冬紫陽花(フユアジサイ) [自然]
例年花の季節はアジサイが終わるとめっきり寂しくなるね、と家人と話す。あとは夾竹桃、百日紅など花の種類も少なくなる。
そのアジサイは6月の雨季の頃に咲くものだと思っていたが、冬の寒い2月から3月に咲く「フユアジサイ」なるものを、散歩中によそ様の庭で見つけてググって知った。
最初アジサイとは思わず不思議な花だなぁと思ったが、撮影した画像(2022/4/15撮影)をよく見れば額アジサイによく似ている。
別名「スプリング・エンジェル エレガンス」とも言われ冬に観賞できる新しいタイプのアジサイだそう。
花は西洋アジサイのように大きく 花弁に見える顎は花径が7~8cmほどある。
ネットによれば、群馬県農業技術センターが台湾のトキワアジサイとセイヨウアジサイの交配によって平成16年に作った品種という。名前にあるように、冬(2~4月)に咲くアジサイ。スプリングエンジェルシリーズの3種類が流通しているという。自分が見たのはたぶんフリルエレガンスと思われる。
交配の片方のトキワアジサイ(常盤紫陽花)は、台湾原産アジサイ。一般的なアジサイと異なり、冬になっても葉を落とさないのが特徴で2、3月ごろ開花する。ほのかに香る。別名カラコンテリギ。タイワントキワアジサイ(アジサイ科タイワントキワアジサイ属)
交配のもう一方がセイヨウアジサイ。
紫陽花には両性花と装飾花という2種類の花がある。
両性花は雄しべと雌しべを持ち、いわゆる花の本体で代表がガクアジサイ、アジサイの原種で日本原産である。
一方、装飾花には大きな花びら(がく)があり、雄しべと雌しべが退化している。こちらがセイヨウアジサイ(ホンアジサイとも)。日本から持ち出されて栽培改良されたものだ。玉、鞠状になる。
一般的に紫陽花の花として認識されているのは、この装飾花のほうである。シーボルトの「オタクサ」などでよく知られる。
自分はアジサイにはガクアジサイとタマアジサイの二種類があると間違って覚えてしまっていたが、タマアジサイでなくセイヨウアジサイ、手毬咲きというからマリアジサイと言った方が当たっている。それがセイヨウアジサイ、本アジサイである。
なお、かつて、このブログで書いた紫陽花の新品種「きらきら星」を作り出したのは栃木県農業試験場だったが、このフユアジサイは群馬県農業試験場という。農業試験場もなかなかやるものだと感心する。
きらきら星
https://toshiro5.blog.ss-blog.jp/2021-06-16
さて、アジサイはガクアジサイ(額紫陽花)とも季語は夏。俳句ではアジサイは鞠状のものを言い、七変化としてガクアジサイと区別しているフシがある。角川歳時記で見るとアジサイ、ガクアジサイともユキノシタ科とあるが、ウキペディアではアジサイ科アジサイ属。どちら正しいのか分からぬ。
花の色がよく変わることから、別名で「七変化」「八仙花」とも呼ばれる。また、四葩(よひら)は俳句で好まれる別名で、葩は「花びら」を表す言葉である。
アジサイと季違となるフユアジサイ
フユアジサイ俳句で詠めば冬四葩(よひら)
余談①
「あじさいの歌」 (石原裕次郎歌、1960年)がある。YouTubeで聞いて見たが、今まで聞いたことが無かった。自分もこの時代青春真っ只中だったのだが。
この歌および生前アジサイが好きだったことにより7月17日の石原裕次郎忌を「あじさい忌」というとか。これも知らなかった。
余談②
たまたまネット画像でガクアジサイによく似た瓊花(ケイカ)という花を見つけた。
「鑑真和上ゆかりのお寺「唐招提寺」では、毎年4月中旬~5月ごろ、中国・揚州の名花「瓊花(けいか)」が一般公開される。隋の皇帝・煬帝が気に入って門外不出とした花で、国内で見られる場所が限られる貴重なもの。ガクアジサイのような花からいい香りが漂う。」とある。
瓊花はスイカズラ科、ガマズミ属。ガクアジサイはユキノシタ科(香りは無い)。
ヒマラヤユキノシタ(ベルゲニア) [自然]
散歩道ばたの家の庭に植えられていたピンク色の花が前から気になっていた。
先日やっとググって名前が分かった。ヒマラヤユキノシタ。
ヒマラヤはさておき、ユキノシタはやや意外だった。ユキノシタは、天ぷらで食べると美味しい山菜のイメージが頭の隅にあったからだ。
ヒマラヤユキノシタ(Bergenia stracheyi)はユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属の植物で、園芸用に栽培される。
その名の通り、ヒマラヤ山脈周辺(アフガニスタンから中国にかけて)の原産。
常緑多年草で、葉は長さ10-20cm、幅10cmほどの楕円形で、らせん状に茎につきロゼットをつくる。桃色の花が春に多数、咲いてきれいだ。耐寒性が高く育てやすいとかで、よその庭で育てられているのを良く見かける。ヒマラヤユキノシタ属には10種があるという。
なお、ロゼットとはタンポポなどのように地面に葉が張り付き茎が見えない状態のこと。
春寒やピンクヒマラヤユキノシタ
下町に咲けどヒマラヤユキノシタ
井戸端に咲けどヒマラヤユキノシタ
ヒマラヤユキノシタとユキノシタの違いなどネットの説明は次のとおりだ。
ヒマラヤユキノシタは、早春のまだ寒さが残る時期に、やさしいピンクの花を咲かせ、花壇を明るく彩る。革質で厚みのある楕円形の大きな葉を地面に張りつくように広げ、どっしりとした安定感もある。太い根茎が横に伸びて樹木のような形になり、年数を経るごとに風格も増す。エレファンツ イヤー。(象の耳?)このヒマラヤユキノシタは、民間薬で虎耳草(こじそう)と呼ばれ、葉を天婦羅にして食べることができるユキノシタの仲間である。ユキノシタの方が人によく知られているのではないか。
同じ仲間でしかも似た名前を持つが、両者は葉も花も増え方も全く異なり類似点はあまりない。
例えばユキノシタはイチゴのように匍匐枝(走出枝)で増えるが、ヒマラヤユキノシタは挿し木で増やすなど。
ユキノシタは田舎でも見た記憶がある。
何となく好きな花の一つだ。こちらの方のネットの説明はおおよそこんな具合である。
ユキノシタ(雪の下、虎耳草、鴨脚草、鴨足草、金糸荷、学名Saxifraga stolonifera、英名Strawberry Geranium)は、ユキノシタ科ユキノシタ属の植物。別名、イドクサ、コジソウ。
山野の岩や石垣などの湿地に生えるユキノシタ科の常緑多年草で、
観賞用に庭にも植えられる。
六〜七月、花茎から多数の五弁花を開く。花弁の上三枚は小さく淡紅色で濃い斑点があり、下二枚は白く大きく垂れる5弁花なのが特徴である。下2枚の花びらだけが大きいので目立つ。
葉は、丸く厚みがあり縞模様がある。葉も茎も毛を帯びる。
細い枝を伸ばした先に、新しい株を作って繁殖する。春の山菜として食されるほか、薬用にも使われる。
民間療法では、からだのむくみ、胃もたれ、下痢、火傷 中耳炎などに効用あるとか。
ドイツ名のユーデンバールト(ユダヤ人のひげの意)、英名のマザー・オブ・サウザンス(子宝草)は、同様に糸状に伸びる走出枝に由来する。
中国植物名にもなっている虎耳草(こじそう)とは、葉の丸い形や模様がトラの耳を連想させるから名付けられたと言われている。日本の地方により、イドグサ、ミミダレグサという方言名もある。
ちなみに俳句では「鴨足草」と書いて「ゆきのした」と読ませることが多いという。初めて知った。なぜ鴨足が雪の下か?水の下じゃないのか。とは野暮か。歳時記では夏の季語。
