アルミ空缶製の吊風ぐるま [雑感]
先日、よく散歩する遊歩道で、アルミ空き缶風車が柿の木の枝に三つ吊るされているのを見つけた。
前にもこの遊歩道の傍らにはペットボトルを利用したプロペラ型の風ぐるまや、プラスチックのシートを切って真ん中をとめたオーソドックスな形の風ぐるまを見たことあるが、これらは皆棒仕立てある。
棒仕立てのものは、震動音や羽根音でもって鳥よけやもぐら退治になるそうだが効果のほどは疑わしい。
これが発展したものは風力発電や汲み上げポンプのオランダ風車に代表されるように、実用化されるタイプである。
吊り下げられているのは、初めて見たので何か新鮮な感じがした。
吊り型のアルミ空き缶風ぐるまは、実用というより釣り忍や風鈴のようにもっぱら見て楽しむものであろう。
一般的なプロペラ型は横軸に回るが、吊り型は独楽のように、あるいはTVか何かで見たチベット仏教のマニ車のように縦軸に回転する。
空き缶風車はネットで調べると、作り方を紹介したサイトや動画がわんさと出てくる。ビールやジュースの空き缶を再利用して、手作りで楽しむ人が多いらしい。
その一例。
https://ja-kouka.shinobi.or.jp/food/challenge/detail.php?id=237
さてこれを見てから冷や汗駄句、駄句に挑戦している。
寒明けや空き缶作りの風ぐるま(初案)
誰ぞ吊る空き缶風車遊歩道
何祈るジュース空き缶吊り風車
遊歩道麦酒(ビール)空缶吊風車
初案は、空き缶風車を最初に見たのが昨年暮れだったが、寒明けと缶空けの音韻連想から始まった。いつものだじゃれ俳句。
「寒明け」は新暦二月四日ごろ。春の季語。「風ぐるま」も春、季重なり。
上、下五は春一番、春本番、春嵐などもありか。
その後、誰が吊ったのか、回るさまは祈っているようにも見えるなぁなどと迷走。
最後はいつもの説明調体言止めの漢語俳句。「ビール」は夏の季語。「風車」は春だから季違い。ビール空き缶だから良しとするか、それとも「軽銀(アルミ)空き缶」とでもするか。
いずれも、空き缶風車を知らない人にはいくら説明しても、何のことやら読む人に句意は伝わるまい。フォト俳句(それも動画の)なら別だが。
既に3か月余の苦吟、舌頭千転(大袈裟な)だが、師無くて、格も調べもなく、はてどうしたものやら。
歳時記では「風車、風車売り」は春の季語として以下のように説明している。もちろんアルミ缶再利用の風車の記述はない。昔は子供に与えるおもちゃとしての風ぐるまを、風鈴売りのように売っていたのだろうか。
「美しい色のセルロイド・ビニール・紙などを花のような形に組み合わせ柄の先に取りつけた玩具。風を受けて回るさまが美しい。かつては春先になると風車売が売り歩いたりした。」
街角の風を売るなり風車 三好達治
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