コエビソウ(小海老草) [自然]
散歩中に見かけて変わった花だなと思ったが、以前にネット画像か何かで見たような気がしないでも無い。
とにかく名前が分からないのでグーグルレンズで検索すると、コエビソウ(小海老草)と教えてくれた。
コエビソウ(小海老草、学名:Justicia brandegeeana)は、メキシコ原産のキツネノマゴ科の植物。 (シノニム=異名はベロペロネBeloperone guttata) 。
日本では道ばたの雑草としてごく普通なキツネノマゴ(Justicia procumbens)と同属である。
名前の由来は、花のつく穂が苞(ほう)に覆われていて、その形が小海老の尻尾に似ていることによる。
海老か蝦蛄か知らぬが、節があって曲がった苞がびっしり咲いているのは、ちょっと異形で驚かされる。花はその苞の間から顔を出す。
別名のベロペロネは旧分類時代の属名からで語源はギリシャ神話に登場するベロスの矢とペロネの帯が由来であり、花の雄蕊の形が矢のような形に見えることからだという。
魚名を使った植物というのは、知っているのはキンギョソウくらいなもので、あまり無いのではないか。
動物の名を使ったものならトラノオ、マムシグサ、イヌタデとかキツネノマゴ(コエビソウの科名でもある)とかがある。
いずれも花や葉などの形状が似ているというのが由来であろう。
川柳擬き(含笑句)
前世の海が恋しやコエビソウ
兵器かよ弓かミサイルベロペロネ
コエビソウの科名であるキツネノマゴなるものも、道端でよく見る普通の雑草というが、恥ずかしながら知らなかったので調べて見た。
キツネノマゴ (狐の孫、学名:Justicia procumbens) は、キツネノマゴ科キツネノマゴ属の一年草。
名前の由来はよく分かっていないという。花序が花の咲いたあとに伸びるのがキツネの尾のようだとか、花の形がキツネの顔を思わせるからなどの説もあるようだが、あまりしっくりしない。
素人目には、コエビソウとはあまり似ていないような気がする。
なお、変種に小ぶりのキツネノヒマゴ(狐の曾孫)というのもあるとか。
確かに小さいからといっても、ヒメキツネノマゴと命名すら訳にはいかないだろう。
シモツケソウ(下野草)とシモツケ(下野) [自然]
薄紅色というか、ピンク色というか、おだやかな美しさに惹かれたが、名を知らずググった。結果はシモツケソウ。
この花に限らず、知っている人は多いだろうから、無知、不学を晒すようなものだが、幾つになっても知るということは楽しい。
シモツケソウ(下野草、学名Filipendula multijuga )は、バラ科シモツケ属に分類される多年草の一つ。
和名は木本のシモツケに似る草本であることから。シモツケは「下野」(栃木県の古名)で多く見られたことに由来する。お隣の上野(群馬県)にもあるだろうになと想像してしまう。
画像で左に木本のシモツケ、右に草本のシモツケソウ(が一緒に映っているのを見つけた。虫は迷わないのか、風媒花か、交配はしないのか余計な心配か。へぇーという感じ。(右下)
高山型変種にアカバナシモツケソウがある。背景の山は男体山と見たがどうか。(左下)
川柳擬き(含笑句)
疎開地の母の生家に下野草
山峡の故郷遥かシモツケソウ
下野(シモツケ)は疎開地にして我が故園
上野にシモツケソウの咲き誇り
https://ja.wikipedia.org/wiki/シモツケ
シモツケ(下野、学名:Spiraea japonica )は、バラ科シモツケ属に分類される落葉低木の1種。別名、キシモツケ(木下野)とも呼ばれる。
学名の属名「Spiraea」はギリシャ語で「螺旋」を意味し、果実が螺旋状をしていることに由来する。「japonica」は「日本の」を意味する。
和名のシモツケ(下野)は最初に下野国、現在の栃木県で発見されたことに由来するということで、学名にジャポニカが入っている何やら嬉しい。
画像で見る限り、花は草本のものより濃い感じがする。
変種にドロノシモツケ (学名:Spiraea japonica var. ripensis )があるという。全長が30-50 cmの小低木で、全体に無毛。紀伊半島南部の和歌山県、奈良県、三重県に分布し、川岸または河川の中ほどにある岩の上に生育する。何故こんな名のか、どんな花姿なのか、興味深いが不明。
斑入りミズヒキと蓼(タデ) [自然]
この花(葉)の名は何?