天麩羅は舌に熱々ユキノシタ
遠き日や井戸の周りのユキノシタ
ユキノシタ虎耳ヒマラヤ象の耳
ユキノシタ毛がありヒマラヤ毛なし草
ユキノシタ科ユキノシタ属の中に多年草で花期が9月~11月のダイモンジソウ(大文字草)という花があるそうだが、見たことはない。
写真では本当に美しい大の字で興味深い。形状はユキノシタの花に似ていて、およそヒマラヤユキノシタとは似ていない。
ユキノシタの花の上の三枚の花びらのうち、2枚が白くなって手を広げてくれれば、見事な大の字になるのだが。
ユキノシタダイモンジソウにあと一歩
雪の下大文字草紙一重
カラタネオガタマ(唐種招霊) [自然]
新築住宅の庭に植えられているものと、老人ホームの生垣になっているのと2回見た。花も半開が多く、中の緑の雄蕊か雌蕊かわからないが外を覗いているので、花びらをちょっと手で開いて見たくなる風情。甘い香りも強い。
4月28日に検索したが、その後体調を崩しGWを寝て暮らしたので、明けてから見ると花はほとんど落ちてしまっていた。だから全開の花の姿を見ていない。
その花の香りから、英名で「banana shurb バナナ・シュラブ」、「banana treeバナナ・ツリー」と呼ばれる。シュラブは低木のこと。
中国では「含笑花」と呼ばれる。由来は不明。「花が含み笑いをしているような姿に見える」「甘い香りに思わず笑顔になる」などによるのか。
いずれにせよ含み笑いの花は言い得ている。ここは、英名よりも中国人の感覚の方に座布団。
我がこの花何?で詠む「川柳擬き」もせめて「含笑句」と命名したくなった。微苦笑句とまでは望まないが。
唐種招霊の基本情報
科名モクレン科
学名Michelia figo
別名カラタネオガタマ トウオガタマ
原産地中国南部
大きさ高さ4m~5m
開花期4月~5月
この香りたぶんカラタネオガタマぞ
バナナの木唐招霊(トウオガタマ)よ含笑花
ヘイバナナこちらカラタネオガタマよ
なおオガタマノキは日本原産の高木で、カラタネオガタマとは近いが別種である。オガタマは霊を招くと言う意味の「おきたま(招霊)」が訛ったもの。これはオガタマノキの枝葉が神事に用いられたからと言われている。
オガタマノキ(招霊木、小賀玉木、学名 Magnolia compressa)はモクレン科モクレン属に属する常緑高木の1種である。和名は、招霊(おきたま)が転じて「オガタマ」になったともされる。オガタマノキ属に分類されることが多かったが(Michelia compressa)、2022年現在ではふつうモクレン属に分類される。日本に自生するモクレン科の中では、唯一の常緑樹である。早春に直径3センチメートルほどの紫紅色を帯びた黄白色の花を葉脈につける。本州関東地方から台湾に分布する。神社に植栽され、ときに神事に使われる。
斑入りツルニチニチソウ [自然]
4/14 撮影
ツルニチニチソウ(蔓日々草、学名:Vinca major)はキョウチクトウ科の常緑蔓性植物の一種。南欧原産の外来種。毒性あり。
ツルギキョウともいうが、キキョウ科にツルギキョウ(学名:Campanumoea maximowiczii)という植物があり、キキョウ科のものが標準和名のツルギキョウである。言い方が遠回しなれどこちらが重要でツルニチニチソウの方が珍しくもないのだということだろう。
それにしてもニチニチソウではないがニチニチソウに似たツル性の花とは可哀想な命名ではあると最初思ったが、両方ともキョウチクトウ科で、ニチニチソウもツルは見えないが匍匐性があるという。同類ではあるのだ。
しかし、この花地味ながらよく見ると、薄紫の色ばかりで無く、先が角張った独特の形をしていて美しい花である。4〜5cmほどの大きさの花を咲かせる。5枚の花びらに分かれたその形はスクリューを思い起こす様な人の手でつくったかのように見える。
そのせいか人に好かれ良く植栽されるらしく、ハンギングバスケット、垣根、グランドカバーなどで彼方此方で見かける。
斑入りの葉のものがあり、自分が撮ったのは斑入りニチニチソウだった。
他にヒメツルニチニチソウがあるらしいが見たことはない。 きっと小さいながら綺麗だろうと想像する。
ネットによると、ツルニチニチソウの花言葉には、「幼なじみ」「優しい思い」「生涯の友情」「楽しい思い出」など意味だそう。
これらの花言葉は思想家であるジャン・ジャック・ルソーが、自叙伝の中でツルニチニチソウについて語っている下りがあることからきている。その花を見たルソー夫人が過去の恋愛の日々を思い返したので、これらの意味の花言葉が生まれたとのこと。
なお、自分が撮ったこの写真は4月14日の散歩の時だったのでもう1ヶ月以上が過ぎ、今は花がすっかり落ちていてツルだけになっている。花の命は短い。
標準和名という蔓桔梗(ツルギキョウ)とは、山地の谷沿いの林縁や林内にまれに生えるつる性の多年草。環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類(VU)にランクされており、個体数は少なくめったに見ることはできないという。勿論自分も見たことはない。
どうやらその希少性で注目されるといういうことらしい。全国的に探し出されてニュースになり、保護、保存対象になっている様だ。
例えば、「神奈川県では平成6年(1994年)に初めて見いだされ、絶滅危惧ⅠA類。」であるとか、「大分県では、英彦山・犬ヶ岳山地」,「大分川・大野川丘陵地」,「豊後水道域」で採集された標本はあるが,その後,持続して生育しているかどうか把握されていない所がある。」などなど。知らなんだ。
ツルギキョウ同じ名前で別種とは
同じ名の別種の花ありツルギキョウ
これはツルニチニチソウは別の花
ニチニチソウ(日々草、学名Catharanthus roseus)は、キョウチクトウ科ニチニチソウ属の一年草。マダカスカル原産。毒性あり。別名ソノヒグサ、ニチニチカ、長春花。
初夏から晩秋まで次々に花が咲くので、「日々草」という。我が家では春のパンジー、夏のニチニチソウがプランターの主役だからお馴染み。
なお、ニチニチソウはキク科のヒャクニチソウ(百日草ジニア)とは異なる。花期が長く丈夫で人気があるのはこちらの方か。
ミツカドネギ三角葱(アリウムトリケトラム) [自然]
団地の庭で、似てはいるがハナニラやスノーフレーク、スノードロップとちょっと違うな、という感じの白い花に気づいたので、スマホで撮影してグーグル検索した。(4/19撮影)
ミツカドネギ(三角葱)学名アリウムトリケトラムと出た。
ヒガンバナ科 Amaryllidaceae属名:ネギ属(アリウム属) Allium学名:Allium triquetrum
和名:ミツカドネギ(三角葱)英名:Three-cornered leek, Onion weed原産:南西ヨーロッパ、北西アフリカ開花時期:3月~5月
高さ:20㎝~60㎝
同じ時期に似た白色の花が咲くスノーフレークや白色のツリガネズイセンは、花被片に緑色の筋がないのでミツカドネギとは区別が出来る。という。しかも確かに触ってみると花茎、葉ともミツカドである。
スノーフレークはヒガンバナ科 Amaryllidaceae スノーフレーク属 別名オオマツユキソウ(大待雪草)、スズランズイセン(鈴蘭水仙)である。これもつい最近検索したばかりだ。
スノーフレークとスノードロップ
