司馬遼太郎の水彩画 [絵]
文章をよくし、絵も描けるひとというのは羨ましいの一語に尽きる。
司馬遼太郎はあまり知られてはいないが、その一人である。司馬遼太郎は短編紀行文「街道をゆく・愛蘭土紀行」のなかで水彩画について次のように書いている。
「水彩画や地誌画は英国美術の伝統でもあるが、ぎらつかないもの静かさが、英国人の好みにあうのにちがいない。主題や手法は古いが、それだからこそ安定していて、部屋にいる気分まで落ちつく。それらまでふくめて、英国のくらしの"趣味のよさ"といえそうである。」
司馬遼太郎は万人が認める名文家である。流れるように頭に入る。難は読んだことを忘れるほど滑らかであることだが、忘れる責任は当方にあってもちろん作家にはない。
その本人も水彩画を描く。著書にときどき装丁や挿絵に作家の絵が使われている。
例えば「司馬遼太郎が考えたこと1-14」(2005〜新潮社)「アメリカ素描 」(1986読売新聞社)など。
習った絵ではなく、個性あふれる絵である。絵は、習うものでなく好きに描けば良いと分かる。
ほかにも文章がうまくてしかも絵がうまいという人は限りなく沢山おられる。
たとえば、62歳で亡くなった評論家で俳人江国滋。この人の絵も良い。好きである。
もちろん画家で名文家というのも多い。例えば山本蓉子、佐野洋子、池田あきこ・・・例はたまたま最近読んだ 本が女性ばかりだっただけ。男性も含め他にも沢山いられる。
著名人でなくても、良い絵を描き素晴らしい文章をものす人は多い。かつて勤めていた会社の先輩もそのひとり、お人柄をあらわす優しい線と色彩の絵に分かり易い文章で楽しい話を書かれているのを見ると、ああいうふうになりたいなといつもしみじみ思うのである。
司馬遼太郎さんの絵、初めて見ました。独特の優しい淡さが素敵ですね。
日本の昔話に出てきそうな感じで、初めて見たのに懐かしさも感じられ不思議です。
佐野洋子さんは、私も大好きです。
イラストも文章も面白く、読んでいて心がスッとします。
水彩画なら、いわさきちひろさんも日本を代表する人物ですよね。
by emico_g (2010-11-15 19:43)
コメント有り難うございました。
この絵は司馬遼太郎が考えたこと(全15巻)の表紙で見ることができます。
佐野洋子さん、残念なことでしたね。男にとっては耳が痛いことも多かったですが、沢山のことを教えられました。
近所にちひろ美術館があり、彼女はかわいい絵だけを描いていたのでは無いことを知りました。たしかに素晴らしい画家ですね。
by wakizaka (2010-11-16 10:05)
サンフランシスコの日本町で、司馬遼太郎の本を売っています......
by サンフランシスコ人 (2015-09-05 01:31)
サンフランシスコ人さま
コメントありがとうございました。サンフランシスコは昔海外研修でバンカメなど訪問しましたが、日本町には行きませんでした。
おもむきがありそうですね。司馬遼太郎の本は、この頃読んでいませんが、文章が読みやすいし楽しめます。水彩も良いし。
by wakizaka (2015-09-26 09:49)