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水彩デモを見に行く [絵]

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FB(フエースブック)で夜な夜なスナックに通い続けるだけではなんなので、「ゆう子」ママの水彩デモを見に出かけた。水彩デモを観るのは、はじめての経験である。
現代水彩画の巨匠N女史がスナック「ゆう子」のママになりすましているということは、TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国」を聴いたことのない人には説明を要するが、先を急ぐのでパス。

混雑を予想し東急デパートの開店に10分、デモ開始まで30分も待ったおかげで、大相撲であれば砂かぶり、歌舞伎ならかぶりつきの最前列に座って、ゆっくり開始から最後まで拝見。2時間。デモにもしびれたが、足もしびれた。

まずはシャープペンシルがアルシュの上を走る心地よい音で開始。大きさは30F。自分は10F以下しか描いたことがないので、そばでみるとデカイ。

鉛筆はほんの数十秒、続いて、マスキング。ふむふむ巨匠のマスキングはこうやるのか。リキッドでなく、ペンチューブタイプのもの。プラスチックの板の上に少ししぼりだす。筆は水ペン。水をちょっとたらして濡らし溶かしながら使う。これも数十秒。
次は太い刷毛(筆?)でアルシュをまんべんなく濡らす。えい、めんどうとばかりバケツから手で水をすくい、ざば、ざばと3回ほど。
有名な汚い(失礼)パレットからこの太い刷毛の先(耳)なども使って絵の具をぶつけては、絵を立てたり、横にしたりして流す。動画で見たりするので驚きはしないが、さすがに手際がいい。
何よりこれらのたちいふるまいが絵になる。エレガンスである。
どうもこのあたりまでが、何よりイメージどおり行くかどうかを決め、出来を左右するのだろうと見た。水彩は水もの、どうなるかわかったものではないのにデモンストレーションというライブをやる力量に改めて驚く。敬意をこえて、畏怖の念を抱く。
しかも、乾くのを待ちながらか、合間に周りを取り巻くギャラリーに向けにモチーフの八つ手にまつわるエピソードや100均で買う道具のことなどを話す。加えて、立っていて疲れるでしょう、トイレを我慢しないようになどと気を遣う。これで胃が悪くならなかったら不思議。

塩を撒くタイミングとロウソクの火の描き方を見たかったので、ありがたかった。
水彩も消せないことはない、とティッシュや激落ちくんの使い方も目のあたりにして参考になった。げきおちくんは、これまであまりうまく扱えなかったが、ちょっと水に浸してしぼって使うようだ。今度やってみよう。

水彩は水と絵の具が思わぬ仕事をしてくれるから、自然乾燥が一番という。だから2、3枚並行して描かれるとか。デモでは時間節約のためドライヤーを使うが、画面に置きっぱなしにするのでときにあらぬ方向に風がいき、巻きスカートを。画家はあわてず裾を押さえ、このいたずらっ子メ、とばかりドライヤーをつまんで向きを変える。

スパッタリングをたくみに使う。この色の選択と混色が独特なのであろうが、ときおり水だけのスパッタリングも。これはハイテクニックだなと思う。
先生の使用する筆は、主として太い日本筆。先に4本平たく束ねたものも和風。日本画で使うものだろうか。絵のタッチと筆はおおいに関係がありそう。ただ面相筆のような細いものは、少なくとも今日は持っておられなかった。

やはり、塗り残し、マスキング、白グワッシュなどの白が光を捉えるポイントのひとつとよく分かる。げきおちくんも、失敗して消すためでなく白づくりのためのもののようだ。

さて、分からなかったのは、一つだけ。菊の花の芯(サップグリーン?)にあとから入れたのは金色か、はたまた金箔か。

見ていて、たぶんあそこは手を入れるだろうな、と思って見ているとその通りになる時と当たらぬ時とある。思ったより色を重ねるのは意外。鮮やかな透明感のある色だけを追求しているのではないと分かる。あるいは意識して濁らせるのか。鮮やかな例えば赤をより際立たせるためにか。
仕上げのちょんちょんはやはり意表を突く展開が多い。このあたりは画家の個性、誰もマネは出来まい。

画家は、今や世界的な水彩画家だが、水彩など私には趣味であり、(本業はべつにあって)我流ではじめて10年ちょっととか。教わらなくても楽しめるもので、大仰なものではないとおっしゃる。老若男女誰でも出来る大衆的なものという意味である。

それにしては、出来上がった絵は尋常ではない。女性に圧倒的な人気があるという。今日も女性が多い。女性は何事によらず見巧者が多い、自分はその鑑賞眼力を信じる者だ。しかも水彩は女性の方が、上手い人が圧倒的に多いと思う。紅白水彩合戦があれば、赤組が勝つに違いない。
女性は生活的には現実派だが、水彩ではそうではなさそう。男は普段観念的なくせに、リアリティーを追求し過ぎる。何より思い切りが悪い。(自分のことだ)むろん、双方とも例外はいるが。
デモを見終わって、誰にでもできる楽しいものとおっしゃる持論は本音だろうと納得した。楽しみながら描いているし、その楽しさをみんなにわかって欲しいという気持ちが、ひしひしと伝わってきた。

午後トークショーを見たかったが疲れてしまい、まぁ、話すことはだいたい想像できるしな、と根拠のない独り言を言い、お昼を食べて帰った。これまでの経験では何ごとによらず、こういう時はたいてい予想に反して役立つ結果だったことが多い。自分の悪いクセであるが、疲れはこの自覚をあっさりと打ち消した。何せ、自分は今日のデモ参加者の老若男女のうちでは、最高齢者だろうから、からだを労らねばならぬ。やむを得まい。

ヴァーチャルだったゆう子ママを現実に見ることが出来たうえ、得るところの多いデモが観られてしあわせであった。しかも無料で!。金曜日デモに行くか、震災募金などをしなければバチがあたる。

ー絵はFB掲載の写真を拝借して。


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