マムシグサ(蝮草)など [自然]
「この花何?」は原則として自分で撮った写真を使用して検索しているが、今回はFB友達がアップした庭のマムシグサの写真を使った。初めて見る花の写真だったのである。
似た画像が幾つも出てきた。素人が特定するのが難しいことがよく分かる。AIといえ判じ難いものも多い。お遊びだから良いが、大事な時は危険だという気もする。間違って覚えても、周りに迷惑がかからない趣味の程度にとどめておくのが良さそう。自分の場合はそちらの方だから問題なし。
大事な時は花屋さん、植物園、園芸高校、農業試験場に確認した方が良いだろう。
今回もあたりは付けられるが、自信はない。しかし特定できなくても、お陰でサトイモ科テンナンショウ属などに纏わる興味深い多くのことを知ることになった。十分楽しんだ。有難いことである。
マムシグサ(蝮草、学名:Arisaema serratum)は、サトイモ科テンナンショウ属の多年草である。有毒植物。
マムシグサ は偽茎の紫の斑模様がマムシの胴体の模様に似るのでこうよばれる。仏炎苞(ブツエンホウ)は緑のものや紫のものがあり、葉よりも上に出る。棒状の付属体を持つ。
雌雄異株である。晩春に、花茎を直立させて開花する。苞(仏炎苞)は紫色に近く、白線がある。なかには苞が緑色のものもあり、アオマムシグサまたはカントウマムシグサと呼ばれる。花のつき方(花序)は肉穂花序の代表例で、苞の中にまっすぐ立つ。花期は4月から6月である。
果実は秋に橙色から赤色に熟し、トウモロコシに似た形状の果実を付ける。
全草にシュウ酸カルシュウムの針状結晶、サポニン、コニインが含まれる。特に球根の毒性が強く、その汁に触れると炎症を起こす。誤って食べると口中からのどまでに激痛がはしり、唾を飲み下すことすらできないほどとなる。また、激しい下痢や嘔吐、心臓麻痺といった症状が現れ、重篤な場合には死亡する。
属名のテンナンショウは「天南星」の意で、この類の球茎の漢方生薬名である。天南星の別名はヘビノダイハチ、ヤマゴンニャク(山蒟蒻)という。いずれも俳句の春の季語というが、角川歳時記では出てこなかった。はて?。
毒持ちて生薬となる蝮草 (小毒は良薬をもたらすらしい。)
毒もあり蝮模様の蝮草
毒蝮毒蝮草恐ろしや
ウラシマソウ(浦島草)サトイモ科/テンナンショウ属の多年草。
ウラシマソウ(Arisaema thunbergii subsp. urashima -)は北海道南部、本州、四国、九州北部に分布する。仏炎苞(ブツエンホウ)は褐色の舌状の舷部を持ち、葉の下につく。付属体の先が長く糸状に伸びて垂れ下がるため、浦島太郎の釣り竿の連想からこの名を持つ。
浦島草針も付けずに何を釣る
(太公望も釣り糸に針はついていなかったような気がする。)
八十路入る浦島草が気になって
傘寿過ぎ浦島草が気にかかり
ユキモチソウ(雪餅草、学名: Arisaema sikokianum)はサトイモ科テンナンショウ属の多年草。花の中央に雪のように白い餅に見える付属体があることから雪餅草と呼ばれる。付属体は何だろう。虫には餅に見えるのか。根有毒。
誰がための雪の餅肌雪餅草
ムサシアブミ(武蔵鐙、学名 Arisaema ringens)はサトイモ科テンナンショウ属の多年草。別称「由跋(ユハツ)」、古くは「加岐都波奈(かきつばな)」とも呼ばれていた。別称の由来は分からず。
鐙(あぶみ)とは馬に乗るときに足を掛ける金具のことで、鞍の両脇に垂れている。その鐙に花の形が似ているため、この名前がつけられたらしい。江戸時代までは武蔵の国の鐙の品質が良かったため、ムサシアブミになった。
美丈夫や武藏鎧の武藏振り