https://toshiro5.blog.ss-blog.jp/2022-04-16
ミツカドネギは、春に白い花を咲かせるネギ属(アリウム属)の球根植物で、花は釣鐘状に数輪咲かせ花弁に濃いグリーンが一筋入るのが特徴で綺麗である。
和名の「ミツカドネギ(三角葱)」や学名の「triquetrum(トリケトラムまたはトリクエトルム、トライクィートラムなど)」の名が示す通り、花茎や葉の断面が三角になっている。(1モノ、2ジ、3トリ、4テトラ…のトリである)。
ミツカドネギ(アリウム・トリケトラム)は花を観賞するだけでなく、花・葉・球根を食用にすることができ、ワイルドオニオンの一種としてハーブとしての利用されるらしい。
葉を傷つけるとネギのような香りがあり、ネギよりやや香りが薄いためミツカドネギ(アリウム・トリケトラム)の方が食べやすいという。
上記の通り、葉の形状もミツカドである。ニラに似ており、ニラと同じような利用ができる。また球根もワケギやアサツキあるいは野草のノビルように食べられる。
ハーブ植ゆ都営団地に住む異人
ミツカドネギ都営団地に異人の子
ハーブ園ミツカドネギを四つ角に
このときネットを見ていて、昔水彩画のお稽古で描いたことのあるイングリッシュブルーベルを見つけた。和名ツリガネスイセン(釣鐘水仙)である。(ややこしいがスノーフレークの別名鈴蘭水仙スズランスイセンではない)
イギリスの王宮植物園、キューガーデン風景写真を題材にした風景画のお稽古だった。絵は上手くいかなかったが、林の木の下を埋め尽くして咲いている青い花の画像写真が強く印象に残っている。
つりがねすいせん(釣鐘水仙)はユリ科 学名:Scilla hispanica
別名・別読み: シラー・カンパニュラータ、シラー・ヒスパニカ、スパニッシュ・ブルーベルなどのことである。
ヒアシンス(Hyacinthus)やシラー(Scilla)に近い仲間でヒアシンソイデス属である。7種があり、以前はシラー属に分類されていた。このうち、ヒアシンソイデス・ヒスパニカ(H. hispanica)とヒアシンソイデス・ノンスクリプタ(H. non-scripta)の2種が主に栽培されている。いずれもいくつかの園芸品種があり、両者の交配によって育成されたものもある。
ヒスパニカ種は「スパニッシュ・ブルーベル」または「シラー・カンパニュラータ」の名前で販売されることも多い。ヒアシンソイデス・ヒスパニカ(H. hispanica)とヒアシンソイデス・ノンスクリプタ(H. non-scripta)の2種が主に栽培されている。いずれもいくつかの園芸品種があり、両者の交配によって育成されたものもある。
ヒスパニカ種は「スパニッシュ・ブルーベル」または「シラー・カンパニュラータ」の名前で流通することも多く、やや細長い釣り鐘形の花が穂になって10輪くらい咲き、品種によっては20輪くらいつくこともある。ムスカリの花が終わるころ、入れ代わるように咲き始め、群生させると一面に咲いてブルーのカーペットのようになる。
ノンスクリプタ種は「イングリッシュ・ブルーベル」とも呼ばれ、花穂は細身で、花茎の上部が曲がって枝垂れるように咲き、花は片方向に寄っている。
イングリッシュ・ブルーベルの花は筒状で細く、花弁の先がくるりとカールしているのが特徴でスパニッシュブルーベルと区別出来るという。
二つとも「シラー・カンパニュラータ」の名前で、色別、または青、ピンク、白の混合の球根が販売されることが多く、スパニュッシュかイングリッシュか品種がはっきりしたものを入手するには、ちゃんとした通信販売などを利用するのが賢明とされる。それだけ似ているということだろう。
イングリッシュブルーベルの特徴を記したものを探すと、次のような記事があった。
青い釣り鐘型の可愛らしい花で、イギリスの群生地の森などで見る姿は神秘的な美しさがある。
イギリスではブルーベルの花は春の訪れを知らせる花として古くから親しまれていて、日本の桜のようなものか。
学名は Hyacinthoides non-scripta(ヒアシンソイデス・ノンスクリプタ)で、似た花でスパニッシュ・ブルーベル(Hyacinthoides hispanica)があるが、近年ではスパニッシュ・ブルーベルとの交雑種などが多くなってきており、純粋のイングリッシュブルーベルは数が少なくなっているとも言われる。
また、「シラー・カンパニュラータ(釣鐘水仙)(Hyacinthoides hispanica)」という名で出回る花もあり、こちらは交雑種のスパニッシュ・ブルーベルと同じものである。
なお、余談だがヒヤシンス(風信子、飛信子、学名: Hyacinthus orientalis)は、キジカクシ科ツルボ亜科ヒアシンス属の球根多年草。ヒアシンスとも表記する。耐寒性秋植え球根として扱われ、鉢植えや水栽培などで鑑賞される。
これも水彩画のお稽古で、それも始めて間もない頃に描いた覚えがある。
その時風信子と書くことと、この名句を知った。今となれば懐かしい。
水にじむごとく夜が来てヒヤシンス 岡本眸
我が好きな俳句の一つだ。
ヘラオオバコ(箆大葉子) [自然]
団地の庭は花壇も庭木の植栽もあるが、そうでないところも広く種々の雑草が生えている部分もある。定期的に庭師が入り雑草は電動草刈機で刈られてしまうがすぐ繁る。
そこには雑草と一緒に夕化粧、ムラサキツメクサ、白ツメクサなどの花々が咲いていてきれいだ。
見ているとその中にあれ?これは何?という草が花をつけてたのでググった。地味で秋草の風情である。
検索結果はヘラオオバコだった。オオバコは良く田舎で見て知っていたが、知る前は全くオオバコと繋がりを感じなかった。
ヘラオオバコ (箆大葉子)は、オオバコ科オオバコ属の植物である。ヨーロッパ原産の雑草で、日本では帰化植物であるという。
葉が箆の様に平べったいのでオオバコとは区別される。
オオバコより葉は大きく花茎も高いが、オオバコの特徴である踏みつけ耐性はない。
箆(へら)は靴ベラや箆鹿(ヘラジカ)の角の様に平べったい形のことだが葉の形状がヘラ状だという。葉は目に入らなかった。
言われてみれば花茎がひょろっと伸びて長いところは違うけれど、花自体はオオバコの花に似ていると後から気付いた。
オオバコ(大葉子、車前草、学名:Plantago asiatica)はオオバコ科オオバコ属の多年草。高地から平地まで、道端などによく生える野草で、地面から葉を放射状に出して、真ん中から花穂をつけた茎が数本立つ。葉は薬草として利用され、漢方薬でも使われている。中国では車前草(しゃぜんそう)という。スモトリグサ(相撲取り草)なる別名もあるとネットにある。
大葉子は踏みつけに強く、人などがよく踏む道端などの場所のほか校庭や公園などでもよく見られ、草丈が高くなる草が生えないような場所を選んで生育する。何と踏みつけが弱い場所では、高くのびる性質を持たないので、他の草に負けてしまう。ここにも植物の生き残り戦略があってびっくりする。
和名の由来は、葉が広く大きいことから「大葉子」と名付けられたと一般にいわれるが、当て字だとする説もある。
自分は長いこと、間違って頭の中で大箱という漢字をあてていた様に思う。
地方により、別名ガエルッパ、ゲーロッパ、オンバコともよばれ、弱ったカエルをこの葉陰におくと元気になるという俗説からカエルバともいわれる。
