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アカンサス [自然]


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近所の友達が自宅で転倒して怪我をした、と見舞いに行ってきた家人が戴いてしまったと、アカンサスの花を抱いて帰ってきた。まじまじと近くで見るのははじめてであるが、何となく魅力がある花である。

アカンサス(Acanthus、ハアザミ、葉薊)は広義にはキツネノマゴ科ハアザミ属(アカンサス属 Acanthus) の植物を総称していうが、普通は特に観賞用に栽培されるA. mollisを指す。その名前にはギリシア語で「トゲ」と言う意味があるとネットで知る。
葉は古代ギリシア以来、建築物や内装などの装飾のモチーフとされた。これは何かで聞いたことがある。ギリシア、シルクロード、中国そして日本へ伝わった葡萄からくさ紋様などと一緒に、頭の隅っこ奥にあった。

特にギリシア建築のオーダー(円柱と梁のかたち)の一種、コリント式オーダーはこのアカンサスの葉を意匠化した柱頭を特色としているという。ちなみにアカンサスは、ギリシアの国花である。
アカンサスをモチーフとした柄は絨毯にもしばしば用いられ、ビザンチンリーフとして知られる。
大型の常緑多年草で、地中海沿岸(北西アフリカ、ポルトガルからクロアチア)の原産。葉には深い切れ込みがあり、光沢があり、根元から叢生して長さ1m、幅20cmほどになる。日本の多くの花と異なり、葉も花もとにかく大ぶりである。
晩春から初夏に高さ2mほどの花茎を出し、緑またはやや紫がかったとがった苞葉とともに花をつける。花弁は筒状で、頂いた花の色は白だが、ほかに赤もあるという。乾燥にも日陰にもまた、寒気にも強い植物らしい。

かつてアーティチョークに惹かれて、これもネットなどで調べたことがある。大ぶりなのはアカンサスと共通している。

アーティチョークと野あざみ
http://toshiro5.blog.so-net.ne.jp/2012-07-04

アーティチョークはキク科チョウセンアザミ属。日本の野アザミに似た宿根草だが大型なのが対照的。和名はチョウセンアザミ(朝鮮薊)。アカンサスはキク科でなくキツネノマゴ科でハアザミ属。

なお、野あざみ(薊)は、キク科アザミ属 (Cirsium) だからアーティチョークと同じキク科ながら属が異なる。こちらは小さくていかにも可憐。アカンサス、アーティチョーク、野あざみは、それぞれどう違うのか詳らかでないが、近縁種なのであろう。それにしてはアカンサスだけは、薊のような王冠に似た花でないのが不思議。


暫くしてアカンサスの絵を描きたいものだと、家人に頼み庭に入れていただき写真を撮らせて貰った。なるほど強い植物のようで株も大きい。
ガッシュや透明水彩などで何枚か描いてみたが、なかなか手強い。もともと花も苦手だが、アカンサスはとくにダイナミックな葉が難しい。
透明水彩よりガッシュ、さらに油彩の方が合うのかもしれない。

家人の友人はその後だいぶ良くなったと聞いた。まずはめでたい。
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