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模写その2 ココシュカの水彩ほか [絵]

水彩やパステルのお稽古になっているという実感はないが、「模写もどき」を続けている。「もどき」というのは、前にも書いたが、実物の絵を見て描くのではなく、写真画像を見て描くからである。
そういえば、カルチャー教室でも、静物画の背景に壁に貼った名画展のポスターの絵を描いたことが何度かあったことを思い出した。いわば画中画。フェルメール展の「真珠の耳飾り」やマチス展の「The Romanian Blouse 1940」など。いずれも油彩画の画像写真だから、ちょっと感じは違うけれど、似たようなものであれも模写擬きだった。あまり上手く描けたという記憶はない。


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オスカー・ココシュカ(Oskar Kokoschka, 1886- 1980 )は、20世紀のオーストリアの画家。エゴン・シーレ(Egon Schiele、1890- 1918 )と同じくクリムト(Gustav Klimt, 1862 - 1918 56歳 )に見出された。
代表作は、「Bride of the Wind 風の花嫁 」(1914 油彩)。愛人をモデルにした激しい絵だ。彼女は「復活」などの作曲家グスタフ・マーラーの夫人、アルマ・マーラー。

60歳頃を過ぎてから晩年まで、油彩とはおよそ対照的におだやかな花の絵を、水彩でたくさん描いている。みな生き生きとしてみずみずしい。前回初めて模写した「メイソン瓶の百日草」(Date Unknown)を載せた。
「ディルフィニウム 飛燕草」は、88歳、「りんごの花の枝」は90歳のときのものだからおそれいる。
真似して描いてはみたものの、とてもじゃないが筆の運びと色合いが難しい。りんごの花の枝などは筆数が多くなってしまい、似て非なるものになった。バックがあまり着彩していないのは、アマチュア(自分のことである)にはおおいに助かるが。


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前回はシャガールのパステル「Song of Songs Ⅳソロモンの雅歌」を載せたが、今回は水彩 「ヤコブの天使との格闘」 (1963)。紙がアルシュ(F2)のせいか、描きやすいが色も線も難しいのに変わりなし。

宮本三郎のパステル画は、「女優像」(1960)、「阿修羅」(1958)とも元の絵と似ていない。前者は画家独特のブラウン、後者は朱色が出ていないし、タッチも違う。宮本三郎のパステル画は、ソフトパステルなのかも知れない。あるいは両方使っているのか。

ピカソの「猫と女」(1900)は、巨匠19歳(!)の時のパステル画。後にもそれほど多くはないもののパステル画を描いているが、それらとおおいに異なりアマチュアにも分かる好ましい絵だ。

手元資料に元の絵と並べたものを作成しているが、いずれも著作権が消えていないものばかりなので、掲載していない。差異が分からないのは、結構なことである。自分がわかっていればそれで良い。
とにかく我が力量では「模写もどき」ですら難しいことだけは良く分かったが、もう少し続けて見ようと考えている。

ここからは、例のごとく脱線。

模写をしながら考えたことがある。同じ芸術でも音楽の場合は、演奏家は譜面を見て作曲者の意図を再現すべく演奏するが、それを再生reproduceとは言わない。絵画では模写と訳す。さらに偽物fake あるいは贋作 picture of forgery となりかねないしろもの。音楽芸術と絵画芸術の本質的な差異は奈辺にあるのか。それぞれにおける創作とは何か。
不学にして、頭の中で整理が出来ていない。

もう一つ。こちらは次元が低くなるが、カルチャーの水彩講座で写真が配られ、それをもとに花や風景を描かされるというのがある。写真のとおりに描くのではなく、自分なりに解釈してーと教えられるが、人の撮影した写真ではモチベーションが弱いのは否めぬ。絵画的感動が沸かない。
水彩技法の勉強だし、先生のデモンストレーションが見られるにしても、結構な授業料だから何か損したような気にもなる。
これなら自宅で勉強するのと変わりが無いではないか、と。やはり、静物でも人物でも教室では実物を見て描きたいものである。
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