中国では車前草と書き、「車前(しゃぜん)」は漢名で、人や車(牛車・馬車)が多く通る轍(わだち)によく生え、踏みつけに強いからこの名がついたというからオオバコの踏み付け耐性は古くから注目されていたのであろう。
小さい時、おできの膿を吸い出すのにこれを使った記憶がある。確か温めて柔らかくして母が患部にあてがってくれた。
田舎ではゲンノショウコやドクダミも陰干して軒に吊るされていたが煎じて飲んだ記憶は残っていない。オオバコは何故か微かに覚えているのは薬効があったのだろうか。草むしりをするときのこの草の手強さも覚えている。
田舎ではケェルッパと呼んでいた。
変種に唐大葉子(トウオオバコ)、西洋大葉子(セイヨウオオバコ)、蝦夷大葉子(エゾオオバコ)、蕾大葉子(ツボミオオバコ)などがあるらしい。
ネットでミズオオバコ(水大葉子)というのも出てきたが、これは別種(トチカガミ科)で紛らわしい。
踏み付けに強い大葉子弱い箆(ヘラ)
花帽子箆大葉子風に揺れ
道端で踏み付けられしけえるっぱ
踏まれても踏まれてもなおけぇるっぱ
踏まれても平気の平左ケェルッパ
遠き日のおできの治療蛙っ葉
この木の名は何?番外編 柳にあらず 欅 [自然]
この木の名は検索しなくても知っている。柳(ヤナギ)ではない。欅(ケヤキ)である。
欅を公園や庭木、街路樹に植えると大きくなりすぎないよう剪定されてしまうことが多い。落ち葉の始末も大変だし、電線などの邪魔になるからだ。
植木の剪定はあまり大きくならないようにするために、透かし剪定が基本と聞いたことがあるが、この木は周知の通り天を衝くように大きくなるので、高い枝の先を全部ぶつ切りしてしまう。この頃よく見かけるが、やってはいけない剪定の典型である。
木へのダメージは素人目にも大きいのではないかと案じる。
最近では公園の欅など全部の枝を剪るので、冬の間は見るからにせつなく棒立していて、これで枯れないのかと思ってしまう。
見ていると、春になって密集した新芽が出て細い枝となり垂れ下がってくる。まるで柳のようだ。
心持ち剪定しない欅より芽が出るのが、遅いように思うがどうか。また少ない葉で太い本体を養おうとするためか、一枚一枚の葉が大きいように見える。
阿佐ヶ谷駅から北へ向かって「欅通り」があるが、ぶつ切り剪定はしていないので空高く枝を伸ばしていて見事だ。夏は日陰を作り秋は黄葉が美しい。
よく見るとここは電柱を地中に埋めているらしく電線が無い。
しかしいつまでこうしていられるか。各地に欅通りはあるが心配ではある。
神宮外苑の樹木伐採騒動に見られるように、都市における大きな樹木は危うい状態にある。木の本性に任せて成長することが出来る広さのある公共の土地は、それだけで価値がある。再開発を口実にする巨木の伐採など知恵のない話で、嘆かわしいというほかない。
恨めしや剪られた欅柳風
なお、これを書いた後にネットで欅の強剪定についての記事を見つけた。
「強剪定とは幹の途中からケヤキをばっさばっさ切ってしまう剪定で、この剪定をされるとケヤキがまるでメキシコの巨大サボテンのようになってしまう。
剪定に関する本などを読んでみるとケヤキは丈夫な木なので強剪定にも耐えられると書いてあるが、それは間違いだ。」とあった。やはり、ね。
スダジィの芸術的落ち葉 この木何?ー番外編2 [自然]
散歩から帰ってきた妻があまりに芸術的なので、何(の葉)か分からなかったが、拾わずにいられなかったと一枚の落ち葉を見せてくれたので、この葉何?と早速検索した。
グーグル先生はマンゴー、ローリエ、アグラオネマとかが似た画像という。マンゴー、ローリエは明らかに違う。
またアグラオネマは、ミカン科の顕花植物の属であるクモ類。アジアとニューギニアの熱帯および亜熱帯地域の原産。普通中国の常緑樹として知られているらしいのだが、これもちょっと違う感じ。
妻に拾った場所を聞くと、団地内の道路脇スダジィの木の下という。
その木には名札がついていて「すだじぃ」と書いてあることは以前から知っている。確かに拾ったアート、サイケな葉の形はスダジィのものである。
スダジイ(すだ椎)とは、ブナ科シイ属の常緑広葉樹である。別名はイタジイやナガジイ。普通、シイという場合にはこのスダジィを指す。スダジィの「すだ」に漢字は無いらしく、すだとは何か不明である。
翌日散歩がてらその地に行ってみると、スダジィはほかの常緑樹と同じようにこの時期に葉を少し落とすと見えて、落ち葉が木の下に散乱している。
しかし、妻が拾ってきたようなアート、サイケなものでなく普通の茶褐色な落ち葉ばかりだった。
団地にはあちこちスダジィが植えられていて数十本はあるので別の場所で探すと、少しサイケなのを何枚か発見した。
更にその翌日今度は二人で行って上を見ると、一部の木の枝にそれに似た模様の葉を見つけた。何と落ちる前から模様がついていたのだ。
他の枝は普通の葉をつけているので突然変異や変種スダジィとかでなく、病葉(わくらば)?かとひらめく。
サイトで農研機構の病害植物検索(樹種別)をかけて、スダジィの病害を探したがない。
いくつかの植木栽培などのサイトも覗いたが、それらしき記事は見つからない。
結局スダジィの葉が全部でなく一部だけ、変わった色がついて落葉するのは何故なのか、分からずじまいだった。夏休みの自由研究の面白いテーマになりそうな気もするのだが。
なお、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(のうぎょう・しょくひんさんぎょうぎじゅつけんきゅうきこう、National Agriculture and Food Research Organization, NARO)は、茨城県つくば市に本部を置く農水省所管の国立研究開発法人。コミュニケーションネーム(通称)が農研機構。略称は研究機構。本部と5つの地域農業研究センター、7つの研究部門、3つの重点化研究センターからなる。
2001年農業技術研究機構や各地の農業試験場など農水省所管研究機関が統合され発足した。
団地には運動場の回りにスダジィより葉の大きなたぶんマテバシィ(馬刀葉椎)と思われる木が4、5本植栽されているが、こちらは今(6月)花盛りである。
スダジィはこれに比べ葉が小型で全体に地味であり、その花と実(どんぐりだという)はまだ見たことがないのも不思議だ。
マテバシイ(馬刀葉椎、全手葉椎、学名:Lithocarpus edulis)は、ブナ科の常緑高木である。 植物分類上はマテバシイはマテバシイ属に属し、シイノキが属するシイ属とは同じブナ科でも別属に分類されるため、葉や幹などの外見はシイノキに似ているものの系統上はシイノキの近縁の別属である。(ウキぺディア)
別名で、マテバガシ、マテガシ、マタジイ、サツマジイ、アオジイ、トウジイともよばれるらしい。自分は「待てば椎」になるからマテバシィというのだと思っていたが、どこにもそんなことは書いてない。明日は檜にと願ったアスナロ(翌檜)の話と混同していた節がある。
含笑句(川柳擬き)
スダジィ葉サイケな模様謎めきて
スダジィのアートな落ち葉拾いけり
アスナロ(翌檜)とマテバシィ(馬刀葉椎)とを混同し
歳時記では、「椎の実」が秋の季語。「ブナ科の常緑高木すだ椎・つぶら椎の実。細い団栗のような硬い実がつき、翌年の秋に熟すると、殻が裂けて堅果が露出する。内部の白く肥厚した子葉を食べる。」とある。
例句 わけ入りて孤りがたのし椎拾ふ 杉田久女
斑入りミズヒキと蓼(タデ) [自然]
この花(葉)の名は何?
