パブロ・ピカソのパステル画

パブロ・ピカソ（Pablo Picasso, 1881 - 1973 ）ピカソは、92歳の生涯でおよそ1万3500点の油絵と素描、10万点の版画、3万4000点の挿絵、300点の彫刻と陶器を制作した多作家である。
しかし、われわれが画集などで観れるパステル画は 、30点ほどだから、ごく少ない。水彩も4、50点で同じだが、ともに味のある作品が多い。

参考記事 パブロ・ピカソの水彩画
http://toshiro5.blog.so-net.ne.jp/2013-07-27

ピカソのパステル画の特徴は素描でなく、仕上がりが油彩に似ていることか。ほとんどは紙だが、実際にカンバスで油彩とのミックスまである。


「Portrait of Sebastian Junyer-Vidal 」
「Woman with Cat 猫と女」（1900 ）ピカソ19歳の作品。「明日描く絵が一番すばらしい」 と言いつつ、生涯子供の描く絵を追い求めたというピカソだが、初期のこの絵はまことに好ましい絵だと思う。
この模写にチャレンジした。蟷螂の斧と知りながら、乱暴というもの。独特の色合いはもちろんだが、走る黒い線も難儀。左上の鏡のような絵のようなものは何だ。とやけっぱちにもなろうというもの。F4 パステル用紙。

「A red skirt 赤いスカート」 （1901 ）青の時代の赤い絵。
「The Fortune 運命」（1901 ）チャコールとパステル 。
「Angel Fernandez de Soto and his Friend」 （1903 ）
「Young acrobat and clown 若い曲芸師とピエロ」 （1905 ） ばらの時代 。チャコールとパステル。
「Nude with raised arms」 （1907 ） アフリカ時代 。チョークとパステル。
「Bathers 水浴する人たち」（1920）
「The room of the Ironer」（ 1904 ）青の時代 。パステルと水彩。


「Two nude women 二人の裸女」（1920 ）
「Head of women 女の頭」（1921）
「Reading 読書」（1921）
「Three women at a fountain (study) 泉の三人の女性 」（1921 ）スケッチ・スタディ。

「Wounded bird 負傷した鳥 」（1921）
「A rooster 雄鶏」（1938）
「Portrait of Maya マヤの肖像」（1938 ）カンバスのうえにパステルのみで描かれている。カンバスの布目がパステルの点描画になっているところがすごい。
「Untitled 」（1938 ）油彩とパステルのミックスで カンバスに描かれたもの。どこがパステルでどこがオイルなのか。
「Seated Nude drying her feet 座って足を乾かすヌード」（1921）

余談ながら、絵と関係ない話。
ピカソの正式名は、長い例としてよく引き合いに出される。
「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・ピカソ」という。

同じ「パブロ」のチェロ演奏家、指揮者、作曲家パブロ・カザルス（Pablo Casals 1876- 1973 96歳で没）は、ピカソの5才上、フランス国境に近いカタローニャ生まれ、ピカソはジブラルタルに近いスペイン南西部マラガ生まれだから出身地は離れている。二人は同時代を生きた。くしくも没年が一緒であるが、故郷への愛、平和への希求、独裁政権への抵抗を美術、音楽の芸術をもって貫いたところは共通している。二人の間に交流は無かったのだろうか。

カザルスの民謡「鳥の歌」は、1971年（94歳のとき）の国連本部でのチェロ演奏と「生まれ故郷のカタローニャの鳥はピース、ピースと鳴く」という語りで有名である。
ユーチューブでこれを一度聞いて以来、時々アイポッドでこのチェロ演奏を聴く。

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