、トキワサンザシなどが出てくる。当時でもこの方法で画像を探すか、ブログなどの写真で飯桐を見つけることは可能だったろう。あの時はまぁ、多分ググっても無理だろうと手を抜いたのである。
しかも飯桐の実は歳時記にはちゃんと載っていてびっくり。その時のことをこのブログでも書いた。
「歳時記はえらい」
https://toshiro5.blog.ss-blog.jp/archive/c2301260427-1
さて、あれからかなりの時が経ったが、最近思い立って花の名を探すスマホアプリをインストールした。このアプリはAI搭載というが、画像検索機能が基本のようでいくつか似た画像が出て来て「これだ」と見つける方法である。同じアプリに参加している愛好者が教えてくれる機能もある。
AIといっても発展途上であろうし、スマホだからお遊びの域を出ないが、かなりのものは花の名に辿り着くことができる。
早速このアプリとグーグル検索を併せて試して見た。
花の名探し 1日目
アプリやグーグルフォトを使って、これだろうと出した結論に確たる自信は持てない。②と③は当たっているような気がする。
③は実が販売されており、美味しいらしいが、花弁も食べられるとか。
①カンパニュラ アルペンブルーまたはイソトマ属。星形のきれいな花である。
②トクサ(木賊) 茎に含まれた珪酸を活用して刃物を研ぐので研草とか。
③フェイジョイ 実のほうが有名らしい。
フェイジョア(学名:Acca sellowiana (O.Berg) Burret、シノニム Feijoa sellowiana O. Berg など、別名:フィジョア)はフトモモ科の常緑低木。果物として食用に栽培される他、 庭木や生垣用としても評価が高い。ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル南部原産。和名、英名ともフェイジョア。(ウキペディア)
花の名探し 2日目
似ているけど?」、「亜種・栽培(改良)種?」と首をひねる花木も多い。①はやつで②はやまぼうしに似ているが違うようにも見える。
調べるとどうやら①は紙やつで②は常緑やまぼうし。
カミヤツデは書画用紙の原料になるので紙八手。②は冬落葉しないので「常緑」山法師とか。うーん、ややこしい。
①カミヤツデ 紙八手
カミヤツデ(紙八手、学名:Tetrapanax papyrifer)とはウコギ科の常緑低木。別名、ツウソウ(通草)、 ツウダツボク(通脱木) 。カミヤツデ属唯一の現生種(化石種-化石として発見された種に対する現生種-現在生存している種)であるが、葉の大きさはハンパでは無い。
名前は書画の用紙をこれから作るので、付けられたものという。
②常緑やまぼうし(コルヌス ホンコンエンシス)。月光とあるが品種名か?
やまぼうしには落葉と常緑があるそう。2種とも秋になると紅葉するが、常緑ヤマボウシは光沢のある葉が紅い状態で冬を乗り切り、春になると徐々に葉の色が緑に戻る。落葉山法師は裸木で冬を越し、春先に花が咲き、後に新芽が出る。
「ヤマボウシ」は花が真上を向いて咲き、トキワヤマボウシ(常盤山法師)「コルヌス・ホンコンエンシス」は横向きに咲くとあるが、写真のとおり上を向いて咲き黄緑色だった。徐々に横向になるのだろう。
理由があるわけでは無いが個人的には上向の白い花の方が好ましい。横向きはきれいだが、これみよがしの感じがする。
花の名探しで、冒頭の飯桐の実の例もあるので気になって歳時記も調べた。余談であるが。
カンパニュラ、フェイジョア、カミヤツデはもとより記載は無い。
「木賊刈る」秋
木賊の茎を茹でて乾燥させ、研磨料とするために刈り取ること。木賊はトクサ 科の多年草で常緑植物であるが、茎の充実している秋に刈る。山野の湿地に自 生する。茎が青々としているので観賞用に庭にも植えられる。
例句 ものいはぬ男なりけり木賊刈り 蓼太
大島蓼太(りょうた)江戸時代の俳人世の中は三日見ぬ間に桜かなで知られる。
「八手の花」冬
ウコギ科の常緑低木である八手の花。暖地の海岸近くの山林に自生するが、多 くは観賞用に植えられる。七九裂した、天狗の団扇といわれる葉が特徴。 初冬のころ、白色の直径約五ミリの白い花が固まって咲き、多数の謎状をなす。翌年の四~五月に黒い球形の果実となる。
例句みづからの光りをたのみ八ツ手咲く 飯田龍太
「山法師」夏
山法師はミズキ科の落葉高木で山野に自生し、六~七月、小枝の先に白い花び らのように見える苞に囲まれた頭状花序をつける。山桑ともいい、街路樹と しても植えられる。
例句 旅は日を急がぬごとく山法師 森澄雄
ところで、2日目のスマホで撮った常緑山法師の写真②の右下に小さな白い花をつけた花木が写っていることに、あとで気付いた。葉も似ているので紛らわしいが、別の花木だ。この花は何?
この花の名も探して見た。時節柄やるべきことは他に沢山あるのに暇人である。それを次回に。
ソヨゴ(戦) [自然]
5月末左上のトキワヤマボウシの名前を知らず検索したとき、気付かなかったが右下に小さな花が咲いていた。はてこれは何だろうと調べてみるとどうやらソヨゴ(写真右上)と分かった。
なお、一週間経ちトキワヤマボウシは梢まで咲き上がっていた。確かに花は横向にさいている。(右下)
今回もグーグルアプリと花探しアプリと両方を使った。グーグルフォト検索では、楠など数枚の候補写真が出てきたが最後の方の一枚が一番似ていて、それがソヨゴだった。花探しアプリに写真を投稿すると即座に「ソヨゴかも」と返答があった。よほど詳しいひとが多いのか、こちらが物知らずなのか。
さて、ソヨゴとはどんな花木か。
ソヨゴは雌雄異株、まばらに咲く雌花のようだ。雄花は集まって咲く。花は雌雄とも白と薄い黄緑色(開花は6~7月頃)で、花がとても小さいことからあまり目立たない。秋に赤い実がなる。
ネットを見ると次のことが分かった。
ソヨゴ(戦、冬青、具柄冬青、学名:Ilex pedunculosa )は、モチノキ科モチノキ属の常緑小高木。3〜10m。別名フクラシバ。
風に戦(そよ)いで葉が特徴的な音を立てる様が名前の由来とされ、「戦」と表記される。常緑樹で冬でも葉が青々と茂っていることから「冬青」とも表記される。「冬青」は常緑樹全般にあてはまるため、区別するために「具柄冬青」とも表記される。
成長が遅いからか堅く緻密な材質ゆえにそろばんの珠や櫛の材料に使われる。また手斧など工具の柄に使われることも多かったことから「具柄冬青」と書かれるようになった。(グエトウセイ、グツカトウセイと読むのか?)
フクラシバの別名は葉を加熱すると内部で気化した水蒸気が漏出することができず、葉が音をたてて膨らみ破裂することから「膨らし葉」が語源とされる。
数十万種になるだろう植物名が分かったからといって、どうということもないのかも知れないが、言語(テキスト)からの検索に加えて写真映像から植物は勿論、動物、あらゆるモノ、商品名まで検索出来るのは考えて見ればすごいことではある。しかもスマホさえあれば日常的に使えるのは便利であることは疑いない。AIの技術は日進月歩。さらに強力になると思うと、何やら空恐ろしくなる。
ルリマツリとハリマツリ [自然]
実や花は知っていても、葉は知らない、葉を見たことがあるが花や実は知らないなど様々だからさぞ検索エンジンも大変だ。
この二つは一軒の家で見たものだが。偶然ハリマツリとルリマツリだった。瑠璃と玻璃。マツリはマツリカ(茉莉花)のことだろう。
①デュランタ
デュランタあるいはドゥランタは、クマツヅラ科デュランタ属の植物。通常「デュランタ」の名前で栽培されているのはデュランタ・エレクタで、和名はハリマツリ、タイワンレンギョウ。ハリは針でなく玻璃と勝手に決めたが根拠はない。
②瑠璃茉莉ルリマツリ(プルンバーゴ)
ルリマツリは、イソマツ科ルリマツリ属の植物。大きな空色の花弁を付ける、観賞用植物である。別名はアオマツリ。
花の名は、瑠璃色の花がジャスミンの仲間のマツリカ(茉莉花)に似ていることから付けられたという。
わけもなく「瑠璃も玻璃も磨けば光る」という俚諺を思い起こす。二つとも目立たないが、宝石のように美しい花だ。
悪茄子 [自然]
ワルナスビ(悪茄子、学名:Solanum carolinense)はナス科の多年草。 日本も含め世界的に帰化している外来種である。
英語でも「Apple of Sodom(ソドムのリンゴ)」、「Devil's tomato (悪魔のトマト)」などの悪名で呼ばれている。
実に毒、茎や葉に鋭いとげがあり繁殖、雑草力があるなどが理由らしい。命名者は牧野富太郎博士とか。
散歩道に沢山生えていて夏花をつける。名前によらず可憐な花である。なす、ジャガイモの花にそっくり。
茄子は夏の季語だが、むろん悪茄子という季語は無い。
わを折り込んだ駄句をひねった。
ワルという割に侘しげ悪茄子
凌霄花のうぜんかずら [自然]
ノウゼンカズラ(凌霄花Campsis grandiflora)はノウゼンカズラ科の蔓性木本。夏から秋にかけ橙色かあるいは赤色の大きな美しい花をつけ、気根を出して樹木や壁などの他物に付着してつるを伸ばす。
中国原産で平安時代には日本に渡来していたと考えられる。漢名が凌霄花(りょうしょうか)。凌霄(ノウゼン)は空を凌ぐ意とか蔓で高いところに花をつけるからか。
夏の季語になっている。
例句 塵とりに凌霄の花と塵少し 高野素十
夏の花は少ないので鮮やかな色がひときわ目立つ。漏斗状の花がよく道端に落ちていることがある。それで見上げるとこの花が咲いていることに気づくことがある。花期は意外と長い。