草花を見ていて、綺麗なというか不思議なというか、一風変わった葉に惹かれることが多い。たいていは斑入りの葉である。斑入りニチニチソウ、斑入りアジサイ、姫蔓蕎麦の葉などなど。
見たことはないが、斑入りのドクダミ、五色ドクダミというのもあるらしい。
それぞれ突然変異をしたものを固定したものなど、改良園芸種なのであろう。
斑(ふ)は主として白いものが多いが、花かと間違えそうなものもある。
カラーリーフや観葉植物を楽しむだけでは足りず、葉も花もとは人は少し欲深ではある。
散歩の途中で見た葉は変わっていた。緑の葉に絵の具で描いたように赤と黒の鮮やかな模様である。
ググると斑入りミズヒキ。
以下はネットで教えて貰ったことをベースにしている。
ミズヒキ(水引、学名 Persicaria filiformis)とは、タデ科イヌタデ属の草本。和名は、紅白に見える花序が贈答品や封筒にかける紐、水引に似ていることに由来する。その花は9月ごろ咲くので今(6月)は見ることは出来ない。
ミズヒキはタデ科イヌタデ属というが、斑入りミズヒキは柳蓼(ヤナギタデ)や犬蓼(イヌタデ)より葉が大きいように思う。
イヌタデ(犬蓼、学名Persicaria longiseta)は、タデ科イヌタデ属の一年草。道端に普通に見られる雑草である。
和名はヤナギタデに対し、葉に辛味がなくて役に立たないという意味で「イヌタデ」と名付けられたという。赤い小さな花や果実を赤飯に見立て、別名アカノマンマともよばれる。この赤飯を想起させる薄紅色の花「アカノマンマ」は俳句では秋の季語。
我が田舎ではままごと遊びの赤飯だと聞いたような気がするが、遠い昔のことでたしかかどうか。もはや我が記憶はあてにならない。
ヤナギタデ(柳蓼、学名Persicaria hydropiper)は、タデ科イヌタデ属の一年草。水辺などに生える雑草。和名は、葉がヤナギに似ていることから。マタデ、ホンタデともいう。
「蓼食う虫も好きずき」という言葉があり、文豪谷崎の小説「蓼食う虫」の蓼はよく人に知られている。
実際にタデを食べる虫もいるらしいが、人も辛味のある葉を薬味として食べる。刺身のつまにしたりするほか、すり潰して酢に混ぜることでアユ等の魚の塩焼きに使用する蓼酢となる。
鮎といえば古里那須烏山の投網漁、簗漁の鮎、転勤先の静岡県大井川の友釣り、大分県犬飼のうるかなど懐かしい思い出がある。
これも転勤先の経験だが、京都で食べた鮎は琵琶湖の鮎で、川や養殖の鮎と違って、成魚ととなっても大きくならないのだという。塩焼きにする前、笊の中に笹と一緒に入っていたのを見せてくれた。たしかに小ぶりであった。ちゃんとしたところだったから、蓼酢で食べたと思うが味も淡白だったような気がする。
琵琶湖の魚では、ニゴロ鮒の鮒ずしは別格として、鮎よりも焼きモロコの方がうまいとその時教わった。モロコの方は、後に琵琶湖のほとりで食べる機会があったが、蓼酢をつけたかどうか記憶にない。
含笑句(川柳擬き)
斑(ふ)の模様八かV字か水引草
葉の色は斑入りミズヒキ赤と黒
暮れなずむ琵琶湖の小鮎蓼酢かな
シモツケソウ(下野草)とシモツケ(下野) [自然]
薄紅色というか、ピンク色というか、おだやかな美しさに惹かれたが、名を知らずググった。結果はシモツケソウ。
この花に限らず、知っている人は多いだろうから、無知、不学を晒すようなものだが、幾つになっても知るということは楽しい。
シモツケソウ(下野草、学名Filipendula multijuga )は、バラ科シモツケ属に分類される多年草の一つ。
和名は木本のシモツケに似る草本であることから。シモツケは「下野」(栃木県の古名)で多く見られたことに由来する。お隣の上野(群馬県)にもあるだろうになと想像してしまう。
画像で左に木本のシモツケ、右に草本のシモツケソウ(が一緒に映っているのを見つけた。虫は迷わないのか、風媒花か、交配はしないのか余計な心配か。へぇーという感じ。(右下)
高山型変種にアカバナシモツケソウがある。背景の山は男体山と見たがどうか。(左下)
川柳擬き(含笑句)
疎開地の母の生家に下野草
山峡の故郷遥かシモツケソウ
下野(シモツケ)は疎開地にして我が故園
上野にシモツケソウの咲き誇り
https://ja.wikipedia.org/wiki/シモツケ
シモツケ(下野、学名:Spiraea japonica )は、バラ科シモツケ属に分類される落葉低木の1種。別名、キシモツケ(木下野)とも呼ばれる。
学名の属名「Spiraea」はギリシャ語で「螺旋」を意味し、果実が螺旋状をしていることに由来する。「japonica」は「日本の」を意味する。
和名のシモツケ(下野)は最初に下野国、現在の栃木県で発見されたことに由来するということで、学名にジャポニカが入っている何やら嬉しい。
画像で見る限り、花は草本のものより濃い感じがする。
変種にドロノシモツケ (学名:Spiraea japonica var. ripensis )があるという。全長が30-50 cmの小低木で、全体に無毛。紀伊半島南部の和歌山県、奈良県、三重県に分布し、川岸または河川の中ほどにある岩の上に生育する。何故こんな名のか、どんな花姿なのか、興味深いが不明。
コエビソウ(小海老草) [自然]
散歩中に見かけて変わった花だなと思ったが、以前にネット画像か何かで見たような気がしないでも無い。
とにかく名前が分からないのでグーグルレンズで検索すると、コエビソウ(小海老草)と教えてくれた。
コエビソウ(小海老草、学名:Justicia brandegeeana)は、メキシコ原産のキツネノマゴ科の植物。 (シノニム=異名はベロペロネBeloperone guttata) 。
日本では道ばたの雑草としてごく普通なキツネノマゴ(Justicia procumbens)と同属である。
名前の由来は、花のつく穂が苞(ほう)に覆われていて、その形が小海老の尻尾に似ていることによる。
海老か蝦蛄か知らぬが、節があって曲がった苞がびっしり咲いているのは、ちょっと異形で驚かされる。花はその苞の間から顔を出す。
別名のベロペロネは旧分類時代の属名からで語源はギリシャ神話に登場するベロスの矢とペロネの帯が由来であり、花の雄蕊の形が矢のような形に見えることからだという。
魚名を使った植物というのは、知っているのはキンギョソウくらいなもので、あまり無いのではないか。
動物の名を使ったものならトラノオ、マムシグサ、イヌタデとかキツネノマゴ(コエビソウの科名でもある)とかがある。
いずれも花や葉などの形状が似ているというのが由来であろう。
川柳擬き(含笑句)
前世の海が恋しやコエビソウ
兵器かよ弓かミサイルベロペロネ
コエビソウの科名であるキツネノマゴなるものも、道端でよく見る普通の雑草というが、恥ずかしながら知らなかったので調べて見た。
キツネノマゴ (狐の孫、学名:Justicia procumbens) は、キツネノマゴ科キツネノマゴ属の一年草。
名前の由来はよく分かっていないという。花序が花の咲いたあとに伸びるのがキツネの尾のようだとか、花の形がキツネの顔を思わせるからなどの説もあるようだが、あまりしっくりしない。
素人目には、コエビソウとはあまり似ていないような気がする。
なお、変種に小ぶりのキツネノヒマゴ(狐の曾孫)というのもあるとか。
確かに小さいからといっても、ヒメキツネノマゴと命名すら訳にはいかないだろう。
この花何?番外編 朝顔 [自然]
妙正寺川遊歩道を散歩していると、川岸の柵に何やらビニールの袋が結えつけてあった。見ると中に紙袋が入っていて、「朝顔の種です どうぞご自由にお持ち下さい」とメモがついていた。
お言葉に甘えていただいて来て、二つのプランターに分けて蒔いた。芽を出し大きくなってやっと咲いたのが2枚の写真である。
一つは見事に成長して7月29日まず4つの花をつけ、多い時は14ヶも咲いたが、もう一方は対照的にいつまでたっても大きくならず、やっと一つ咲いたのは8月6日だった。
