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コピペカッペ・ゴールドフィンガー [PC]


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PCを駆使している若い人には、いまさらと笑れそうだが、かねてからパソコンソフトの基本的な機能のひとつのコピー(カット)アンドペイストに感心してきた。
略して「コピペ」「カッペ」、カッペ略の方は余り使わないようだが。

自分は、理屈もよく分からず使っているPCの機能が沢山あるが、これもその一つである。
範囲を選びコピーしてクリップボードにいったん移動し、別のところに貼り付けるのだが、マウス、スタイラスペン、最近はタッチパネルで指でも操作できるようになって、何の不思議もなく活用されている。
周知のように、クリップボードは一時的にデータを保存できる共有のメモリ領域のことで、複数の異なるプログラムからアクセス可能だから、ひとつのアプリケーションだけでなく異なったアプリケーション間のデータの受け渡しにも、使用出来る機能をもった優れものである。コピペはこれを利用しているという。

コピペは、GUIシステム 、つまりグラフィカルユーザインタフェース と言うそうだが、タッチパネルのiPhoneやiPadではいまや指が主役である。操作性もマウスクリックに劣らず快適だ。

タップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、ピンチアウトつまり「なでる」「たたく」「はじく」「つまむ」でたいていのことが出来てしまう。まさにゴールドフィンガーだ。
しかし、老人には2本指まで、三本使えと言われるともうきつい。

指はもともと繊細で敏感なもの。職人や音楽家のゆび捌きを見れば歴然としている。

馴れれば、範囲指定も比較的容易である。コピーかカットかも聞いてきてくれるので老人には有難い。移動したい範囲を目で見て、指で選び、移動したい先の選定も指で触ればカーソルが示されて「ペースト」の文字が出てくるので間違える心配はない。感覚的、直感的に操作できるから、便利この上もない。文字だけでなく画像も同じなので、すこぶる結構な機能である。

文章の推敲などに使っているが、何と言ってもデータの移動、保存には威力を発揮する。例えば作ったドキュメントをエヴァーノートにコピペし、同期してPCに移して保存する時などである。この時「全選択」というのが出来るのが凄い。量、スピードとも呆れるばかりだ。
時々、範囲指定する時に間違ってペーストを押し、前にコピーしていたものが突然貼り付けられて仰天したりすることもないではないが、今まではご愛嬌のうちで済んでいる。

最近雑談していて、PCをあまり扱ったことのない80歳前後の人から、PCで何が便利かと聞かれたことがある。
色々あるけれど、アナログ人間にはインターネットの検索機能とこのコピペ機能ですねと答えた。その結果口頭で使い方を説明するはめになり、試みたが、二つともどうしても分かって貰えなかった。聞く側が悪いのでなく、説明側が言葉だけでは上手に説明出来なかったのである。

その時、PCのユーザーインターフェースというのは、PCをまったく知らない人にも説明も無しに使って貰えないと駄目だとつくづく思った。
携帯電話などはその典型だが、IC家電、IC自動車なども目指すところはそこであろう。見ただけで、直感で、感覚で操作がわかる。これが理想だ。特に老人に理屈を言ってもマニュアルを示しても無駄である。
その点iPadもそうだが分厚いユーザーズガイドが付いていないのは正解である。

それにしてもiPadは、マウスを捨て、よくも指に着目したものだと感心せざるを得ない。指先の器用な日本人やヴェトナム人は、何故これに気づかなかったのか考えてみる必要がありそうだ。
買った時から、iPadもPC不要ならもっと良いのだがと思っていたが、どうやらそれも考えているようだ。結構なことである。素人考えでもiCloudを活用すれば、いくつかの問題も解決できそうに思う。頑張れアップル。PCが売れないと困るなどと言ってはいけない。

iPadになぜ人は惹きつけられるのか、人間の指は脳と密接な関係がある。指と言わず人間の身体は脳が命令して動くのだから、PCが脳と同じ機能・システムを持つとすれば、マシーンインターフェースを考える時、脳と身体の関係を研究するのは初歩的なことなのであろう。

どうもiPadはそれを十分承知して、先をみて開発しているのではないかと素人でも思う。

自分がiPadを愛好する理由は、液晶が綺麗、画面が大きい、字が大きく出来る、など沢山あるが、操作が簡単ということもあるから、きっと人間工学研究が製品開発のベースにあるに違いない。

日本のメーカーも日本人得意の分野である。もっと頑張れと言いたい。

人間が老人になり、脳梗塞など脳が機能を低下すれば、身体、なかでも指などはうまく使えなくなる。脳が弱り、指が思うように使えなくても、音声、呼吸、まばたきなどで意思表示や文章活動が出来ることまで研究してくれると有難いのだが。この領域はもう医療の領域だが、別のところでもう研究されているだろう。
前から思っているのだが、オールドマン・マシーンインターフェースの進歩は、娯楽や生活の便宜だけでなく、老人医療分野でも役大いに役立ちそうな気がする。

今は幸いiPadくらいは操作できるので、文字通り手遊び、指遊びでコピペ・カッペを愉しんでいるが、老人はいつ指が使えなくなるかも分からない。
白洲正子風に言えば、「老人は危うきに遊んでいる」のだなとしみじみと思う。

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