じぶんの中では、熱帯南洋の「ブーゲンビリア」や沖縄の「でぇいご」などと一緒になっている。理由不明。
眼の疲れ 凌霄の花 数増へり 杜 詩郎
牡丹臭木(ボタンクサギ) [自然]
蕾が綺麗なマゼンタピンク色である。最初は紫陽花の変種亜種かと思ったが、少し違う気もしたのでネットで調べた。
どうやら紫陽花ではなく「臭木」の近縁種、亜種か栽培種のよう。
そのクサギ(臭木、Clerodendrum trichotomum)は日当たりのよい原野などによく見られるシソ科の落葉小高木。葉に悪臭がある事からこの名がある。日本全国のほか朝鮮、中国に分布する。従来はクマツヅラ科に入れられてきたが、現在はシソ科に移されている、とある。若葉は食用になり、実は草木染めに利用される。臭木、常山木とも書く。
はな、実とも秋の季語。
例句 逃ぐる子を臭木の花に挟みうち 波多野爽波
牡丹臭木は、そばに寄らなくても芳香がして臭木の名は相応しく無い。臭木は街路樹にもなるそうだが、今までお目にかかったことがない。パリにあるという街路樹の臭いとはどんな匂いがするのだろうか。
マゼンタの牡丹臭木の花蕾 杜 詩郎
オオミズアオ [自然]
オオミズアオ(大水青、学名 Actias alienaは、チョウ目ヤママユガ科に分類されるガの一種。北海道から九州にかけて、国外では朝鮮半島、中国、ロシア南東部に分布し、平地から高原まで生息域は広い。種名にギリシア神話のアルテミスが使われている。古い一名としてユウガオビョウタンと呼ばれていた。
近縁種にオナガミズアオがいるが、翅や紋様からするとこちらはオオミズアオのようだ。
なお、ガ(蛾)とは節足動物門、昆虫鋼、チョウ目は(鱗翅目、ガ目とも)に分類される昆虫のうちのうち、チョウ、(具体的にはアゲハチョウ上科、セセリチョウ上科、シャクガモドキ上科を除いた分類群の総称だという。
日本にはチョウ目の昆虫が3,500種類知られているが、「チョウ」と呼ばれるものは250種類にすぎず、他はすべて「ガ」である。世界全体で見ると、ガの種類数はチョウの20 - 30倍ともいわれている。チョウとガに明確な区別はないらしい。翅を立てて止まるのがチョウとおしえられたが、蛾にもそうするのがいるという。
系統分類学的にはチョウは蛾の一部というし、外国の言葉では二つを区別していないところもあるらしい。
我が日本人はしっかり区別し、どちらかといえばチョウの方を好む人が多いのではないか。
歳時記では蛾は夏。天蛾(すずめが)、山繭、夕顔別当、白髪太郎、天蚕(やままゆ)などとも。
例句 蛾のまなこ赤光なれば海を恋う 金子兜太
チョウは春。蝶々、胡蝶、初蝶、紋白蝶などとも。ただしアゲハチョウのような大型種は夏。秋の蝶、冬の蝶、凍蝶(いてちょう)も季語である。
例句 うつつなきつまみごころの胡蝶かな 蕪村
蛾というと、自分などは中国の名山峨眉山を思い起こす。虫偏でなく、高い山の意の山偏の峨眉。二つの美しい山頂を眉と見立てた。
李白の詩では、峨眉山は山偏でなく女偏になっている。虫偏の蛾眉は蛾の触角のように細く弧を描いた美しいまゆ。転じて、美人。
娥眉山月半輪秋 娥眉山月,半 輪の秋
影入平竜江水流 影は平芳江水に入 りて流る
夜発清渓向三峡 夜,清 渓を発して,三 峡に向う
思君不見下渝州 君を思えども見えず,渝 州に下る。
藪蘭にオオミズアオの大褒章 杜 詩郎
ミズアオというが、どちらかと言えば黄色に近いからさしずめ黄綬褒章といったところか。
黄綬褒章(おうじゅほうしょう)は「業務ニ精励シ衆民ノ模範タルベキ者」に授与される。「農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する方」に授与されるという。
それとも紫色の綺麗な藪蘭だから「学術芸術上ノ発明改良創作ニ関シ事績著明ナル者」に授与される紫綬褒章(しじゅほうしょう)がふさわしいか。
弟切草(オトギリソウ) [自然]
最近の新築戸建ては、大きな家(一戸建)の代変わり跡地が再開発されて、数軒がひしめくのが多い。郊外の工場跡地などに建てられる場合は、数十軒の整然たる街区が出来るのに比べ、軒を接しているのが辛そう。
建物も一部3階建てにしたり、狭い敷地になるがうえの有効活用に心をくだいている。
それでも大抵の家には、狭いながらオリーブなどメインツリーが植えられ、そばに草花が添えて植えられる一角がある。
散歩中に、うん?という草花を見つけた。見たこともない実をつけていたので調べると弟切草(オトギリソウ)だった。しかし、花の写真を見ると、あ、これなら、あちこちで見かけたなと思う。当たり前ながら、植物は花、実、葉、木それぞれの顔を持っているが、ひとはそのうちどれかしか見てないし、全てを覚えている訳ではない。
日本漢名は「弟切草」と書く。ネットによれば10世紀の平安時代、花山天皇のころ、この草を原料にした秘伝薬の秘密を弟が隣家の恋人に漏らしたため、鷹匠である兄が激怒して弟を切り殺し、恋人もその後を追ったという伝説によるものである。よって花言葉も「恨み」とか。
雄しべが大きく明るい黄色の花がたくさん咲く半常緑樹。5月から6月。7月には桃、ピンク、黄色の果実が続き、秋には黒くなる。太陽や部分的な陰、水はけの良い土壌に最適とはネットの苗木屋さんの言。 フラワーアレンジメントに最適とも。
学名はヒペリカム 止血薬などになる。
話が脈絡もなく別のことに飛ぶが、最近本で「…AはBと兄がりがたく弟たりがたし」という言葉があることを知った。あまり頻繁には使われていないように思う。そのせいか、あるいは不学のせいか、この歳になって初めて知った。
AとBは甲乙つけがたいとか、どちらが上か分からない、というときの言いまわしのようだ。幾つになっても物知りにはほど遠いなとつくづく思う。
ところで、さらに話が飛ぶけれど、自分は兄になったことがなく、弟の身分だったので、舎弟の気持ちはわかるが兄の気分というのは想像するしかない。優越感のようなものもあるのだろうか。あるいは保護者的な気分。
2歳上の兄を亡くして、はや数年になるが、最近しきりに兄のことを思い出すことが多くなったような気がする。一例をあげれば、自分は小中高を通じてほとんどいじめのようなものを経験したことがない。小中高とも同じ学校だったので、いつも2学年上に兄がいたせいだな、と有り難く思い出したりしているのである。
弟切草(オトギリソウ)どころか、弟守草(オトモリソウ)だ。
ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦) [自然]
散歩中にかぎらず、普段あちこちでみる。繁殖力がよほど強いのだろう。名前を知らなかったので調べると、ヒメツルソバという。 次のことが分かった。
どんな小さな花にもそれぞれのストーリーズがあるものだ、と改めて感心する。何こちらが物知らずだけのことだが。
ヒメツルソバは、タデ科の植物の1種。学名はPersicaria capitata 。別名はカンイタドリ、ポリゴナム。ヒマラヤ原産。
日本にはロックガーデン用(ランドカバーか)として明治時代に導入された多年草。
つまり園芸植物が逸出帰化したもの。逸出とは栽培している植物が管理下から外れて野生化することをいう。なお、動物の場合は逸走動物。逸走帰化。
花は集合花で小さい花が球状に集まった金平糖のような形をしており園芸店などの本種の紹介でも「金平糖がいっぱい咲く花」などと紹介されることも珍しくないという。
野生化したものは駐車場、道路端や壁を覆って繁茂しているのが多いが、木のウロに生えていたものを見つけたので写真に撮った。
宿り木みたいだが、ヒメツルソバは紅葉も美しい。
近縁に白い花のツルソバ(蔓蕎麦)がある。花も葉もソバ(蕎麦)に似ているのと、果実がソバと同じように黒色の三稜形であることからの命名。
蔓蕎麦由来の姫ツルソバとは、花もピンクなので言い得て妙。葉の模様もハート形が姫の方が可愛い。
ルスクス・ヒポフィルム [自然]
正月用の切り花として暮れに、蝋梅とアスターそしてオンジュウムを買ったら、「あしらい」として緑の枝が1本ついてきた。
他のものは年が明けて枯れてしまったのにこの緑の枝は全く衰えることなく、2月を過ぎ3月になっても青々としている。
①緑の切り枝 2021/2/28撮影
何の木かと写真検索してみると、最初アフリカに自生する「ザミオクルカス・ザミフォーリャ(サトイモ科)」と出たが、似て非でちょっと違った。
②ザミオクルカス・ザミフォーリャ
そのときふと見ると、葉の裏に髭のようなものが一個ずつぶら下がっていることに気づいた。「?」という感じ。
調べてみると、この枝はどうやらRuscus hypophyllum(ルスクス・ヒポフィルム)らしい。和名は知らない。ユリ科(或いはキジカクシ科かも?)。
③ルスカス・ヒポフィルム
髭のようなものは花芽(花序)で、やがては花が咲くという。また葉は葉でなく茎だと言うから二度びっくり。茎ならそこに花がつくのは不思議ではない。どおりで保水力が強く、切り花で3〜7ヶ月持つというのも分かる。葉の中は殆ど水だとある。
ルスクス・ヒポフィルムの葉状茎は柔らかく、先端はとげ状にならない。花序は葉状茎の両面(のいずれか)に付く。下につくのはこれだけで、上にだけ付く種類は他に二つある(ルスクス・ヒポグロッスムとルスクス・アクレアッス)。これらは葉状茎の先端が棘状らしい。
④ルスクス・ヒポグロッスム
葉状茎は柔らかく、先端はとげ状にならない。花序は葉状茎の上面のみに付く。