置かれた場所は、2メートルと離れていずそれほど生育条件に差はないと思われるのに、不思議なことだとずっと思っていたが、はたと気づいた。
小さい方のプランターには先客があってマリーゴールドが植えられていたのである。
ネットによればマリーゴールドは医療用と観賞用の二つの種類があり、医療用はカレンデュラ、観賞用はフレンチマリーゴールドと呼ばれているという。
曰く「根に線虫の防除効果があるのでコンパニオンプランツ(共生作物)として作物の間などに植えられることもある。
例えば、トマトにマリーゴールドやバジルを一緒に植えると、コナジラミなどの害虫を遠ざけ、トマトの生育を助けて味を良くする。」
相性が悪ければ、一緒に植えられた植物の成育を遅らせることもあるのではないか、と邪推したのである。他に原因が考えられず、格差があまりにも顕著なので可能性はかなり高いような気がする。
朝顔は毎年花店で3、4個の苗を買い求め育てて花を楽しんできたが、まぁあまり上手く咲いたことはない。
しかし、今年は朝顔事情少しばかりなれど例年とちょっと違った。
妻は、4月に南蔵院の花祭りで頂いてきた百日草(ジニア)とマリーゴールドの種を蒔いた。実生ながら見事に咲いたので、これを二人でひと夏楽しんだ。
いつも夏の花は少なく、プランターには主にニチニチソウ(日日草)を植えるのだが、今夏は一本も植えなかった。
ところで、今年の夏は6月から東京(練馬区)は37、8度が一週間ほど続いたのを皮切りに異常な暑さが続いている。すでに東京(都心)の猛暑日の数は新記録更新中だという。異常な暑さは東京だけでなく全国的だ。しかもヨーロッパもという。
記録的降雨による水害、熱中症患者増、新型コロナは感染者が爆発的に増えているさなか、何やら全国的に見て地震も増えていて穏やかでない。
自宅療養者増、医療逼迫、搬送困難が深刻なのに旧統一教会、国葬騒ぎなどで情けないが、これも遠因の一つならこれらも放っとけないという面妖。
台湾や北方がシリヤやアフガン、ウクライナより近くなって来たので5年計画で防衛力増強計画とはこれも面妖。
老人は、若い人が暮らしにくさと経済格差などでこれ以上、自暴自棄にならないことを祈ることしか出来ないのも面妖。
暑さはこれからまだまだ続きそうななか、もうそろ朝顔も花の数が減って来て、終わりに近づいて来ているが、心の優しいどなたかからの貰い種の朝顔を今暫く愛でつつ、暑さをうっちゃる他ない。
蕣や 今朝咲き初めの貰い種
面妖を しばし忘れん牽牛花
初雪かずら [自然]
初雪かずら(葛)
ハツユキカズラはテイカカズラの園芸品種である。定家かずらに比べ葉が小さいうえ、葉にピンク色と白の不定形の斑が入る姿が美しい。成長が遅く、コンパクトにまとまり、育てやすいので寄せ植えやハンギングバスケット、グラウンドカバーなどに人気があるとか。
散歩中に住宅の玄関などに植えられていてよく見かける。名前を知らなかったので検索した。花を見たことはないが、新芽が白、ピンク、赤色でまるで花。葉には不定形の斑が入り美しい。
葉は花ぞ 初雪かずら咲き誇る
テイカカズラ
学名:Trachelospermum asiaticum
和名:テイカカズラ(定家葛)
科名 / 属名:キョウチクトウ科 / テイカカズラ属
日本原産
テイカカズラの名は、成就しなかった恋の執心で蔦葛となり、恋人である式子(しょくし)内親王の墓に絡みついたという伝説を脚色した謡曲「定家」に由来するという。
テイカカズラ属は、日本を含むアジア東南部と北アメリカに分布する常緑のつる性木本植物である。テイカカズラは、日本原産で本州から九州の林などに自生する。
花は、キョウチクトウを小さくしたような白色の花で、甘く香り、咲き終わる頃になるとクリーム色に変化する。葉は濃い緑で秋には美しく紅葉する。
蛇足ながら定家と式子内親王の歌。百人一首で遊ぶ方にはお馴染みだが、こうして定家かずらや初雪かずらの写真と並べてみるとそれなりの味わいもあろうというもの。とはいつもの独りよがりか。
権中納言藤原定家
来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに
焼くや 藻塩(もしほ)の 身もこがれつつ
新勅撰和歌集
式子内親王
玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば
忍ぶることの よわりもぞする
新古今集
カランコエ エンゼルランプ [自然]
この春、散歩中によその家の庭の鉢に真っ赤な花がびっしり咲いているのを見つけて写真検索した。カランコエ エンゼルランプとのこと。
夏頃、デジタルお絵描きアプリで絵にしたのがこれ。
手間がかかる割に面白味はない絵。手間をかけず面白い絵をどうやれば描けるのか、知りたいものだと思うが人に聞くわけにもいかぬ。暑さ凌ぎに何枚か描き続けたがいずれも同じ域を出なかった。
例によって川柳擬きの「含笑句」も冴えない出来だ。
カランコエ エンゼルランプ あかあかや
鎌倉時代高山寺の僧明恵上人 (1173〜1232)は、夢を記録した僧として名高いが、歌人でもあって
あかあかや あかやかやあか あかあかや あかあかやあか あかあかや月
と詠んだ。それをちょっとパクった。
カランコエ エンゼルランプは学名 Kalanchoe uniflora
科・属 ベンケイソウ科カランコエ属 多肉植物
原産国 マダガスカル
英名 カランコエ ユニフロラ(学名から)
名前の「エンゼルランプ」は鐘形の赤い花が下向きに咲き、ランプのような花姿が「天使が持つランプ」をイメージさせることからつけられた名前。世界中に分布しているカランコエの仲間で、冬に美しいランプの様な小花をたくさん咲かせる。
現在エンゼルランプの名で流通しているのもののほとんどは改良種である。
と、ネットにある。春に見たのに、花は冬に咲くとあるのが気になるけれど、改良種だから良しとしよう。たしかに葉は普通の葉にしては分厚かったから多肉植物なのだろう。
マンデビラ(チリ素馨) [自然]
10月中旬、よそ様の家ではあるが、壁に這い登っているつる植物に鮮やかな紅白とピンクの花が咲いているのを見つけた。散歩中であった。一つの花が三色なのではなく、一つ一つの花がそれぞれ赤、白、ピンク色なのだ。花は大柄で美しい。蔓の先は二階の窓に届こうとしていた。名を知らない。
グーグル写真検索をするとどうやらマンデビラらしい。
以下はネットに教えて貰った。
マンデビラは、キョウチクトウ科チリソケイ属(マンデビラ属)のつる性の小低木で、原産地は中央アメリカ〜アルゼンチン。およそ100種類が分布する。
マンデビラという名は、この花を発見したアルゼンチンの首都ブエノスアイレス駐在イギリス公使のヘンリー・マンデビル氏に由来する。
別名には、「デプラデニア」「ジャイアントデプラ」「チリソケイ(智利素馨)」「チリジャスミン」などがある。「デプラデニア」は、かつてはデプラデニア属に分類されていたため。「チリソケイ」はソケイ(素馨)の花に似ていることから、「チリのソケイ」という意味でつけられたらしい。ソケイはジャスミンの仲間なので、同様の意味で「チリジャスミン」とも呼ばれたのだろう。
園芸愛好家に知られるサンパラソルは、マンデビラの園芸品種で、サントリーが出している商品名。これもマンデビラである。
サンパラソルも、何種類か出ていてサンパラソルは、ツルの伸びが遅く、支柱をしばらくは立てないで楽しめる。コンパクトに仕立てられる。
サンパラソル・ビューティーは、ツルがよく伸び、あんどんやラティスに絡ませて楽しめる。
他に、花の大きいサンパラソル・ジャイアントもある。
花色は、マンデビラもサンパラソルも、赤やピンク、白などなので見分けるとしたら、コンパクトに育っているものがサンパラソルであろう。
改良されていないマンデビラは、ツルがぐるぐる伸びる。
花付きも、改良品種の方が良くなる。
ウキペディアの記述はこうだ。
マンデビラ属とはキョウチクトウ科の属の1つ。 学名はMandevilla。和名はチリソケイ(智利素馨)属であるが、あまり和名は使われない。また、旧属名のディプラデニア (Dipladenia) で呼ばれることもある。