武藏坊武藏鎧は足が出る
駿馬飛ぶ武藏鎧や義経忌 義經忌旧4/30
母衣武者の武藏鎧に踏ん張りて
https://www.hana300.com/musasi.html 武藏鎧
これら蝮草、浦島草、雪餅草、武藏鎧はサトイモ科のテンナンショウ属ばかりで実物を見る機会に乏しいが、サトイモ科には他に里芋(タロイモ)、コンニャク、ミズバショウ、ザゼンソウなど属は異なるがポピュラーなものがある。
サトイモ(サトイモ科サトイモ属)芋といえば季語では里芋のこと。花といえば桜の如しか。今では薩摩芋じゃがいももあるので、俳句の世界だけのこと。
里芋はタロイモよりもぬめりあり
芋の葉に二つ穴開けゆるキャラに
コンニャク(サトイモ科コンニャク属)蒟蒻玉、蒟蒻芋ほるなどが冬の季語 花は無い。
コンニャクや刺身と化して鮨食いねぇ
ミズバショウ(水芭蕉、学名: Lysichiton camtschatcensis Schott)は、サトイモ科ミズバショウ属の多年草。夏が来れば思い出す♫ 。尾瀬の群生が有名。夏の季語。
メタバース尾瀬遠けれどミズバショウ
ミズバショウコンニャク問答ザゼンソウ
ザゼンソウ(座禅草、坐禅草、学名: Symplocarpus renifolius)は、サトイモ科ザゼンソウ属の多年草。別名達磨草。
ザゼンソウは開花時期に発熱を行なう。発熱が起こり約25°cまで上昇する。そのため周囲の氷雪を溶かし、いち早く顔を出すことで、この時期には数の少ない昆虫を独占し、受粉の確率を上げている。神の深慮か。達磨の知恵か。春の季語。
これは一度何処かで見た記憶があるが、何時何処でだったか思い出せない。長野だったかもしれぬ。
ザゼンソウを地湧金蓮(ちゆうきんれん)とするサイトもあったが、どうやらこちらは芭蕉(ばしょう)科 学名Musella lasiocarpaでMusella : ムセラ属lasiocarpa : 別名「チャイニーズイエローバナナ」ではないかと思う。この辺になると素人、門外漢の手に余ってくる。
ザゼンソウ花発熱し虫を呼ぶ 雪溶かす
ザゼンソウ虫を惑わす誘蛾熱
ザゼンソウソーラーパネル虫媒花
地湧金蓮(チユウキンレン)はバショウ科ムセラ属の亜熱帯性の植物。学名では、「Musella lasiocarpa」中国名が「雲南地湧金蓮(ウンナンチユウキンレン)」英名は、「チャイニーズ・イエロー・バナナ」
「チユウキンレン」と読むが、正しくは「チヨウキンレン」。
地面から湧いてきた金色のハスを意味。日本では「耐寒バナナ」とも。
花が咲く時期は、大体秋からが一番多く、一度咲くと約1年間近く咲く。
花の大きさは30cmで「地湧金蓮」の名の通り、見た目は黄金色のハスの花のようだが、黄色の花のように見えるのは、実は苞(ホウ)である。花弁状の葉で、本当の花はその間に小さく細い筒のように咲いている。
ショクダイオオコンニャク(燭台大蒟蒻、学名: Amorphophallus titanum)は、サトイモ科コンニャク属の植物。別名スマトラオオコンニャク。インドネシア、スマトラ島の熱帯雨林に自生する。最短でも2年に一度2日間しか咲かない、世界最大の花として有名になった。確か腐臭が強烈とか。
花序とその付属体、および仏炎苞(ブツエンホウ)の複合体は直径1.5mに達するとされ、その縦寸は3.5mまでになった記録もある。
なお、バナナ(甘蕉、実芭蕉、英: Banana、学名Musa spp.)は、バショウ科バショウ属のうち、果実を食用とする品種群の総称である。これはこれで沢山の種類がある。
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