⑤ルスクス・アクレアッスこれが下の⑦ナギイカダらしい。花序はこれも葉状茎の上面のみに付く。
このように葉の真ん中に花が咲くものには、もっと一般的なものに、花筏(ハナイカダ)、梛筏(ナギイカダ)というものがあるというが不学にして知らなかった。
自然は奥深い。
⑥花筏 水木(みずき)科
⑦梛筏 ナギイカダ(ユリ科 梛ナギとはマキ科の木)
ネットで見ると自分と同じように、花店でブーケを買ったらこれがあしらいで付いてきて、「強い保水力と長持ち」そして「不思議な花の付き方」に驚いて調べた人が数人いた。
人もまた何かしら奥深い。
「あしらい」ということばは客あしらいというように、扱うという意味で使うことが多いが、花のあしらい、料理のあしらいというように「取り合わせ」という意味で花卉業者、花店あるいは料理人の世界などでも使うらしい。
日本語もまた奥深い。
なお、写真は①以外はネットから拝借(無断御免なさい)したが、名前と一致しているか、実のところおぼつかない。
紫陽花 きらきら星 [自然]
最近の散歩の楽しみは紫陽花。いたるところに咲いている。
タマあじさいとガクあじさいという区分があるかどうか知らないが、こちらはガクあじさい。
初めて見る美しさなので調べて見るときらきら星というらしい。これは、栃木県農業試験場が改良して作った、ガクアジサイの品種。まだ新しい品種とか。
ジャパンフラワーセレクション2014-2015の、鉢物部門で入賞した品種。
あじさい「きらきら星」の栽培技術
https://www.agrinet.pref.tochigi.lg.jp/nousi/singijutu/singi20.pdf
団地の庭の花壇で見つけた。鉢植えを地植えにしたものか。小さい。写真は上から見下ろしたもの。
タケニグサ 竹似草 [自然]
煮草とも。
ウキペディアによればタケニグサ(竹似草、学名: Macleaya cordata ) はケシ科の多年草で日当たりのよい草原、空地などによく見られる。山野草だ。
子供の頃、田舎で良く見かけたが、名前を知らなかった。近所のお宅の庭に植えられていたが、田舎では山野に茂っていて、ぽきりと折って出るオレンジ色の液は疲労回復に効くと誰かが言い、走ったり運動した後皆んなでふくらはぎに塗ったのを覚えている。
散歩中に懐かしくてiPhoneでパチリ。グーグルフォトで検索した。
タケニグサのオレンジ色の液にはアルカロイドの一種プロトピン(protopine)などが含まれていて有毒という。モルヒネを採る芥子ケシと同じケシ科なので納得。虫刺されにも良いと聞いたような気もするが。
園芸品種もあって欧米のイングリッシュガーデンなどではよく植栽されるという。日本でも植えられるというが、これを植えて愛でるという人は珍しいのではないかという気もする。自分のような田舎者の偏見かも。
なお、タケニグサは3、4メートルにもなるので大きな庭でないとダメ。
夕化粧 ユウゲショウ [自然]
ユウゲショウ(夕化粧、学名: Oenothera rosea)は、アカバナ科マツヨイグサ属の多年草。
これも散歩中に見つけたが、名前を知らなかったのでぐぐった。
和名の由来は、午後遅くに開花して、艶っぽい花色を持つことからとされる。
しかし、実際には昼間でも開花した花を見ることが出来る。
実際家人が道端に咲いているのを2、3本摘んで来て小さい器に活けたがすぐにしおれた。オシロイバナの通称と紛らわしいので、アカバナユウゲショウ(赤花夕化粧)と呼ぶこともあるという。
マツヨイグサ属というが、あの黄色い待宵草の夕顔とはあまり似ていない。
夕化粧は高さ20 - 30cm、時には50 - 60cmに成長する。茎には柔毛がある。葉はやや広い披針形で、互生する。
5月から9月にかけて、茎上部の葉の脇から薄紅色で直径1 - 1.5cmの花をつける。家人はこんな小さな花が好きだという。
たしかに、マグノリアや泰山木の花のような大きな花も美しいが圧倒される感じもある。花の美しさなんてものは無く、美しい花だけがあると誰かが言ったが、美しい花もさまざまだ。
夕化粧の花弁は小さく、可憐で儚げ。4枚で紅色の脈があり、中心部は黄緑色。やや紅を帯びた白色の葯を付ける雄蕊が8本あり、雌蕊の先端は紅色で4裂する。
熟した果実は、雨に濡れると開き、種子が飛び散るという。繁殖力は強いらしく道端で良く見かける。
現在は帰化植物として世界の温暖な地域に広く分布するが、原産地は南米から北米南部。
日本では、明治時代に観賞用として移入されたものが日本全国に野生化している。道端や空き地でもよく見かけるとウキペディアにある。
コバノズイナ(イテア) 小葉の髄菜 [自然]
これも散歩中に見つけグーグルフォトで名前を探した。
コバノズイナという。
小さいけれど、なかなかおしゃれな花木だ。
コバノズイナ(Itea virginica)は、アメリカ東部を中心に分布するズイナ科ズイナ属の落葉性低木。別名アメリカズイナ。
日本でも広く花木として栽培されているらしい。初夏6月頃に咲く。秋の紅葉も美しいとある。
コバノズイナという名前は、日本(関西から四国、九州)に自生、5月から6月に開花する同属のズイナ(Itea japonica 別名:ヨメナノキ 嫁菜の木)より葉が小さいことから付けられたという。
この「ズイナ(髄菜)」の名前は、枝の髄が行灯の灯心に、若葉が食用にされたことから来ている。
近年、ズイナの中に希少糖が含まれているということが発見され、研究が始まったという。
他にシナズイナ(Itea ilicifolia)という中国原産の常緑樹があり、開花は5月から6月というがどんなものかネットでは見つけることが出来なかった。
オキザリス トリアングラリス [自然]
これは我が家の庭の一角と植木鉢に植えていたもの。いたというのは、鉢の方が枯死してしまい今は無いのだ。いずれまた生えて来るかも知れない。何度かそれ繰り返している。繁殖力は強い。
むかし久我山に住んでいらした月下氷人の奥様が株分けして下さり持ち帰って植えた。
あるいはそうで無かったかも知れない。最近はすっかり記憶力が落ちてしまった。奥様もその後高齢者介護施設に入られ先年亡くなられてしまった。
月下氷人は学生時代に家庭教師のアルバイトをしていた時の生徒のご両親である。自分はリタイア後もご挨拶に伺ってお茶をご馳走になっていた。
見たことはあったが花の名前が分からずググったら、かたばみ科のオキザリス(酢漿草 カタバミ 別名すいばぐさ)だという。
かたばみはマメ科のクローバー(シロツメクサなど)とよく間違われるが、クローバーは葉の形状が丸く白い線があり、全く異なる植物だそうでややこしい。
オキザリス トライアングラリス
学名:Oxalis regnelli ( or triangularis )
科名: Oxalidaceae (カタバミ科)
属名: 属名= Oxalis sp.(カタバミ属)
英名: Oxalis 'Charmed Wine' 、 Oxalis
商品名は紫の舞。ワインレッドというか葉は紫色が強烈。形も三角形(トライアングル)が三枚大きく眼を惹く。その割に花は薄いピンクで可憐。
オキザリス・トリアングラリスは、南アメリカに分布するカタバミ科カタバミ属の多年草。
オキザリスが属するカタバミ属の植物は、世界に広く800種あまりが分布しており、その草姿は変化に富んでいる。
なお、オキザリスという名前はギリシャ語の「oxys=酸っぱい」という単語に由来している。
葉や茎に硝酸を含んでいるので、口に含むと酸味があるらしい。
見るたびに昔のことが思い出され、しみじみとする花が、誰にでもいくつかあるものだ。
花衝羽根空木 アベリア [自然]
1980年代初め頃大分県に住み仕事をしていた。
この頃からいわゆる中山間地域でも道路が整備されて立派になっていた。観光道路が先だったと思うが、かなりの山道でも基幹道路は整備されていたように思う。車で隣接他県に行くときにいつもその立派なことに驚いたことを思い出す。
一様に街路樹が植えられ、車の分離帯の花木はきちんと刈り込まれていた。中でもこの花が綺麗でなんの花だろうと気になっていたので運転手さんに訊いたが答えを覚えていない。
散歩中に見つけて懐かしかったのでググったらアベリアと分かる。
アベリア(Abelia)とはスイカズラ科ツクバネウツギ属(Abelia )に属する植物の総称。または、ツクバネウツギ属の常緑低木の交配種、のアベリア(Abelia × grandiflora)のこととウキペディアにある。
和名はハナツクバネウツギあるいはハナゾノツクバネウツギ(花園衝羽根空木)とも呼ぶという。
大分県は2年間住んでいたので思い出が山ほどあって際限が無い。何かにつけてしみじみと思い出すことが多い。
誕生日花 [自然]
誕生花というのがあるという。
誕生石は有名だが、あれは月単位。日単位の誕生日花などあまり知らない人が多いのではないか。されば誕生木などいうのもあるのかも知れない。
園芸農家や花卉販売業者、花店などは販促にこれを利用しない手はない。もっとも知らないのは自分だけで、もう人はやっているのかも知れないが。
我が誕生日7月24日の誕生花は「エンレイソウ(延齢草)」とか。
知らなかった。残念ながらお目にかかったこともない。
早速延齢草なるものをネットで調べて見た。こんなことは閑人にしか出来ないなと、我ながら苦笑する。
科・属 ユリ科・エンレイソウ属
和名 延齢草
英名 Wake robin
学名 Trillium smallii
