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桜の絵 [絵]

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花を水彩で描くのは難しい。水彩は花にかぎらず、何を描いても難しいが、中でも花は難しいような気がする。猫や子供の可愛らしさなども手ごわいけれど、美しい花を紙の上に生き生きと咲かすのは至難である。
画家はだしだった水彩の名手ヘルマン・ヘッセですら、その著「色彩の魔術」でこう言っている。
「モクレンを写生しようと志す不遜な企てに比べたら、一編のドン・キホーテや、一編のハムレットを書くことは一つの小事、一つの児戯ではなかったろうか?」
(絵をかくよろこび 絵をかく苦労 Malfreude,Malsorgen)

関連記事 ヘルマン・ヘッセの水彩画その2
http://toshiro5.blog.so-net.ne.jp/2013-02-09

カルチャー教室では、大雑把なと笑われること間違いないが、花はどうも女性の方が上手に描き男性は苦手のようにも見える。女性は優しいから花の気持が解るからだろうか、本当の理由は判らない。

先日待ちかねたソメイヨシノが咲いたので、近所の都立善福寺川緑地公園へ自転車に乗って、花見に出かけた。この公園は善福寺川の中流にあって、都立和田堀公園と接し全長4.2kmにわたって広く、緑が多くて閑静な桜の名所でもある。
善福寺川は善福寺池を源として、延長10.5km、中野で神田川に合流、やがて隅田川となり東京湾に流れ込む。
この時に撮った写真を見て桜の絵の練習をした。毎年描くが上手く描けたためしがない。
つい、オペラピンクを使うので桃や木瓜(ボケ)の花のようになり、霞か雲かなどの風情はかけらもない。

シャドウから塗れ、桜の枝はさいごにリガーで。
薄い桜色はやや黄色みがかったピンクだ。
枝にかかるさくらの花は塗り残せ。透明水彩では、塗り残しがうまくなれば絵もよくなる。
桜の花を通過して光が入ってくるので、実際より薄い色で塗れ。
さくらの花の部分にもごく薄いグレーを重ねて、少し強弱をつけよ。薄いグレーはウルトラマリン、バーントシェンナ、パーマネントローズの混色。
空が見えると、淡い桜の色がさらに引き立つので、枝の間から見える空に水色を塗り重ねよ。
ブロッサムは、撒き塩「Salt watercolor texture effects Watercolor Technique」(ソルトテクニック)もいいぞ。
ーなどと、ネット教本ではいろいろ親切に教えてくれるが、技巧がついて行かないのが無念である。

今年は初めてマスキングを使って見たが、やはりうまくいかなかった。桜にとらわれて、人物その他もおろそかになってめちゃくちゃになる。
紙をウォーターフォードの細目にしたのもいけなかったか、細目は精密画用と先生がおっしゃていた。紙のせいなどにして終わるのが、いつものことで情けない。

古来多くの人が桜の名画を残しているが日本画、油彩が多い。水彩の桜の傑作はあまり知らない。水彩の桜は大家にしても難しいのだ。ましてアマチュアには手にあまる。とはごまめの歯ぎしり。精進あるのみ。
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