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ワイエスファミリーの水彩画(1/4)ー 父祖NCワイエスの絵 [絵]


NCワイエスは、高名なアメリカの国民的画家アンドリュー・ワイエスの父である。
A.ワイエスは心身ともに虚弱であったため、ほとんど学校教育を受けず、家庭教師から読み書きを習い、著名なイラストレーター(挿絵画家)であった父親ニューウェル・コンヴァース・ワイエス(Newell Convers Wyeth 1882-1945 NCワイエスと略)に絵を学んだ。

NCワイエスはアメリカのマサチューセツ州生まれ。ハワード・パイル(イラストレーター1853-1911)の元で美術を学び、雑誌のイラストレーター、挿絵画家として活躍した。1911年の「宝島」(スティーブンスン)を皮切りに、多数の冒険小説の挿絵本を手掛けた。
他にロビンフッド、モヒカン族の最後(クーパー)など。
60年以上前に自分たちが熱狂した山川惣治、小松崎 茂 らの「少年画報」や「冒険王」の絵を思い出させる絵である。

NCワイエスは、挿絵画家として活躍する傍ら、ペンシルバニア州チャッズ フォードで次男(末っ子)アンドリューのみならず長女ヘンリエッタ、次女カロラインと二人の婿(ヘンリエッタの夫ピーターハード、三女アンの夫ジョンマッコイ)を生徒として絵を教えた。
A.ワイエスは、アメリカの国民的画家となり、長女ヘンリエッテ、二女キャロライン、三女アンも著名な画家となる。長女ヘンリエッタの夫ピーター・ハード、三女アンの夫ジョン・マッコイも画家である。その子供達からも多くの画家が生まれている。

長女ヘンリエッタの場合でみれば、夫ピーター・ハードとの間に生まれた長女キャロル・ハード(NC3世代)も画家、さらにそのキャロル・ハードの長男ピーター(1959-)も画家である。ピーターは、NC4世代ということになるが、今55歳だからむろん働きざかりであろう。

アンドリュー・ワイエスの息子(次男)ジャミー・ワイエス(1946-ジェイミーとも)も高名な画家となって活躍する。NCの孫ということになる。
三代、4代ににわたる画家一族は、何を伝え、受け継ぎあるいは影響し合ったのかと考えるだけで興味深い。
彼らの絵は常に、環境か遺伝か、Is it environmental or genetic? と問われ続けられる。

NCワイエスを頂点とするワイエスファミリーは、アメリカの著名な名門画家一族として知られ、アーチストの血統(The artistic bloodline )が滔々と大河をなしている感がある。

その画家ファミリーの父祖ともいうべきNCワイエスの絵はどんなものだったか、まず最初に見なければなるまい。

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「The Silent Fisherman 」(1907)NCワイエスには、ネイティヴ、インディアンの絵が多い。
「The Artis't Studio, Chads Fords, Pensilvania」( 1910 Oil )アトリエか。NCも油彩だが風景画をよく描いた。ついアンドリュー・ワイエスの絵に共通点はないか、と見てしまう。
「宝島Treasure Island(Title 1)」( 1911)スティーブンスンの冒険小説。
「ロビンソンクルーソー Robinson Crusoe Illustration 」(1920 )挿絵は張りつめた緊張感がいのちだ。
「View of the Barn Behind John Andress Farm, Chadds Ford 」(油彩 1917-1921)barnは納屋もしくは畜舎。
「Early Snow 」(1922 oil)初期の雪。初雪か。
「アーサー王と円卓の騎士 The Boy's Arthur King 」(1922 ) シドニー・ラニア 原作。少年向けといっても、挿絵は本格的。
「写真 」(1920)32歳、この撮影時息子のA.ワイエスは3歳。

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次回はアンドリュー・ワイエスの水彩画。

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dragonfly

ボストン美術館でジェイミー・ワイエス展を見て来ました。
いろいろ調べているうちにこちらに辿り着いたところです。とても参考になりました。ありがとうございます。
きっとまたお邪魔いたしますね。ではでは。

by dragonfly (2014-10-12 19:03) 

wakizaka

こんにちは。コメントありがとうございました。うっかりしていて返事が遅くなり失礼しました。
アマチュアの独りよがりの文、お目にとまり恐縮しております。調べるにつれて、ワイエスファミリーツリーの大きさにびっくりしました。とんぼさんのブログ拝見しました。幅の広さ、実践に裏づけされた中身の濃さに脱帽です。また見せていただきますのでよろしくお願いします。
by wakizaka (2014-11-14 16:34) 

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