原産地 東アジア
開花期 4月~5月
エンレイソウ(延齢草)は東アジア~ヒマラヤなどに40種類が分布する、ユリ科の多年草。湿り気のある林の中に自生し、緑や褐色、暗い紫などの目立たない1~2cm程度の花を1つ下向きに咲かせる。花は初めは下向きにつくが、咲きすすむにつれて横向きになっていくとか。草丈は20~40cmほどで、大きな葉がドレスのようにみえるため「森の貴婦人」ともいわれているそう。 森の貴婦人とはオランウータンだったか。
中国では、乾燥した根茎を胃腸薬として用いられていて、それによって命拾いできることから「延齢草(えんれいそう)」、または「延齢草根(えんれいそうこん)」と呼ばれていたため「エンレイソウ」と名付けられたというのが名の由来。学名の「Trillium(トリリウム)」は、3つという意味の「tri」と「lilium(ユリ)」からきている。
花色は赤、淡紅、桃、白、黄、紫などがある。
エンレイソウ(延齢草)はサポニンなどの有毒成分を含む有毒植物。薬効もあるとの記述はあるが、基本的には毒草であり、絶対に口にはしない方が良いらしい。
エンレイソウ(延齢草)の花言葉は、「奥ゆかしい美しさ」「叡智」「熱心」。
大きな3枚の葉が広がる中にさりげなく咲いている花の姿から、「奥ゆかしい美しさ」という花言葉がつけられたという。
何やら傘寿翁には縁起の良さそうな誕生花ではある。むろん花言葉「奥ゆかしさ」ではなく「延齢」の方だ。
話は飛ぶ。昨年のわが誕生日7月24日は、(傘寿だった!)いながらにして世界の人が併せて祝ってくれたであろう五輪開会式の日と重なる筈であった。
しかし、コロナで一年延期となったため、今年の7月23日が開会日となったので、翌24日は(盤寿だ!)これまでの80回の誕生日同様、家族だけが祝ってくれる普通の誕生日となる。
時節柄、祝宴歌舞音曲は延期である。
この間の息災、延齢に感謝して過ごさねばならない。
ところで家人は3月15日生まれ。およそ誕生日に花を贈ったことなどなく、ケーキを買って食べるくらいだが、誕生花を知っていれば薔薇などより気がきいていたかも知れぬ。
3月15日生まれの誕生花は、「クンシラン」「イベリス」「勿忘草」「ホワイトレースフラワー」「スイートピー(白)」ビオラ(紫)という。
君子蘭(クンシラン)は名前に蘭(ラン)がつくがラン科ではなくヒガンバナ科の植物。君子蘭(クンシラン)と呼ばれているウケザキクンシランは、 花茎40~50センチで15~20ほどの花をつける。雄大な草姿で気品がある。
なお、紫君子蘭(ムラサキクンシラン)というのがあるが、これは6、7月頃咲くアガパンサスのこと。南アフリカ原産、君子蘭と同じヒガンバナ科。
最近良く見かける。人気があるのだろう。
イベリスは、砂糖菓子のようなかわいい花が株を覆うように咲き、春の花壇を彩る。名前は、スペインの昔の国名イベリアに由来し、この地域に多く自生していることからつけられた。中国名では屈曲花(マガリバナ)と呼ばれ、これは太陽を向く性質が強くて花茎が曲がりやすいことに由来する。アブラナ科である。
ワスレナグサ(勿忘草、忘れな草)は、広義には、ムラサキ科ワスレナグサ属の種の総称。狭義には、ワスレナグサ属の一種、シンワスレナグサ(学名:Myosotis scorpioides)の和名。ただし、園芸業界でワスレナグサとして流通しているのは、ノハラワスレナグサ (M. alpestris)、エゾムラサキ (M. sylvatica)、あるいはそれらの種間交配種である。一般には、広義の意味で称される。季語は春である。(ウキぺディア)
ホワイトレースフラワーは春まきも秋まきもできる一年草。花は繊細なレースのようで、同じセリ科のニンジンやセリなどの花に似ているが、それより花房が大きく、花房の間にすき間がある。
学名:Ammi majus
別名:ドクセリモドキ
科名:セリ科
分類:秋まき一年草~二年草
原産地:地中海沿岸
大きさ:背丈80~150cm、横幅30~60cm
主な見所:花(5~7月)
誕生日花が複数あるのも困ったものであろう。どれかに決めるといった性格のものか知らないが、プレゼントする時は迷うだろう。
かの人はどれに似ているか。どれなら喜ばれるやらなどと。
この稿もウキペディアなど写真を含め殆どネットから拝借している。無断拝借御免。
妙正寺川岸の蔦 [自然]
妙正寺川沿の散歩道で、向こう川岸の壁に這っているのをスマホで撮影した。
これを自然の造形芸術と見るか、気味が悪いと思うか両方あるだろう。自分の心の中にも二つがあってどちらか判然としない。
人によろうが、少なくとも感動して一句浮かぶという感じはない。
写真検索するとオオイタビと出た。
ネットによれば、
「オオイタビ(大崖石榴、学名:Ficus pumila)はクワ科イチジク属の常緑つる性木本。東アジア南部に分布し、日本では関東南部以西、特に海岸近くの暖地に自生し、栽培もされる。茎から出る気根で固着しながら木や岩に這い登る。オオイタビの名は、イタビカズラに似て大型であることによる。台湾に生育する変種のアイギョクシ(Ficus pumila var. awkeotsang)は果実を食用に用いる。幼苗は観葉植物として利用され、フィカス・プミラの名でも流通しており、園芸品種もある。」とのこと。
イタビカズラやメイタビより葉が大きいのでオオイタビというそうだが、イタビカズラやメイタビの情報が無いので覚束無い。
何となく結果に自信が持てず、花探しアプリに投稿して「名前教えて!」と投稿したら、親切な方がおられ「つた、蔦、アイビー」と返事を下さった。
蔦という名の植物は無く、蔓(つる)のように一般的なものという思い込みがあって、難しく考え過ぎたようである。
この蔦もネットによれば、次の通りである。
「ツタ(蔦、地錦、学名:Parthenocissus tricuspidata)は、ブドウ科ツタ属のつる性の落葉性木本。別名、アマヅラ、ナツヅタ、モミジヅタ。
ツタという言葉は、ツタ属(Parthenocissus)の植物を総じて称することもある。英語でのアイヴィー(Ivy)との呼び方は、ウコギ科キヅタ属の植物を指すことが多い。
ツタ属植物は、アジアから北アメリカに15種が自生し、日本にはツタ P. tricuspidata のみが本州から九州に自生する。「つた」の名称は他の植物や岩に「つたって」伸びる性質から名づけられた。 建物の外壁を覆わせ、装飾として利用される。」とある。
立教大学、甲子園球場などを持ち出すまでもなく、あちこちにある建物の壁を覆っているあれだ。
建物を這う蔦は下から上に這い上がるのが普通だが、妙正寺川のはこの写真のほかは上から垂れているのが多い。雨で川が増水すると下先端が流されて、川下になびいて曲がる。
しかし、この写真はたぶん「蔦」で間違い無かろうと気がしてきた。
以下は蛇足である。
角川俳句歳時記には、蔦は
「ブドウ科の落葉蔓性木本で、秋の紅葉が美しい。葉に対生してできる巻きひげの先端に吸盤があり、木や壁面に張りつく。葉は中ほどから三つに分かれているものが多い。季は秋。なお、蔦の芽は春 」
例句
蔦の葉は昔めきたる紅葉かな 芭蕉
夜に入れば灯のもる壁や蔦かずら 太祇
(この二句では、翁の句よりも炭 太祇の方が現代にも通じて自分は好きだ)
青蔦は季 夏、「蔦はブドウ科の落葉蔓性木本。日本・中国・朝鮮半島に自生する。木の幹、家の塀や壁面などに、巻きひげの先端の吸盤で張りつく。青々とした蔦の葉に覆われた洋館などは絵のようである。」
例句
蔦茂り壁の時計の恐ろしや 池内友次郎
碌山の「女」は老いず若蔦葉 玉木春夫
(「女」は彫刻の題名か。2006年長野安曇野市にある碌山美術館を訪ねたときに見た鮮やかな蔦紅葉を思い出した。)
また上記歳時記には、「名の木枯る」の項に名の木の例に蔦も挙げられていた。
蔦枯れて一身がんじがらみなる 三橋鷹女
ほかにネットで、
を見つけた。
名句なのだろうが、自分には、今ひとつどういう情景か分からないのがもどかしい。
蛇足おまけ。
1964 年ミリオンセラーになった歌謡曲「学生時代」(平岡精二作詞作曲 ペギー葉山)の歌い出し
♪つたの絡まるチャペルで 祈りを捧げた日♪
の蔦は、渋谷の青山学院キャンパスを歌ったものとか。立教大学ばかりと思っていた。
今年のかぼす 1921年 [自然]
今年はいつになく体調不良が年初から続いた。特に背中の痛みに悩まされた。背中の痛みはあまり良いことではないので病院で見て貰うが、原因不明。医者も様子見(経過観察)するしかないとおっしゃる。経皮鎮痛薬(クリームとテープ)で対症療法で凌ぐ日々が長く続いた。
かぼすの収穫時期にも元気が出ず9月6日息子に収穫して貰う。なお、この3倍以上が樹に残る。
ゴリ押し五輪のころ、第五波のコロナ感染数がピークに達したあと2ヶ月ほどかけて徐々に減少する。かなり気も休まる。
そして秋になるとなぜか背痛がやわらぎ、少し良くなりやっとこさ残りを11月28日収穫出来たものの、すっかり黄色いかぼすになってしまった。
家人は、ネットで調べて大量のこの黄色いかぼすを利用して、本格的なマーマレードを作ってくれた。これまでも何回か作ったことがあるが、今回の出来は最高であった。
熟したかぼすはペクチンも増えているとみえる。
かぼす独特の甘苦味があって美味しい。
我が余生 臭橙(かぼす)のジャムの 甘苦味
今回ネットを見ていて勉強になったこと(借用御免)が幾つかあった。自分の知らなかったことを知るのは楽しい。すぐ忘れるのが難だが。
その備忘的蛇足二つ。
