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トゥルーズ・ロートレックの水彩、グヮッシュ、パステル画など(1/2) [絵]

アンリ・マリー・レイモン・ド・トゥルーズ=ロートレック=モンファ(Henri Marie Raymond de Toulouse-Lautrec-Monfa、1864- 1901 36才)は、フランスの画家。後期印象派とされるが、独自の画風でどちらかといえば異端とされる。
画家については、日本でもファンが多くことさら説明は要るまい。エピソードもたくさん知られている。

終生に油彩737点、水彩画275点、素描5084点、石版画及びドライポイント337点、ポスター31点を制作したとされるが36歳の生涯だから多作と言えようし、何より創作のジャンルが多岐にわたるのにも驚く。

専門家は油彩画とリトグラフ、ポスターを中心に取り上げるのだろう。例えば、高津道昭「ロートレックの謎を解く」(新潮社1994)は、なぜ油彩画家がポスターを描いたかをテーマに画業にアプローチしている。

だが、アマチュアの当方は水彩とパステルに興味がある。
とはいえ、水彩、パステルを通して油彩をみることにもなるが、ロートレックの油彩画は著しく水彩、パステルのタッチに近いことにあらためて気づくことになった。

ロートレックの水彩は透明水彩もあるが、グヮッシュが多いように見える。不透明水彩の方が、重ねぬりもするのでどちらかといえば油彩のタッチに近い。かたや油彩をみると、これはグヮッシュではないかと思う絵が沢山ある。しかもカンバスでなく厚紙、カラーボードも多い。アマチュアには画像を見るだけでは区別がつかず、間違いかねない。
いずれも、デッサンのような、描きなぐりのような、未完のような、みなポスターにもつながる線描が強いのが特徴である。

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「Assembly of Hunters」(1878-9 水彩) 「ハンター達の組み立て」と訳すのか。画家が14、5歳の頃のもの。盛んに水彩を描いたのだろう。狩り、馬、犬は貴族だから分かるがなぜか軍人も多い。
「Hunting 狩り」( 1879-80 水彩)
「Cavalry Manoeuvre」( 1881 水彩 鉛筆)Cavalryは騎兵。
「The General at the River 河の将校」( 1881-2 水彩)
「To the author St.Lazare」( 1886 グヮッシュ 鉛筆 )
「Circus Scene (design for a fan) 」(1888 水彩 グヮッシュ) 扇は日本の影響か。画家の日本好みは相当なものだったという。
「Horsemen Riding in the Bois de Boulogneブローニュの森の騎手(乗馬)」( 1888 グヮッシュ)
「Workers for the Bus Company 」(1888 グヮッシュ)
「Monsieur Fourcade 」(1889 グヮッシュ パステル)ムッシューFourcade。

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「Woman standing behind a table from ,Elles」( 1889 パステル)
「Woman with an Umbrella 」(1889 水彩 グヮッシュ テンペラ)
「Seated Dancer in Pink Tights」( 1890 パステル1891)
「Au Moulin de la Galette 」(1891水彩 グヮッシュ)
「Eventail扇」 (1892 水彩 )
「At the Opera Ball オペラ 舞踏会で」 (1893 油彩 チャコール グヮッシュ)
「Aux Ambassadors,Gens Chics」( 1893 グヮッシュ) 補助大使
「Henri Gabriel Ibels」( 1893 グヮッシュ)
「Monsieur Boileau in a Cafe」( 1893 グヮッシュ)
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「The Cartwheel」 (1893 グヮッシュ )車輪というダンス?
「The Divan 」(1893 グヮッシュ パステル )ソファベッド。
「Women in Refectory食堂の女たち」( 1893 グヮッシュ)
「Yvette Guilbert」( 1893 水彩 )モンマルトルで一世を風靡した歌姫イヴェット・ギリベール。
歌姫が引き取りを拒否したといういわくつきのもの。
「Marcelle」( 1894 パステル)女優、歌手であろうと画家にかかると容赦なくデフォルメされる。
「The Actress Marcelle Lender」( 1895 リトグラフ 水彩 )女優 マーセル ランデール。
「The Procession of the Raja」( 1895 グヮッシュ 水彩 )ラジャの行進。ロートレックは、犬、馬など動物を好んで描いた。ルナール『博物誌』の挿絵はピエール・ボナール(1867-1947)が有名だが、ロートレックも鹿、兎、かたつむりやねずみなどリトグラフを描いている。
ルナール「博物誌」の挿絵
http://toshiro5.blog.so-net.ne.jp/2013-03-12

「Maxime de Thomas at the Opera Ball」( 1896 グヮッシュ)
「In the Bar :The Fat Proprietor and and the Anaemic Casher」( 1898 グヮッシュ )太ったオーナーと貧血のキャッシャー?
「The Motograph 」(1898 水彩 黒インクover photographic base) ロートレックはその頃世に出た写真に強い関心を寄せたことでも知られる。
ロートレックが生涯慕ったというドガも同じで、二人とも風景画家でなく人物中心に絵を描いたことと関係があるのだろう。動きを捉える道具として写真機に関心を示した。

次回はロートレックのパステル画が中心になる。


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