SSブログ

オオミズアオ [自然]

 散歩中に老人ホームの裏で、藪蘭にとまり翅を休めている蛾を見つけた。大きいので目立つが、名前は知らない。写真を撮り検索すると、ずばり出てきた。
0C6D898D-80B5-4FA9-97BE-BC2A3AE04D8B.jpeg

 オオミズアオ(大水青、学名 Actias alienaは、チョウ目ヤママユガ科に分類されるガの一種。北海道から九州にかけて、国外では朝鮮半島、中国、ロシア南東部に分布し、平地から高原まで生息域は広い。種名にギリシア神話のアルテミスが使われている。古い一名としてユウガオビョウタンと呼ばれていた。
近縁種にオナガミズアオがいるが、翅や紋様からするとこちらはオオミズアオのようだ。

 なお、ガ(蛾)とは節足動物門、昆虫鋼、チョウ目は(鱗翅目、ガ目とも)に分類される昆虫のうちのうち、チョウ、(具体的にはアゲハチョウ上科、セセリチョウ上科、シャクガモドキ上科を除いた分類群の総称だという。
 日本にはチョウ目の昆虫が3,500種類知られているが、「チョウ」と呼ばれるものは250種類にすぎず、他はすべて「ガ」である。世界全体で見ると、ガの種類数はチョウの20 - 30倍ともいわれている。チョウとガに明確な区別はないらしい。翅を立てて止まるのがチョウとおしえられたが、蛾にもそうするのがいるという。

 系統分類学的にはチョウは蛾の一部というし、外国の言葉では二つを区別していないところもあるらしい。
 我が日本人はしっかり区別し、どちらかといえばチョウの方を好む人が多いのではないか。

 歳時記では蛾は夏。天蛾(すずめが)、山繭、夕顔別当、白髪太郎、天蚕(やままゆ)などとも。

    例句 蛾のまなこ赤光なれば海を恋う 金子兜太

 チョウは春。蝶々、胡蝶、初蝶、紋白蝶などとも。ただしアゲハチョウのような大型種は夏。秋の蝶、冬の蝶、凍蝶(いてちょう)も季語である。

    例句 うつつなきつまみごころの胡蝶かな 蕪村

 蛾というと、自分などは中国の名山峨眉山を思い起こす。虫偏でなく、高い山の意の山偏の峨眉。二つの美しい山頂を眉と見立てた。  

 李白の詩では、峨眉山は山偏でなく女偏になっている。虫偏の蛾眉は蛾の触角のように細く弧を描いた美しいまゆ。転じて、美人。

娥眉山月半輪秋 娥眉山月,半 輪の秋
影入平竜江水流 影は平芳江水に入 りて流る
夜発清渓向三峡 夜,清 渓を発して,三 峡に向う
思君不見下渝州  君を思えども見えず,渝 州に下る。

  藪蘭にオオミズアオの大褒章  杜 詩郎  

 ミズアオというが、どちらかと言えば黄色に近いからさしずめ黄綬褒章といったところか。
 黄綬褒章(おうじゅほうしょう)は「業務ニ精励シ衆民ノ模範タルベキ者」に授与される。「農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する方」に授与されるという。
 それとも紫色の綺麗な藪蘭だから「学術芸術上ノ発明改良創作ニ関シ事績著明ナル者」に授与される紫綬褒章(しじゅほうしょう)がふさわしいか。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。