①カボスの名前などについて
かぼすの名の由来は不明である。蚊を燻したからという説もあるがこれは橙のことのようだ。ダイダイも「臭橙」と表記することがある
大分かぼすのそもそもは、江戸時代の元禄8年(1695年)のこと。宗源という医師が、薬用として京都から苗木を持ち帰り臼杵に植えたのが始まり。
英名 Kabosu (そのものずばり、Sushiなどと同じ)
学名Citrus sphaerocarpa hort. ex Tanaka
植物の学名は「属名」「種小名」の2つに「命名者」がついた二命名法で表す。
Citrusは「属名」、ミカン科ミカン属(かんきつ類)に分類されるという意味。
Sphaerocarpaは「種小名」、ラテン語で「丸い形をした果物の」という意味。
残りの hort. ex Tanaka が「命名者」となる。田中長三郎(1885-1976 農学者、柑橘類の分類など)の名前の前に、hort. exがついている。
hort.は「庭園の」という意味のhortulanorumの略。
園芸品種として昔から呼ばれている名前はあるが、正式には認められていなかった名前に使われる。
exは「~により」という意味で、田中が代わりとなって正式な学名を付けてくれたことが分かる。
まとめると、「元々名前はあったが、正式には認められてなかったから、田中が代わりに名付けた、丸い形をしたかんきつ類」となる。
すだちは「Citrus sudachi」なのに、カボスは「Citrus kabosu」ではない理由。
学名を付けた頃には、まだカボスという名前で定着していなかった。学名を付けた田中長三郎が91歳でこの世を去ったのは昭和51年のこと。
昭和中期までカボスという名前が出てこなかった事と、関係あるかも。
②漢字の「臭橙」は熟字訓、「香母酢」は当て字である。
酸橙 かぼす 酢橙 すだちも同じ。
熟字訓(じゅくじくん)とは、日本語において漢字からなる単語に、単字単位ではなく熟字単位で訓読み(訓)を当てたものである。それ故に、単字に分解してもそれぞれに熟字訓の要素は現れず、その読み方でも分節不可能なものが多い。
常用漢字表[1]の付表には、熟字訓の全てではないが、そのうちの116種(123表記)が示されている。
例 流石 さすが 明日 あしたなどなど。
当て字は知っているが、熟字訓とはねぇ。しみじみ無知だなと思う。
鮖(かじか) と鯊(はぜ) [自然]
我が幼年時代、少年時代は疎開地で過ごした時期である。
今考えれば、戦中、戦争直後だから何もかも乏しく、食べる物も遊びも殆どが自前だった。しかし、誰でもがそうであるように、そんな時であっても幼年、少年時代とは真に黄金時代でもあった。
遠い日の記憶中の一つに鰍捕りがある。
彼の地で子供らは「かちか」と濁らずに呼び、「ざこ」と呼んでいた「はや」とともに子供にとってはささやかな漁の、主たる収穫魚種だった。
空腹を満たし、不足がちなタンパク質を求め、かつ遊びを兼ねていたのだが、今では文字通り夢のなかの出来事だったように、時折り懐かしく想い出すことがある。
場所は近所を流れる小川、道具は小さな網、やす。石をひっくり返すとチョロチョロと逃げる。網に追い込む、やすで突く、時に手づかみで捉える。抱卵の時期には腹部がぷっくり膨らんでいる。石の裏に白や黄色の卵塊が付いていた。
鰍は串に挿しいろりで焼いて食べる。川魚独特の苦い味がした。卵は味噌汁に入れて見たりしたが、噛むとプチプチと音がして食感は面白いものの、子供の舌には美味しいとは思わなかった。
鰍はネットで調べると鮖とも書くと言うが、この体験からするとこの方がピッタリするような気がする。
疎開っ子 悴む手足鮖(かじか)追ふ
ウキペディアにはこうある。
カジカ(鰍、杜父魚、鮖、Cottus pollux)は、スズキ目カジカ科に属する魚。日本固有種で、北海道南部以南の日本各地に分布する。地方によっては、他のハゼ科の魚とともにゴリ、ドンコと呼ばれることもある。体色は淡褐色から暗褐色まで、地域変異に富んでいる。
また、歳時記の記述は以下の通りである。
鯊(はぜ)に似た五センチ余のカジカ科の淡水魚。東京では鰍と呼ぶが、北陸では鮴ごりと呼ぶ。水のきれいな川の中・下流から上流にまで棲み、浅瀬の石などの間にひそんでいて、なかなか姿を見せないので石伏いしぶしともいう。 季語秋。
例句 青笹に頰刺し鰍提げ来る 宮岡計次
鮖はゴリともいい、金沢のゴリの佃煮やゴリ押しの由来となった漁法が有名だが、我が疎開地ではゴリと呼ぶ人はいなかった。清流を好むので川の上流に棲むことが多いという。今はもう鰍追いなど出来ないのかもしれない。
かじかは鯊(ハゼ)に姿格好が似ているが、ハゼはドンコとも呼ばれ海にいるものが多い。ハゼの方がカジカより大型である。漫画アニメのハゼドンである。
鮖には鱗が無く鯊にはあるという。また鰭の形などが異なり見分けができるというし、鯊には鰭が変化した吸盤があるらしいが詳しくは知らぬ。
平成上皇がこの研究者であることは有名だ。
ネットや歳時記によればハゼは次の通り。
鯊(ハゼ)は、条鰭綱スズキ目ハゼ亜目(ハゼあもく、Gobioidei)に分類される魚の総称。Fishes of the World 5th Edition(2016)では、ハゼ科などを含む分類階級としてGobiiformes目がある。(ウキペディア)
ハゼ科の魚の総称。内湾や川の河口の汽水域などに棲息する真鯊は二〇センチ前後で、体は上下にやや扁平、頭と口が大きく、目が頭の背面に寄っている。日本全国に分布し、秋から冬にかけてよく太る。天麩羅や甘露煮などにする。(歳時記)
スズキ目ハゼ亜目の魚の総称。2,200種以上の種が知られており、多くは海水域で底生生活をする。ムツゴロウやシロウオなどもハゼの仲間である。季語 秋
鯊釣るや水村山郭酒旗ノ風 (嵐雪 「虚栗」)は好きな名句。
杜牧の「江南春」を踏まえているという句として有名である。
千里鶯啼緑映紅
水村山郭酒旗風
南朝四百八十寺
多少楼台煙雨中
終わりに
櫨(ハゼ)紅葉と七竈の違いを調べていて、音韻連想で「鯊(ハゼ)」を、そこからそう言えばハゼは昔よく追いかけた鮖(鰍カジカ)に似ているなぁ〜、と想い出した。
我ながら取り留めもない思考過程である。もっと考えねばならぬことが山ほどもあろうに、歳をとってその大事な方には、頭が回らなくなっている。耄碌寸前と言うやつかと、しみじみ情けなくなって来た。
鮖とハゼの見分け方
カジカ
鱗:ない。
尾鰭:角張る。
鰓蓋の棘:1本ある。
その他:各鰭がドンコより長い。
ハゼ(ドンコ)
鱗:ある。
尾鰭:丸まる。
鰓蓋の棘:ない。
その他:20cmを超えることがある。
櫨(ハゼ)と七竈(ナナカマド) [自然]
櫨紅葉
我が家に鉢に植えた小さな櫨の木があり、秋になると真っ赤に紅葉する。
元々は櫨を雑木林のように見立てる小盆栽だが、そのうちの一本を少し大きめの瑠璃色の植木鉢に移植した。
今1メールほどの高さ。先端上部に花火か和傘のように開いて葉をつける。その紅葉の赤色たるや、水彩ならバーミリオンヒューかカドミウムレッドか実に鮮やかな緋色だ。
色和名で何というのか調べると、「猩々緋」というのに近い。戦国大名が好んで兜や鎧、陣羽織に使った赤というが、何となく分かるような気がする。
櫨紅葉区別し難し七竈
この緋色バーミリオンか櫨紅葉
和名色 猩々緋にや 櫨紅葉
ウキペディアには、「ハゼノキ(櫨の木、黄櫨の木、学名Toxicodendron succedaneum)はウルシ科ウルシ属の落葉小高木。単にハゼとも言う。別名にリュウキュウハゼ、ロウノキ、トウハゼなど。」とある。ロウノキとはこれからロウソク用の蝋を採るからのようだ。
また、歳時記には、「関東以西に自生。秋の紅葉は燃えるように赤く美しい。蠟を採るために栽培されていた黄櫨はぜは今では自生化している。暖地で庭木や街路樹として栽植される南京黄櫨も種子から蠟や油を採るが、紅葉は一段と鮮やかである。」とある。
櫨によく似た七竈については、
[ウキペディア]
「ナナカマド(七竈、花楸樹 学名Sorbus commixta)は、バラ科の落葉高木。別名では、オオナナカマド、エゾナナカマドともよばれる。赤く染まる紅葉や果実が美しいので、北海道や東北地方では街路樹や公園樹としてよく植えられている。」
[歳時記]
「七竈はバラ科の落葉高木で山地に自生するが、庭木や街路樹としても植えられる。秋に鮮やかに紅葉する。実も葉におとらず真っ赤に色づく。」とある。
この二つは紅葉といい、木の姿かたちといい良く似ている。
どう違うのか判然としないので、ネットで調べると、櫨はウルシ科、七竈はバラ科なので別種であることに間違いないが、どうやら葉にギザギザがあるのが七竈で無いものが櫨らしい。
なお、櫨からは蝋がとれる。七竈は名前の由来である七回カマドにくべても燃えないほど硬い木とあるが、その利用法は知らない。 硬いなら樫の木のように斧などの柄にでも使ったのだろうか。
七竈については、今となっては葉にギザギザがあったか無かったか、確たることは言えないのだが、現役の頃に大阪で見た大墳墓陵(前方後円墳)に生えていたのが七竈だったと思う。
また、のちに安曇野に遊んだとき、栂池にあった紅葉が七竈だったように思う。いずれも美しい紅葉で印象的な赤だった。
これらのことを調べて暫くたったころ、今までは気づかなかった散歩道にハゼ(か七竈か)を見つけた。
見上げるほどの高くて、ギザギザがあるかどうか近眼には良く見えない。写真検索するとヤマハゼと出た。山黄櫨?、ヤマハゼは上記のにわか勉強では出てこなかった。