この属はメキシコ〜アルゼンチンを中心に分布しており100種以上ある。つる性で乳状の樹液が出る。一部の種やその交雑種が園芸植物として出回っており、こうしたものの開花期は6〜9月頃である。
ソケイ(素馨、Jasminum grandiflorum)は、モクセイ科ソケイ属(素馨属)の植物の一種。落葉性の灌木である。
名前の由来は、中国、五代十国時代の劉隠、その侍女に素馨という名の少女がいて、死んだ彼女を葬った場所に素馨の花が咲き、いつまでも香りがあったという伝説が由来という説(907〜960年唐と宋の間を五代十国時代という)や花の色が白く(素)、良い香り(馨)がする花という意を語源とする説などがある。
余計なことだが、アルゼンチン原産なのに和名が智利素馨である理由は知らない。同じくマンデビラがジャスミンのような良い香りがしたかどうかも確かめていない。また、散歩中に見たマンデビラがサントリーの改良種サンパラソル.ビューティーかサンパラソル.ジャイアントかも確かめようが無い。
出来た久しぶりの含笑句は、も一つ冴えない。
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秋祭り紅白目立つマンデビラ
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秋澄みて紅白ピンク智利素馨
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この木何の木? オウゴンモチ・マサキ? [自然]
新緑は圧倒的にグリーンが多いが、カナメモチのように赤い新緑(?)もある。しかし黄色は珍しい。散歩中見つけた植木は、秋の銀杏イチョウなどの黄葉とは趣きの異なる明るい黄色だ。
グーグルフォト検索では、黄金黐(オウゴンモチ)か黄金柾木(オウゴンマサキ)という。 素人目にはどちらか判然とせず断定し難い。
オウゴンモチであれば、モチノキ(餅の木・黐の木・細葉冬青、学名: Ilex integra)モチノキ科モチノキ属の植物の一種)の園芸種。
オウゴンモマサキならマサキ(柾・正木、学名: Euonymus japonicus)ニシキギ科ニシキギ属の常緑低木。
どちらかといえば、オウゴンモチのような気もするが決め手がない、
なお、春の新芽が赤くなるカナメモチは、バラ科/要黐カナメモチ属常緑広葉/小高木。オウゴンモチ、オウゴンマサキとは別種だ。
園芸種レッド・ロビンはカナメモチとオオカナメモチの交雑種で、「セイヨウカナメ」の名で流通しているとか。
この三つはモチノキ科、ニシキギ科、バラ科と科名が異なるのも面白い。
なお、オウゴンモチらしき黄色い芽の左隣に写っている濃い緑の植木は、写真では分かりにくいが、昨年検索して知ったカラタネオガタマ唐種招霊だった。今花の時期で強いバナナの香りがするのでこちらは間違いない。
英名はバナナの木 和名が唐種招霊(カラタネオガタマ) 中国名は含笑花(ガンショウカ)である。
バナナツリー 和名唐種 招霊よ 中国名は 含笑花なり
と記憶の扶けになるかと三十一文字にしたりして覚えた。
名を知れば あちこちに見る 含笑花
これは他の花木でも使った5・7・5なので記憶の扶けにはならないが、見た目は地味ながら香りが良く結構好きな方が多いらしく、よく植えられている木である。
このアジサイの名は何? ①八丈千鳥 [自然]
ネットによると、アジサイはおおまかに分ければ
- ヤマアジサイ
小型種で、額咲きが大半。日本や台湾等の山間部に自生。北海道等の北部に自生するエゾアジサイも近い種。
- ホンアジサイ、ガクアジサイ、西洋アジサイ、ハイドランジア
大型で、手毬咲きの方が一般的。ガクアジサイは海浜性の分布。ハイドランジアは、山間部のヤマアジサイと海浜近くのガクアジサイの交配種。ハイドランジアは、毎年、多数の新品種が作出されている。
- アメリカノリノキ
北米原産で、アナベルが一番有名な品種。カシワバアジサイも同じグループ。
- その他・・・タマアジサイ、コアジサイ、コンテリギ、ツルアジサイ、ノリウツギetc
とあるが、額咲きヤマアジサイとガクアジサイはどう違うのかよく分からない。
さらに、改良種、園芸種になると100以上(注)あるらしく、道端やよそ様の庭で咲いているのを写真検索しても、名前の特定はなかなか難しい。
(注)アジサイの種類は約3,000品種以上あるとも言う。毎年無数の新品種が登場するため、確かな品種数はわかっていないとも。
アジサイは、今年あたり歳なのか綺麗なような気がする。2年毎という説もあるらしいが詳しいことは知らない。
散歩コースの団地の庭の一角に、愛好者が2、3年前に植えた紫陽花が育ってきて、今年はすこぶる見応えがある。
名の特定にチャレンジしてみた。
①八丈千鳥(ハチジョウチドリ)
伊豆諸島の八丈島で発見されたガクアジサイ。栽培品種ではない。
他に類のない極細弁の八重額咲きの花。有名な細弁のアジサイにダンスパーティーがあるが、ダンスパーティーより、八丈千鳥の方が細い。常緑四季咲きという特殊な性質で、装飾花の花形が時期によって変わるという特性を持つ。
名前があっているかどうかを5段階の確度で示せば、最高を5として4くらいか。
このアジサイの名は何? ②ダンスパーティー [自然]
ダンスパーティーは、日本に分布するガクアジサイとアメリカの園芸種を掛け合わせて作られた園芸品種。
1994年頃に静岡県の加茂花菖蒲園で作られ、鉢物のギフトが数多く流通するようになって一気にブレイクし、以来不動の人気を誇るアジサイ。 ダンスパーティーの花期は6月~7月。
細弁アジサイの中でも有名なものだが、八丈千鳥(①ハチジョウチドリ)よりは弁が細くはない。
名の由来は、花の中央に集まる小さな両性花の中に装飾花が疎らに咲くため、ダンスホールで踊る人を連想させるような花姿から。
これも名前があっているかどうかの確度は5段かの4か。(5を最高として)
このアジサイの名は何? ③アジアンビューティ [自然]
検索するとアジアンビューティーとあるが、多分そうだと思う。
しかし確たる自信はない。前回と同じく5まではいかない4か。
ヤマアジサイと西洋アジサイを交配した品種。完全に開花すると中心部が白く、赤い縁取りのコントラストが美しい。
ヤマアジサイとの交配なので多花性(花数が多い性質ー園芸用語)の特徴があり、大変花付きがよく露地植にすると一層映える。
日本古来の山アジサイを鉢物向けに改良・選抜を繰り返し誕生した新品種。銅葉(銅のように赤黒く光沢のある葉でブロンズリーフともー園芸用語)がかった葉色。
このアジサイの名は何? ④シンデレラ [自然]
シンデレラは中心の両性花の周りに、バランス良く装飾花が配置されていてエレガントなガクアジサイ。
装飾花はあまり多くなく、装飾花の軸が長めで両性花より少し離れてふんわりした感じに咲く。装飾花は、八重咲きで星のように咲く。その花弁は細長く八丈島千鳥と違って丸みがある。また装飾化の茎が心持ち短い感じがする。
中心の両性花が青なので土が酸性だと分かる。(アルカリ性ならピンク色)。なお、周りの装飾花は土壌酸度にかかわらず白。
両性花と装飾花の色が違うアジサイ品種は珍しいとか。
これも写真検索だが、ほかに似たようなアジサイがあり、残念ながら確たる自信はない。わが確信度は5の3か。
このアジサイの名は何? ⑤アナベル [自然]
アナベルは、北アメリカ東部に自生するアメリカノリノキ(Hydrangea arborescens)の変種を品種化したアジサイ。
園芸品種として作出されたものではなく、イリノイ州のアンナ市の近くで発見された、野生のアジサイ。
通常のアメリカノリノキは小さな装飾花が花序の周囲に額のように付くが、発見された変種は大きな装飾花を手毬状に咲かせるものだった。
この変種をオランダで選別・改良し、品種化したのがアナベル。
アナベルの名前の由来には所説ある。
