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パブロ・ピカソの水彩画 [絵]

パブロ・ピカソ(Pablo Picasso, 1881年 - 1973年 92歳で没)は、スペインのマラガに生まれ、フランスで制作活動をした画家、素描家、彫刻家。などと説明するまでもない20世紀を代表する巨匠。水彩画を描いたのだろうかというのが、我が興味の中心である。
ジョルジュ・ブラック(1882年-1963年 81歳で没)とともに、キュビスムの創始者として知られる。ブラックの水彩画は画集にみつけられなかった。
ピカソは92歳で没するまでおよそ1万3500点の油絵と素描、10万点の版画、3万4000点の挿絵、300点の彫刻と陶器を制作し、最も多作な美術家であるとギネスブックに記載されているそうだが、水彩画はあるけれども少ない。我々が画集で見ることができるのは、グワッシュ、テンペラ、パステルなどミックスメディアを含めてもせいぜい4、50点か。
青の時代(1901-1904)の後の「Rose period ばら色の時代」(1904-1907)に描かれたものが多いように思う。
晩年には水彩は描かなかったのか、画集に見当たらない。
ピカソの水彩画はさすがに良い絵がある。何とも言えず好ましい絵が何枚かあるが、なかでも「Two Friends 二人の友達」の背景は水彩画らしくて素晴らしいなと思う。これを模写してみたが、バックの滲みが難しい。とくに黄色系が上手くいかない。(F4ウオーターフォード細目)

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「Dinner time 」(1903 watercolor)
「Two Friends 」(1904 watercolor,pencil. )
「The Catalan sculptor 」(1904 Ink and watercolor on paper )「カタロニアの彫刻家」
「Woman with a Crow 」(1904 Charcoal 、pastel and water-color on paper)
「女と烏」。パステルは、シャツのオレンジ色だろうか、袖口が印象的。
「Family of Jugglers 」(1905 watercolor )「曲芸師の一家」
「Harlequin's family 」(1905 watercolor )「道化師の家族」
サーカスの絵は油彩が有名だが、水彩もあったのだ。
「Two roosters 」(1905 watercolor)「二羽のおんどり」。ピカソの魅力は沢山あるが、子供の絵を目指したというだけに分かりやすいということがある。いくらデフォルメしても不思議と難解さはないように思う。
後年の一筆書きのような鳩、駝鳥、フクロウなど非常に魅力的で好きだが、この絵もそれらの源流かと思わせるような軽やかなタッチのデッサン。

こちらの模写は「Catalan Woman 」(1911 watercolor )「 カタロニアの女性」に挑戦してみたが、シンプルなのに色の扱いも人物の線に劣らず難儀。(F4ウォーターフォード細目)
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「Sketch for Demoiselles d'Avignon 」(1907 watercolor on paper )Demoisellesは娘たち。
「Young lady's of Avignon 」(1907 Oil on canvas )有名な「アビニヨンの娘たち」。例によって油彩と水彩と並べて見た。
油彩の方は当初「割れたガラスの捨て場に似ている」とある批評家が酷評したそうだ。水彩はその下絵。本制作品とはおよそかけ離れて見えるが、これでイメージを膨らませたのだろうか。

「Man with Arms crossed 」(1909 Watercolor、Gouache and Charcoal on paper)
男は眼を瞑っているのか。見開いているのか。
「Catalan Woman 」(1911 watercolor )「 カタロニアの女性」
百もあるとされる有名な「泣く女」は別だが、ピカソの挿絵風のモノトーンの女性像はみなふくよかで愛らしい。この絵の女性はおしりが特別可愛い。
「Sleeping Peasants 」(1919 Tempera、 water-color and pencil)農夫の逞しく太い腕、農婦の太い足、ピカソそのものだ。

「Faun 、horse and bird 」(1936 Indian ink and watercolor )ファウヌスは古代ローマの農耕神。鳥はピカソが好きな鳩か。馬に踏みつけられている。絵全体の基調は薄いブルー。
「ファウヌス」の馬は翌年描かれたモノクロームの大作「ゲルニカ」(1937年)を想起させる。「ゲルニカ」の中央に描かれた苦しんでいる馬だ。これは牛とともにスペインを表していると言われる。その瀕死の馬の口からは、もがきながらも小鳥が飛び立っている。この小鳥は鳩に見えない。着色されていないゲルニカは、涙を流していない女性とともに、より悲劇を強く感じさせると評価が高い傑作。

巨匠の生涯の作品にはどれを見ても圧倒されるばかりで、手のほどこしようもないという感じ。少ないとはいえ、水彩画の鑑賞も同じだ。ただ見とれるだけ。まぁ、アマチュアにはそれで良いのだとも思う。
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