調べると
「山黄櫨 ヤマハぜ
・漆(うるし)科。
・学名
Rhus sylvestris
Rhus : ウルシ属
sylvestris :
森林生の、野生の
・山地などに生える。
・秋の紅葉がとてもきれい。
・「櫨の木(はぜのき)」と
よく似ているようだが、
名前の看板があったとしてもほとんど見分けがつかない。
「櫨の木(はぜのき)」の方が 紅葉の赤色が鮮やかのよう。」
とあるので山野に自生するものをヤマハゼと言うらしい。するとハゼは何だ。栽培種か。しかしこれは庭木だ。はてさてややこしいが、どちらでもいいか。
なるほど綺麗だ。日に日に赤くなっていくのを見るのが楽しい。それで充分。
例によって以下は備忘的蛇足。
黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)は、平安時代以降の日本の天皇が重要な儀式の際に着用する束帯装束の、「黄櫨染」色の袍のことである。(袍とは①わたいれ。ぬのこ。「褞袍(オンポウ)・(どてら)」 ②ほう。昔の束帯のうわぎ(上着)のことで、ここでは②であろう。)
黄櫨染(こうろぜん/はじぞめ)は櫨の樹皮と蘇芳から染め出される色で、「赤みがかった黄色」や、「黄がかった茶色」等と言われるが、時代や着用者の年齢等によってかなり幅のある色であったと考えられている。令和元年(2019)の即位礼正殿の儀における海外報道の多くでは、その色調はbrown-goldと評された。(ウキペディア)
櫨は黄櫨とも書く。昔は「ころ」、「こうろ」とも読んだのだろう。
蘇芳(すおう)は、マメ科の小高木。蘇芳色はマゼンタ、暗い赤紫のイメージだが、赤の櫨と合わせ染めると茶色系の複雑かつ高貴な色になるらしい。
細葉柊南天(ホソバヒイラギナンテン) [自然]
これ何という名かなぁ、と庭木の名を知りたくてグーグル検索した。候補の名前が南天(の一種)で「細葉柊南天」と出た時には意外な気がした。
細葉柊南天(ホソバヒイラギナンテン)は黄色い花で葉も細くて、あの赤い実のなる南天とはおよそ似ていないなと思ったのである。
南天の一種である柊南天(ヒイラギナンテン)は、葉が柊の如くギザギザだというのだ。細葉柊南天はさらにそのうちでも細い葉を持った種類らしい。
動物、植物、花、昆虫などの近縁種、栽培種などに名前をつけるときは苦労するのは分かるが、まぎわらしくないように願いたいものだ。
「細葉」は分かるが、柊の葉は決して細くはないし、ナンテンか柊か一瞬戸惑う。南天が後だから南天なのだろうが、どこが柊だと訝ることになる。これが提灯鮟鱇なら提灯をぶら下げた鮟鱇とすとんとむねにおちるのだが。
さらに業平柊南天(ナリヒラヒイラギナンテン)というのもあって、葉が細葉柊南天よりもっと細長いのが特徴という。ややこしい。またどこが業平なのか、イケメンなのかさっぱりわからない。真面目にネーミングしてほしいものである。
これは別名柳葉柊南天(ヤナギバヒイラギナンテン)ともいうらしいが、自分が見たのはこれに一番近かったような気がする。
柳葉の如く細いだけで、柊の葉の如くギザギザはなかったように思う。
他に、南天の栽培種には、おたふく南天というのがあって、これは散歩の途中にある老人ホームの植え込みに植えられ名札が付けてあった。それに「おたふく南天」と名前が書かれていて初めて知った。矮性で花壇のグランドカバーとして重宝がられ、最近よく道端でも見かけるようになった。葉が秋冬に紅葉して綺麗だが、南天の特徴である赤い実がならない。これもどこが「おたふく」なのか一向に分からない。オカメナンテンともいうのだそうだが。
ネーミングというのは、新種や亜種が見つかるたびに苦労するようだ。発見者や見つかった土地名などを付けることもあるが「違い」を表すことも多いけれど、主観的なものもあって誤解も加わり後から知る者にとっては、戸惑うことも多い。この柊南天(ヒイラギナンテン)などはその類いだろう。
お前なら何とつけるかと聞かれても困るだけだが。
蛇足⑴
3回目のワクチン接種を済ませたあと、戯れ歌二首が出来た。ワクチンと南天の間に何の関係も無い。副反応も大したことがなくホッとしたというだけの腰折れ、柄もいつもながら小さい。
ワクチンの 熱冷め見れば植え込みの 細葉柊南天光る
ワクチンの 熱は下がりて壁に這う 赤いお多福南天に雪
蛇足⑵
ネットでググった備忘的蛇足。ハテ[メギ]とは何だ?
①南天(ナンテン)
科・属:メギ科ナンテン属 学名Nandina domestica
性質・分類:常緑低木
原産地:中国、日本
出回り期:10月~5月(実の出回り時期)
開花時期:6月~7月(花持ち期間は3~5日程度)
用途:庭木、盆栽、アレンジメント、生け花
南天燭 南天竹 英 heavenly bamboo
漢字の南天竹、英名の天国竹、そうか、南天の葉は竹の葉に似ているのだ今更ながら気付いた。
南天の花は、仲夏の季語。実は三冬の季語。
生薬(葉に含まれるシアン化水素)健胃、解熱、鎮咳作用ありのど飴の原料
②柊南天(ヒイラギナンテン)
学名 Mahonia japonica マホニアは植物学者名とか。
科・属 メギ科メギ属(マホニア属)
原産地 中国、台湾、ヒマラヤ
別名 マホニア、トウナンテン(唐南天)
③細葉柊南天(ほそばひいらぎなんてん)
大きさ・高さ1~2メートル
分布 原産地は中国 日本へは明治時代の初期に渡来
分類 メギ科 ヒイラギナンテン属
学名 Mahonia fortune
④業平柊南天(ナリヒラヒイラギナンテン)
ホソバヒイラギナンテンに似ている品種で、細長い葉が特徴。別名は「ヤナギバヒイラギナンテン(柳葉柊南天)」とも呼ばれ、葉が柳のような形であることが由来。
10月~12月頃に花を咲かせ、木の高さは1m程度。日本庭園やビルの外構などに植えられる。
⑤おたふく南天(オタフクナンテン)
学名:Nandina domestica
別名:ゴシキナンテン オカメナンテン
科名:メギ科
分類:常緑低木
原産地:東アジア
大きさ:背丈20~50cm、横幅30~50cm、小葉4~8cm前後(葉は互生)
主な見所:紅葉(冬)
南天の改良園芸種 実がならない グランドカバーに適す。
スノーフレークとスノードロップ [自然]
お寺の境内を散歩したあと、寺が運営していた保育園跡地にすずらんに似た白い花で緑の斑点のある綺麗な花が、沢山咲いていた。
名を知りたいとグーグルフォトで検索するとスノーフレーク、和名大待雪草(オオマツユキソウ)、別名鈴蘭水仙(スズランスイセン)と出た。
フレークとは何か調べたが、言及しているサイトがなかったので、勝手にツナフレーク、コーンフレークと同じ「切片」と解したがどうか?
似た名前でスノードロップという花(球根草)があって、写真画像で見たことはあるが、現物を見たことがない。別名を待雪草(マツユキソウ)ともいうとか。
この二つともスズランに似ている。鈴蘭はスズラン属で別種という。しかも蘭ではないそう。毒がある。スズランの別名は君影草、谷間の姫百合。英名Lily of the valley。
スノウフレーク、スノードロップは、ほかに水仙、韮、ハナニラなど花、葉とも似ていてやっかいだ。
水仙はヒガンバナ科、スイセン属の総称で、ニホンズイセンやラップスイセンなど種類は多い。野菜の韮はネギ属。ハナニラはネギ亜科ハナニラ属である。
韮とハナニラも良く似ている。ハナニラも名を知らず検索したので別途書きたい。
この花何?と検索していて冷や汗駄句、駄句を詠んだ。
俳句擬きというより、季語まで読め込めないのが多いので、川柳擬きか。どうしても説明調になる。句を読んですべて理解出来るはずもないのは致し方ない。何せ十七文字だ。
花の名をせっかく検索して知ったのに、加齢により記憶に残らず直ぐに忘れてしまうのが悩みだが、少しでもそれを防げれば嬉しい。
受験の時に年号暗記した手法ーいい国(1192)つくる頼朝公(鎌倉幕府開設)ーというあれ。
名を知ればスノーフレークまた見つけ
不思議なもので、花の名と実物が一致するとにわかにあちこちで見かける。知らないということは、無いのと同じことだとは良く言ったものである。
韮ちゃうよスノーフレーク食べちゃダメ
スノーフレークも水仙と同じでアルカロイドを含む。野菜の韮と間違えると食中毒事故を起こすので用心が必要。
韮はちぎると臭く水仙は無臭なので判別できるというが、中毒事故は少なくは無い。「京都市保健所は、2022/4/11、子育て支援施設の給食で、ニラと間違えて毒のあるスイセンを提供し、食べた子どもが食中毒になったと発表。厚生労働省によると、2021年までの10年間で約60件あり、亡くなった人もあった」とヤフーニュースが伝えている。
大小の待雪草は春待草
待雪草雪を待たずに春を待つ
スノーフレークの和名がオオマツユキソウでスノードロップの別名がマツユキソウだが、二つとも春に花が咲くのに雪を待つという変なネーミングではある。
雪片か雪の滴(しずく)か花惑ひ(はなまどひ)
フレークかはたドロップかと雪迷ひ(ゆきまよひ)
これは迷走川柳。川柳惑ひ(せんりゅうまどい)。
スノウフレークとスノードロップという前書きでもつけないと、読み手に伝わらないしろものである。
シラン(紫蘭)とシラー ペルビアナ(大蔓穂) [自然]
平成22年(2010)だから大分前だが、団地の花壇の一画が区から花と緑のコンクール優秀賞を受賞した。住民の努力が評価されたのだ。まずはめでたい。