草花を見ていて、綺麗なというか不思議なというか、一風変わった葉に惹かれることが多い。たいていは斑入りの葉である。斑入りニチニチソウ、斑入りアジサイ、姫蔓蕎麦の葉などなど。
見たことはないが、斑入りのドクダミ、五色ドクダミというのもあるらしい。
それぞれ突然変異をしたものを固定したものなど、改良園芸種なのであろう。
斑(ふ)は主として白いものが多いが、花かと間違えそうなものもある。
カラーリーフや観葉植物を楽しむだけでは足りず、葉も花もとは人は少し欲深ではある。
散歩の途中で見た葉は変わっていた。緑の葉に絵の具で描いたように赤と黒の鮮やかな模様である。
ググると斑入りミズヒキ。
以下はネットで教えて貰ったことをベースにしている。
ミズヒキ(水引、学名 Persicaria filiformis)とは、タデ科イヌタデ属の草本。和名は、紅白に見える花序が贈答品や封筒にかける紐、水引に似ていることに由来する。その花は9月ごろ咲くので今(6月)は見ることは出来ない。
ミズヒキはタデ科イヌタデ属というが、斑入りミズヒキは柳蓼(ヤナギタデ)や犬蓼(イヌタデ)より葉が大きいように思う。
イヌタデ(犬蓼、学名Persicaria longiseta)は、タデ科イヌタデ属の一年草。道端に普通に見られる雑草である。
和名はヤナギタデに対し、葉に辛味がなくて役に立たないという意味で「イヌタデ」と名付けられたという。赤い小さな花や果実を赤飯に見立て、別名アカノマンマともよばれる。この赤飯を想起させる薄紅色の花「アカノマンマ」は俳句では秋の季語。
我が田舎ではままごと遊びの赤飯だと聞いたような気がするが、遠い昔のことでたしかかどうか。もはや我が記憶はあてにならない。
ヤナギタデ(柳蓼、学名Persicaria hydropiper)は、タデ科イヌタデ属の一年草。水辺などに生える雑草。和名は、葉がヤナギに似ていることから。マタデ、ホンタデともいう。
「蓼食う虫も好きずき」という言葉があり、文豪谷崎の小説「蓼食う虫」の蓼はよく人に知られている。
実際にタデを食べる虫もいるらしいが、人も辛味のある葉を薬味として食べる。刺身のつまにしたりするほか、すり潰して酢に混ぜることでアユ等の魚の塩焼きに使用する蓼酢となる。
鮎といえば古里那須烏山の投網漁、簗漁の鮎、転勤先の静岡県大井川の友釣り、大分県犬飼のうるかなど懐かしい思い出がある。
これも転勤先の経験だが、京都で食べた鮎は琵琶湖の鮎で、川や養殖の鮎と違って、成魚ととなっても大きくならないのだという。塩焼きにする前、笊の中に笹と一緒に入っていたのを見せてくれた。たしかに小ぶりであった。ちゃんとしたところだったから、蓼酢で食べたと思うが味も淡白だったような気がする。
琵琶湖の魚では、ニゴロ鮒の鮒ずしは別格として、鮎よりも焼きモロコの方がうまいとその時教わった。モロコの方は、後に琵琶湖のほとりで食べる機会があったが、蓼酢をつけたかどうか記憶にない。
含笑句(川柳擬き)
斑(ふ)の模様八かV字か水引草
葉の色は斑入りミズヒキ赤と黒
暮れなずむ琵琶湖の小鮎蓼酢かな