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柑橘類の話(4 ) みかん類あれこれ思い出した [自然]


送って頂いたものではないが、このほか柑橘類といえば幾つかの思い出がある。ついでなのでそれぞれネットで検索してみた。

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ヒュウガナツ
柚子が突然変異したものと考えられており、 6月頃に成熟する果実は温州ミカンよりやや大きく、 表皮は黄色(薄い黄みどり)で厚さがあり、果肉は酸味があり甘さが控えめで独特の風味が強い。 どちらかというと、グレープフルーツやレモンの味に近い。 表皮は温州みかんと比べるとでこぼこが少なく、つるつるとしている。
なお他の柑橘類とは違い、果実の表皮における白い部分(内果皮、アルベド)もそのまま食べられるので、 皮の黄色い表面(外果皮)だけを薄く剥いで食べる。この白い部分はふかふかとした食感であり、苦みや渋みはない。高級料亭のデザートで出てくるほど上品なたたずまい。日向つまり宮崎で食べた。「冷やし汁」と共に忘れられぬ味わい。

グレープフルーツ
は、1750年代に西インド諸島のバルバドスで発見されたものが最初とされ、ブンタン(英名:pummelo、学名:Citrus grandis)とオレンジ(学名:Citrus sinensis)が自然に交配したものでブンタンの特徴を多く受け継いでいる。ぶどうのように鈴なりに実をつけることからついた名前であることはよく知られているが、なっているのを写真を含めて、見たことはない。ニューヨークで暮らしたことのある家人の友達が、ニューヨークから送ってきたとお福分けを下さった。その大きくて立派なこと、さすがアメリカと思ったことを覚えている。家人の良き親友は、残念ながら思い出の人になってしまった。

ブッシュカン
仏手柑は、「カボス」「ユズ」などと同じ香酸柑橘類の一種である。シトロンの変種。ブシュカンとも言う。生け花などでよく使われるが、水彩の画材で出て来て往生したことがある。
奇怪な形をしていて絵にならない。

マーコット
正確な起源は不明とされているが、アメリカで育成されたみかん類とオレンジ類の交雑種であるタンゴールの一種と言われている。名前は苗木商のマーコット・スミスに由来する。大きさは温州みかんぐらいで、果皮は赤みの強い黄橙色で薄いがやや固く少し剥きにくい。表面はなめらか。種がやや多いが果汁は多く、甘味が強く濃厚で食味の良い品種である。

アンコール
「キングマンダリン」と「地中海マンダリン」の交雑種で1954年(昭和29年)にカリフォルニアで生まれた。日本に導入したのは1969年(昭和44年)頃。果実は100~150gと小ぶりで、濃いオレンジ色の果肉は糖度が13~15度と高くコクがある。種がやや多めだが、果皮はむきやすく袋ごと食べられる。出荷は2~4月頃。ちなみに「アンコール」という名前は「一度食べるともう一度食べたくなるから」ということから付いたというが真偽のほどは知らない。主産地は愛媛県や大分県である。
昭和57年頃大分県で働いていた時、県南の津久見あたりでマーコットとともに一村一品の花形のひとつだったので食べる機会がしばしばあった。

ユズ
柚子は、香酸柑橘類の1つ。ホンユズとも呼ばれる。消費・生産ともに日本が最大である。
果実が小形で早熟性のハナユ(ハナユズ、一才ユズ)とは別種である。日本では両方をユズと言い、混同している場合が多い。
先日テレビの「キッチンが走る」に登場していた獅子柚(ししゆず)は 、大柚や鬼柚などとも呼ばれ大型の柚子と間違えられがちだが、分類上はザボンや文旦の仲間で別種である。大きいだけでなく異形。観賞用であろう。


カボス
臭橙、香母酢も、香酸柑橘類のひとつである。大分勤務経験があるのでこれには思い出もあり、思い入れも強い。大手町花の市で買った苗木を庭に植えたら大きく育った。このブログでも再三にわたり書いているので今回はパスする。

スダチ
酢橘、は徳島県原産の果物で、カボスやユコウと同じ香酸柑橘類。名称の由来は食酢として使っていたことにちなんで、「酢の橘」から酢橘(すたちばな)と名付けていたが、現代の一般的な呼称はスダチである。
カボス好きはこれに少なからず対抗意識があるが、世間ではすだちの方が上品とされ、知名度も高いのは確か。スーパーでもこちらが高価だ。高知のさわち料理でも添えられる。

キンカン(金柑)は、ミカン科キンカン属。別名キンキツ(金橘)ともいう。
果実は果皮ごとあるいは果皮だけ生食する。皮の中果皮、つまり柑橘類の皮の白い綿状の部分に相当する部分に苦味と共に甘味がある。果肉は酸味が強い。果皮のついたまま甘く煮て、砂糖漬け、蜂蜜漬け、甘露煮にする。甘く煮てから、砂糖に漬け、ドライフルーツにすることも。
蛇足ながら、蚊に刺された時に愛用しているキンカン。昭和30年代のCMは、果実の「キンカン」とは、関係ない。「金冠堂」のコマーシャル。

オリジナルは藤原洸作詞、服部 正作曲「キンカンのうた」
カンカン キンカン キンカンコン
カンカンかじやのおじいさん
かたこり いたみには 
キンカン塗って また塗って
げんきに陽きに キンコンカン
(最後にリフレイン)
ミカン キンカン サケノカン ヨメゴモタセニャハタラカン
1〜5番まである。

カラタチ(枳殻、枸橘)はミカン科カラタチ属。原産地は長江上流域。日本には8世紀頃には伝わっていたとされる。カラタチの名は唐橘(からたちばな)が詰まったもの。
鋭い棘 互生 生垣 利尿、去痰 生薬 薬用 ミカン、柚子などの台木
オレンジとカラタチの細胞融合による雑種に「オレタチ」がある。どんなものか見たことはない。

北原白秋作詞 山田耕作作曲「からたちは1925年。誰もが子供の頃歌った。
♪ からたちの花が咲いたよ。
白い白い花が咲いたよ。
ちなみに、ご存知島倉千代子の「からたち日記」は1958年。昭和33年。

ハッサク(八朔、学名:Citrus hassaku)は日本原産のミカン。江戸時代末期、尾道市因島で発見された雑柑。旧暦八朔(8月1日)ころ食べられるとして名がつけられたという。独特の苦味とさっぱり感 が特徴だが、人気の柑橘類のひとつ。生産量は和歌山県がダントツ68%。

さて、こうしてみると柑橘類の品種の多いことにあらためて驚く。長きにわたって先人達が実生、接ぎ木を問わず自然交配、人工交配などによって新しい品種を創り出して来たことが実感として理解できた。
柑橘類にかぎらず、りんご、梨などほかの果実も同じように進化をとげてきたのであろうが、品種改良は年単位の仕事である。流れた長い時間をしみじみと尊いものと思う。

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