その受賞の立札(今で残っている)のそばにシラン(紫蘭)とシラー ペルビアナ(大蔓穂)が植えられていて今まさに春、研を競って咲いている。
シラン(紫蘭)は学名:Bletilla striata 、和名:シラン(紫蘭)。
その他の名前:紅蘭(こうらん)、白笈(はくきゅう)。紅蘭は分かるが、白笈は何を指すのかネットでは分からなかった。
ラン科 / シラン属。原産地は中国、台湾、日本。
花期は4月から5月。花は紫紅色で、30から50cm程度の花茎の先に数個つく。花弁は細長く、あまり開ききらないような感じに咲く。
歳時記には
「ラン科の多年草で、5〜6月ごろ葉心から長い茎に、赤紫の美しい花が連なるように咲く。関東以西の山地などの湿った所に自生し、庭園にも植えられる。高さ30〜70センチ。 季夏 (蘭は秋)」とある。
例句 紫蘭咲いていささかは岩もあはれなり 北原白秋
雨を見て眉重くゐる紫蘭かな 岡本眸
花の名をググっていて詠んだ。
グーグルはこの花紫蘭と宣へり
AIはこの花紫蘭と言ってゐる
AIは紅蘭(こうらん)紫蘭(しらん)決めかねて
AIは知らん(紫蘭)存ぜぬ惚け(とぼけ)けり
紫蘭ぜよAl検索いいちょるが
方やオオツルボ(大蔓穂、学名:Scilla peruviana)は、キジカクシ科ツルボ属(シラー属またはスキラ属ともよぶ。)の多年草。
学名のシラー・ペルビアナで呼ばれる事も多い。 原産地は地中海沿岸の南ヨーロッパ、北アフリカなど。
草丈20-40cmほど。5-6月ごろ、花茎の先に径2cmぐらいの星型の小花を数十個傘状につける。花色は濃い紫が多いが、白色の物もある。なお、大蔓穂は(蔓穂も)歳時記によれば季語では無いようだ。
(参考)
ツルボ (蔓穂、学名:Barnardia japonica) はキジカクシ科のツルボ属。地下に球根があり、秋の初めにピンク色の花を密生した細長い穂を出す。
ややこしや紫蘭のそばにシラー咲く
まぎらわし紫蘭のそばにシラー咲く
大蔓穂 学名シラーペルビアナ
ハナニラ(イフェイオン)と韮など [自然]
それがイフェイオン。イフェイオンと言っても知らない人の方が多いのでは無いか。一般的にはというか、日本では別名の「ハナニラ」の方が通りが良いと思う。
ハナニラ(花韮、学名:Ipheion uniflorum)はネギ亜科ハナニラ属に属する多年草。原産地はアルゼンチン。科名はユリ科で分類される場合もある。
葉にはニラ(韮)やネギ(葱)のような匂いがあり、このことからハナニラ(花韮)の名がある。
なお、ポピュラーな野菜のニラ(学名 Allium tuberosum)の一種に花茎とその先につく蕾の部分を食用とする「花ニラ(ハナニラ)」があるが、同じ亜科に属するものの別種である。
園芸植物である方のイフェイオン=ハナニラは食用にはならない。イフェイオン=ハナニラには先端に花が一つしか咲かないため区別できる。
イフェイオンといえば、通常は、南米のアルゼンチン及びウルグアイ原産のイフェイオン・ユニフロルム(学名である)を指す。
自分が団地の庭で見たのはこれだと思う。
さて、ハナニラ属は、南米に10種ほどが分布しているが、日本でもよく栽培されているのがイフェイオンで、きれいな星形の花に特徴がある。丈夫で育てやすく、球根もよく増えるという。
白い花だが、時折り紫っぽいのや花びらが少し太めのものも見かけることもある。
なお、黄色の花が咲くイフェイオン セロフィアナムは、ヒガンバナ科ハタケニラ属(ノトスコルダム属)にされている。また、同じく黄色いノトスコルダム モンテビデンセというのもあるとか。これらは今はイフェイオンとは別属とされているらしい。
黄色いのはネットの画像を見たが、実物は見たことが無い。白いイフェイオンのように、広い庭いっぱいに沢山咲いたら見事なものだろうと想像してしまう。
晩秋から初冬に白い花を咲かせるパルビフローラ(I.parviflora /Tristagma recurvifolium)
平たい葉をもつが、開花が早く11月から12月に白い花を咲かせる。イフェイオンの名で流通するが、実はトリスタグマ属に分類される。
ハナニラは イフェイオンの 異名なり
名を知ればやたら目につくイフェイオン
検索のハナニラやたら其処ここに
咲き初めは春の星図かイフェイオン
ハナニラや星図のごとく咲き始め
五階からは星図に見えるかイフェイオン
ニラ(韮、韭、Allium tuberosum)は、ネギ属に属する多年草。(ハナニラはネギ亜科)中国原産で欧米では栽培されていない。東洋を代表する野菜である。
わが田舎ではこの葉で地面の穴にいる虫を釣り出す遊びをしたことがある。遠い日のことだ。あの虫は何の幼虫だったのだろう。1cmほどの薄緑色だった。
ニラといえば反射的に思い起こすのはレバニラ炒め。学生時代金がない時の定食はこれ。しょっちゅう食べた。
韮 (別名ふたもじ) の季は春。「韮の花」は夏。花韮ハナニラは春の季語。 尚、「花韮」は、野菜の「韮」とは全く違う植物で、「韮の花」とすると夏の季語となるので注意を要すると歳時記に説明がある。
一文字(ひともじ)の韮は別名ふたもじにや
ふたもじは韮の別名一文字(いちもんじ)
「薤露(かいろ)という言葉がある。漱石の小説「薤露行」の薤露である。(行は詩のこと)
(薤にらの葉の上に置く露は消えやすいところから)人の世のはかないことや、人の死を悲しむ涙をいう語。また、漢の田横の門人が師の死を悲しんだ歌の中にこの語があったことから、葬送のときにうたう挽歌(ばんか)の意にも用いる。
「薤は一般的にはニラを意味するが、中国ではラッキョウのことである。薤の葉は幅が狭く、露がとどまりにくく乾きやすい。このことから、住みにくい世に生きる命の儚さの比喩になっている」とウキペディアにあるので漱石の薤露行はらっきょうの葉についた露の行(漢詩)と解するのか。小説は難解だ。青空文庫で読み直そう。
薤露行我に難解眼借り時
永日や我に難解薤露行
遅き日や薤露行を読み返す
らっきょう(辣韮、薤、辣韭 学名: Allium chinense)別名は「オオニラ」、「サトニラ」。ネギ科の多年草。燐葉(りんよう)で覆われ卵形の地下茎をもち、葉は線形で根際から出る。秋、高さ約40cmの花茎を伸ばし、紫色の小花を球状につける。中国の原産。鱗茎(りんけい)を漬物にし、特有の香味がある。《季 夏 花=秋》「辣韮ほる土素草鞋(すわらぢ)にみだれけり/蛇笏」(歳時記)
「葷酒山門に入るを許さず」という古諺があるが、肉や魚は?葷か酒か。肉も魚も入るを許すことはあるまい。葷は主にネギ属の植物であるネギ、ラッキョウ、ニンニク、タマネギ、ニラなどを指すという。
仏教では、忍辱(にんにく)、野蒜(のびる)、韮(にら)、葱(ねぎ)、辣韮(らっきょう)などの五つを五葷という。アサツキ(浅葱)、アブラナ(油菜)とすると説もあるらしい。
にんにく(大蒜 葫)ユリ科の多年草。高さ約60cm。全体に強い匂いがある。地下の鱗茎(りんけい)は灰白色で、数個の小鱗茎からなり、食用。強壮薬・香辛料などにも用いる。夏、茎の先に、長い苞葉に包まれて白紫色の花が集まって咲く。花の間にむかごをつける。ガーリック。《季春》(角川歳時記)
例句
雑草を抽きて大蒜畑強し 石川桂郎(1909 〜 1975)
(ざっそうを ぬきておおびる はたつよし)
石川桂郎は確か俳人というより、川柳人だったような気がする。
上掲句も代表作 昼蛙どの畦のどこ曲らうか も滑稽味溢れて
俳句と川柳の区分も曖昧だと分かる一例だ。
ニンニク(蒜、大蒜、葫、忍辱、学名:Allium sativum)は、ヒガンバナ科ネギ属の多年草。香りが強く、強壮・スタミナ増進作用があると信じられているため、球根(鱗茎)を香辛料などとして食用にするほか、茎も「ニンニクの芽」(トウ)と呼ばれて野菜として調理される。かつてクロンキスト体系による分類ではユリ科に属していた。強烈な風味を持つことから、肉食の習慣がある地域で普及している。(ウキペディア)
ノビル(野蒜、山蒜、学名: Allium macrostemon)は、ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属の多年草。日当たりのよい土手や道端に生える野草で、全体の姿や臭いはニラに似ている。花にムカゴをつけて繁殖し、葉と地下の球根は食用になる。(ウキペディア)
ユリ科の多年草で、田の畦あぜ・荒れ地・土手などいたるところに群生している。葱のような臭みがあり、茎は細長く直立し、初夏に花をつける。春の代表的な食用野草の一つで、茎と鱗茎りんけいを生食したり、浸し物・酢味噌和え・胡麻和えなどにして食べる。
季語春 (角川歳時記)
これも田舎で良く摘んできては、お浸しにして食べたので懐かしい。当時でも農家の人は野菜には事欠かなかってので、食べる人は少なかったと思う。我が家では貴重なビタミンだった。今ではこれを食べる人はいないのだろう。田舎では「ののひろ」と呼んでいた。花はどんなものだったか覚えていない。
ルピナス(昇藤または葉団扇豆) [自然]
家人が駅前のフラワーショップでルピナスの苗を買ってプランターに植えた。この花なに?は知らないから検索するのだが、今回は花屋さんの名札がついているので、名は分かっている。しかし初めて聞く名なので、少し詳しいことを知りたくてググって見た。
ウキペディアが1番手っ取り早い。
「ルピナス属(るぴなすぞく、学名: Lupinus、ルーピン、英: Lupin)は、マメ科の属の1つ。ルピナスの名はオオカミに由来し、吸肥力が非常に強い特徴を貪欲な狼にたとえたものである。和名はハウチワマメ属(葉団扇豆属)。根生葉が掌状複葉であることから付けられた。また、花の様子がフジに似ており、花が下から咲き上がるため、ノボリフジ(昇藤)とも呼ばれる。地中海沿岸地方と南北アメリカ、南アフリカなどに200種以上が分布している。葉には長い柄があり、草丈は50 - 180cmくらいになる。春から初夏にかけて、雄大な総状花序をなし、蝶形花を多数咲かせる。宿根ルピナスの大きな物では、花穂が60cmにもなる見事な花になるが、暑さに弱く、暖地の気候にはあまり合わない。
この属は、アメリカ、地中海沿岸地域などに分布し300種類以上ある。古代には食用、飼料用、石鹸の材料として利用された。日本では、明治期に緑肥用作物として導入された。園芸植物としての栽培が始まったのは近世になってからで、1911年にジョージ ラッセルが改良種を開発し、多様な園芸種が作られるようになった。現在は園芸植物としての栽培が一般的である。」とある。
ルピナス属の栽培種で知られているのは、多年草タイプのラッセルルピナス(学名L. polyphyllum英: Garden lupin) 。寒冷地では宿根して毎年雄大な花を咲かせるが、耐暑性が弱く、温暖な地域では一年草として扱われる。アメリカ合衆国北西部の原産で草丈150cm以上になる。花色には紫・藤色・樺色・紅・白などがある。
白花ルピナスは花色 白〜乳白色。白花ルピナス豆(ルピナスビーンズ)の塩茹では、地中海地方でビールのつまみの定番として知られる。ルパン豆、または、ルパンビーンズ(ルーピンビーンズ、英:Lupin beans,日:葉団扇豆、ハウチワマメ)とも呼ばれる。
同じく黄花ルピナスもルパンビーンズ(ルパン豆)ビールのつまみとなる。
葉にも独特の特徴がある。根生葉が掌状複葉で10枚前後の放射状である。八手ならず十手だ。
なお、Unsplash でLupinと入力して画像を探したら膨大な量が出てビックリ。欧米はじめ世界中において、きっと人気のある花なのだろう。
例によって川柳擬き。
ルピナスや花が終わりて豆と知る
ルピナスの和名はゆかし昇藤(ノボリフジ)
ルピナスは葉団扇豆(ハウチワマメ)と天狗言う
ビールには黄花ルピナスルパン豆
ルピナスや怪盗ルパン連想す
ルピナスやルパン豆の味知らず
ルピナスの葉は掌状で十手なる
マムシグサ(蝮草)など [自然]
「この花何?」は原則として自分で撮った写真を使用して検索しているが、今回はFB友達がアップした庭のマムシグサの写真を使った。初めて見る花の写真だったのである。
似た画像が幾つも出てきた。素人が特定するのが難しいことがよく分かる。AIといえ判じ難いものも多い。お遊びだから良いが、大事な時は危険だという気もする。間違って覚えても、周りに迷惑がかからない趣味の程度にとどめておくのが良さそう。自分の場合はそちらの方だから問題なし。
大事な時は花屋さん、植物園、園芸高校、農業試験場に確認した方が良いだろう。
今回もあたりは付けられるが、自信はない。しかし特定できなくても、お陰でサトイモ科テンナンショウ属などに纏わる興味深い多くのことを知ることになった。十分楽しんだ。有難いことである。
マムシグサ(蝮草、学名:Arisaema serratum)は、サトイモ科テンナンショウ属の多年草である。有毒植物。
マムシグサ は偽茎の紫の斑模様がマムシの胴体の模様に似るのでこうよばれる。仏炎苞(ブツエンホウ)は緑のものや紫のものがあり、葉よりも上に出る。棒状の付属体を持つ。
雌雄異株である。晩春に、花茎を直立させて開花する。苞(仏炎苞)は紫色に近く、白線がある。なかには苞が緑色のものもあり、アオマムシグサまたはカントウマムシグサと呼ばれる。花のつき方(花序)は肉穂花序の代表例で、苞の中にまっすぐ立つ。花期は4月から6月である。
果実は秋に橙色から赤色に熟し、トウモロコシに似た形状の果実を付ける。
全草にシュウ酸カルシュウムの針状結晶、サポニン、コニインが含まれる。特に球根の毒性が強く、その汁に触れると炎症を起こす。誤って食べると口中からのどまでに激痛がはしり、唾を飲み下すことすらできないほどとなる。また、激しい下痢や嘔吐、心臓麻痺といった症状が現れ、重篤な場合には死亡する。
属名のテンナンショウは「天南星」の意で、この類の球茎の漢方生薬名である。天南星の別名はヘビノダイハチ、ヤマゴンニャク(山蒟蒻)という。いずれも俳句の春の季語というが、角川歳時記では出てこなかった。はて?。
毒持ちて生薬となる蝮草 (小毒は良薬をもたらすらしい。)
毒もあり蝮模様の蝮草
毒蝮毒蝮草恐ろしや
ウラシマソウ(浦島草)サトイモ科/テンナンショウ属の多年草。
ウラシマソウ(Arisaema thunbergii subsp. urashima -)は北海道南部、本州、四国、九州北部に分布する。仏炎苞(ブツエンホウ)は褐色の舌状の舷部を持ち、葉の下につく。付属体の先が長く糸状に伸びて垂れ下がるため、浦島太郎の釣り竿の連想からこの名を持つ。
浦島草針も付けずに何を釣る
(太公望も釣り糸に針はついていなかったような気がする。)
八十路入る浦島草が気になって
傘寿過ぎ浦島草が気にかかり
ユキモチソウ(雪餅草、学名: Arisaema sikokianum)はサトイモ科テンナンショウ属の多年草。花の中央に雪のように白い餅に見える付属体があることから雪餅草と呼ばれる。付属体は何だろう。虫には餅に見えるのか。根有毒。
誰がための雪の餅肌雪餅草
ムサシアブミ(武蔵鐙、学名 Arisaema ringens)はサトイモ科テンナンショウ属の多年草。別称「由跋(ユハツ)」、古くは「加岐都波奈(かきつばな)」とも呼ばれていた。別称の由来は分からず。
鐙(あぶみ)とは馬に乗るときに足を掛ける金具のことで、鞍の両脇に垂れている。その鐙に花の形が似ているため、この名前がつけられたらしい。江戸時代までは武蔵の国の鐙の品質が良かったため、ムサシアブミになった。
美丈夫や武藏鎧の武藏振り
武藏坊武藏鎧は足が出る
駿馬飛ぶ武藏鎧や義経忌 義經忌旧4/30
母衣武者の武藏鎧に踏ん張りて
https://www.hana300.com/musasi.html 武藏鎧
これら蝮草、浦島草、雪餅草、武藏鎧はサトイモ科のテンナンショウ属ばかりで実物を見る機会に乏しいが、サトイモ科には他に里芋(タロイモ)、コンニャク、ミズバショウ、ザゼンソウなど属は異なるがポピュラーなものがある。
サトイモ(サトイモ科サトイモ属)芋といえば季語では里芋のこと。花といえば桜の如しか。今では薩摩芋じゃがいももあるので、俳句の世界だけのこと。
里芋はタロイモよりもぬめりあり
芋の葉に二つ穴開けゆるキャラに
コンニャク(サトイモ科コンニャク属)蒟蒻玉、蒟蒻芋ほるなどが冬の季語 花は無い。
コンニャクや刺身と化して鮨食いねぇ
ミズバショウ(水芭蕉、学名: Lysichiton camtschatcensis Schott)は、サトイモ科ミズバショウ属の多年草。夏が来れば思い出す♫ 。尾瀬の群生が有名。夏の季語。
メタバース尾瀬遠けれどミズバショウ
ミズバショウコンニャク問答ザゼンソウ
ザゼンソウ(座禅草、坐禅草、学名: Symplocarpus renifolius)は、サトイモ科ザゼンソウ属の多年草。別名達磨草。
ザゼンソウは開花時期に発熱を行なう。発熱が起こり約25°cまで上昇する。そのため周囲の氷雪を溶かし、いち早く顔を出すことで、この時期には数の少ない昆虫を独占し、受粉の確率を上げている。神の深慮か。達磨の知恵か。春の季語。
これは一度何処かで見た記憶があるが、何時何処でだったか思い出せない。長野だったかもしれぬ。
ザゼンソウを地湧金蓮(ちゆうきんれん)とするサイトもあったが、どうやらこちらは芭蕉(ばしょう)科 学名Musella lasiocarpaでMusella : ムセラ属lasiocarpa : 別名「チャイニーズイエローバナナ」ではないかと思う。この辺になると素人、門外漢の手に余ってくる。
ザゼンソウ花発熱し虫を呼ぶ 雪溶かす
ザゼンソウ虫を惑わす誘蛾熱
ザゼンソウソーラーパネル虫媒花
地湧金蓮(チユウキンレン)はバショウ科ムセラ属の亜熱帯性の植物。学名では、「Musella lasiocarpa」中国名が「雲南地湧金蓮(ウンナンチユウキンレン)」英名は、「チャイニーズ・イエロー・バナナ」
「チユウキンレン」と読むが、正しくは「チヨウキンレン」。
地面から湧いてきた金色のハスを意味。日本では「耐寒バナナ」とも。
花が咲く時期は、大体秋からが一番多く、一度咲くと約1年間近く咲く。
花の大きさは30cmで「地湧金蓮」の名の通り、見た目は黄金色のハスの花のようだが、黄色の花のように見えるのは、実は苞(ホウ)である。花弁状の葉で、本当の花はその間に小さく細い筒のように咲いている。
ショクダイオオコンニャク(燭台大蒟蒻、学名: Amorphophallus titanum)は、サトイモ科コンニャク属の植物。別名スマトラオオコンニャク。インドネシア、スマトラ島の熱帯雨林に自生する。最短でも2年に一度2日間しか咲かない、世界最大の花として有名になった。確か腐臭が強烈とか。
花序とその付属体、および仏炎苞(ブツエンホウ)の複合体は直径1.5mに達するとされ、その縦寸は3.5mまでになった記録もある。
なお、バナナ(甘蕉、実芭蕉、英: Banana、学名Musa spp.)は、バショウ科バショウ属のうち、果実を食用とする品種群の総称である。これはこれで沢山の種類がある。