⑴古代ローマ時代の男性名アマビリス(Amabilis)を女性化したアナベル(Amabel)に由来するとする説。アマビリスとは「愛すべき」という意味。
⑵アナベルの原種が発見されたイリノイ州アンナ市に因んでいるとする説。
「Anna belle」とは「アンナの美人」という意味。
⑶エドガー・アラン・ポーが最後に残した詩「アナベル・リー(Annabel Lee)」に由来するとする説。
この詩は、アメリカの地方伝説である船乗りと娘の悲恋の物語を元に創作されたのではないかと言われている。
伝説は亡くなってしまった娘を思い続ける船乗りの話で、ポーは若くして亡くなった妻への思いをこの詩の中で綴った。
このアナベルは有名でネットなどで画像を見たことがある。まず間違い無いのではと思う。
検索の確信度は最高の5。
このアジサイの名は何? ⑥フェアリーアイ [自然]
フェアリーアイ(妖精の瞳)は、2006年第1回ジャパンフラワーセレクション フラワー・オブ・ザ・イヤー(最優秀賞)を受賞した群馬県の坂本正次氏が育種した話題のアジサイ。花形の変化と花色の変化が両方楽しめる、今までにない新品種。
フェアリーアイは咲き始めは八重のガク咲きだが、時間が経つにつれ手毬に変わり、その後はグリーンに、そして秋には真っ赤に花色が変化する。
- 学名:Hydrangea macrophylla "Fairy Eye"
- タイプ:アジサイ科(ユキノシタ科)の耐寒性落葉低木
- 植付け適期:3月~4月/開花期:5~9月
- 樹高:50~150cm
写真検索だが、これに似たアジサイは他にもあるようなので、特定にもう一つ自信がない。
ガクアジサイだが手毬に変わり、色もグリーンにそして秋には真っ赤になるというので秋になれば確認できるかも知れない。楽しみだ。
今のところ確信度3。
学名にフェアリーアイが入るとは知らなかった。流通ブランドではなかったのか。
このアジサイの名は何? ⑦天使のほっぺ [自然]
天使のほっぺ
「天使のほっぺの最大の特徴は、花色の変化。咲き始めは明るいグリーン、徐々に全体が白色になる。全体が真っ白になった時の白は、透明感がある純白。その後、真っ白だった花色に濃いピンク~赤色が入ってくる。
この時、一気に色が変化するのではなく、少しずつ縁から染まっていく様が、ほっぺが赤く染まる様子に似ていて、愛らしい。天使のほっぺが白から赤に染まるのは、紫外線が関係しているといわれている。つまり、花色が白くなった後、太陽光に当たることによって、赤が入りやすくなる。」
ネットには上記のように説明がある。自分が撮影した時は既にピンクになっていた。
したがって咲き始めのグリーンとその次の白の時代は見ていないことになるが、多分天使のほっぺに違いなかろうという気がする。
なお、緑から赤に変わる「天使のリップ」とか「天使のエクボ」という品種もあるという。とりあえず確信度4。
このアジサイの名は何? ⑧カシワバアジサイ [自然]
カシワバアジサイ(柏葉紫陽花、学名:Hydrangea quercifolia)は、アジサイ科(ユキノシタ科)アジサイ属の落葉低木。原産地は北米東南部。花の色は白。
葉の形がカシワに似ていることが、和名の由来。花は円錐状あるいはピラミッド型に付く独自の形状をしており、5月〜7月に真っ白い花を付ける。八重咲きと一重咲きがある。 一般のアジサイとは異なり全体の印象としては木のボリュームに比し、花が少ないのが特徴。葉には切れ込みがあり、秋には紅葉する。古くから日本にもあったが、最近、一般に出回り始めた。(ウキペディア)
たしかにここ数年あちこちで見かけるようになった。秋になると深いボルドー色になる。紅葉した後、冬は落葉して越冬する。
なお、ネットのとおりカシワバアジサイには八重と一重の二種類あるらしい。
⑴カシワバアジサイ・スノーフレーク
八重咲き品種。花の色は白で中心がグリーンを帯びる。横に広がる樹形で、花の重みで開花時は垂れるような見える。
⑵カシワバアジサイ・スノークィーン
一重咲き品種。円錐形の花は上向きを保つ。
写真検索の結果、カシワバアジサイまでなら確信度5だが、これがスノーフレークかどうかになると確信度3くらいまで下がる。
八重咲きなのでカシワバアジサイ・スノーフレークであり、一重咲のスノークィーンではないという確信はあるが。
このアジサイの名は何? ⑨ノリウツギ [自然]
ノリウツギ(糊空木、糊樹、学名: Hydrangea paniculata )は、アジサイ科アジサイ属の落葉低木。別名サビタノリノキ(糊の木)。中国名は水亞木 (別名:圓錐繡球)。樹液を和紙を漉く際の糊に利用したため、この名がついたという。
牧野新日本植物図鑑(1940)によると次のようにサビタの記述があった。
「[日本名]ノリウツギとかノリノキという。幹の内皮で、製紙用ののりをつくるからである。また北海道ではサビタという。それでこの根からつくるパイプを“さびたのパイプ”という。変種に花序が装飾花ばかりからなるものがあり、これをミナヅキといい、庭園に植えられる。」
アジサイの開花は6月だが、ノリウツギはアジサイの花がそろそろ見ごろの終わる7月が花の季節(写真撮影日2023/7/4)。
ノリウツギの園芸品種ミナヅキは「ピラミッドアジサイ」として広く流通している。
カシワバアジサイ・スノークィーンは、一重咲き品種で円錐形の花が上向きを保つので、このミナヅキとよく似ているが別種のようだ。
このアジサイの名は何? ⑩きらきら星 [自然]
きらきら星は栃木県農業試験場が改良して作った、ガクアジサイの品種。ジャパンフラワーセレクション2014-2015の、鉢物部門で入賞した品種という。
アジサイのきらきら星は2021年6月このブログで紹介したので2回目となる。
アジサイらしくアジサイらしかぬというと変だが、何となく味のある花で好ましくて再登場して貰った。
前回も同じ団地内の一角(今回とは別のところ)に咲いていたのを撮影して検索した。
https://toshiro5.blog.ss-blog.jp/2021-06-16
確信度は5段階の5にしても良かろうと思う。
このあじさいの名は何? 番外編 ヒメアジサイ Makino [自然]
朝ドラの主人公のモデルとなった牧野富太郎博士(1862?1957)の命名というヒメアジサイ。ネットの画像などを見ると確かに綺麗でかわいらしいが、ごく普通のアジサイである。
そこら辺に植栽されているのかどうか知らないが、まだヒメアジサイと名前を確認して見たことはない。花の名前を先に知っていて、どんな花なのかこの目で確認したい時は、どうすればいいのか。
ネットでヒメアジサイと入力して検索すると六甲山のヒメアジサイ、北鎌倉明月院のヒメアジサイ、練馬区「牧野記念庭園」のヒメアジサイなどの画像が出てくるから、それと似ているかどうか分かれば良いのだが、区別できるほどの特徴がない。(ような気がする)
サラリーマンだった頃、子供のためではなく、自分の気分転換用(気晴らし用?)にと(仕事とはまったく関係がない)牧野日本植物図鑑(北隆館)を買ったこと、をふと思い出した。
本棚から引っ張り出して、あらためてみると、1060ページ(プラス77ページの学名解説)の大冊で、分厚くずっしりと重い。口絵の数枚を除き、モノクロの手書き絵であるところが特徴的な図鑑である。これがたぶん石版印刷であろう。(のちに北隆館から着色したものが発刊されたらしい)
今回、「序」を読んでこの図鑑が1940年(皇紀2600年)7月の発刊だと初めて知った。この年は自分の生年であり、翌年が真珠湾攻撃つまり日米開戦である。このとき博士は78歳、序にこう記す。
序
鳴呼,皇紀二千六百年,會々國難非常ノ秋ニ際シ、小生特=此記念スペキ新著ノ本 書ヲ完成シ、茲ニ初メテ其公刊ヲ見ルニ至リシハ至幸中ノ幸ト調フベク、熟ラ既往 ヲ追懐スレバ則チ轉タ感概ノ切ナル者ガ無ンバアラズデアル
小生ハ我が少壯時代ヨリ疾ク既ニ植物圖志ノ本邦ニ必要ナルヲ痛感シ、逐ニ意ヲ決シテ明治廿一年ニ『日本植物志圖篇』ヲ發行シ、次デ『新撰日本植物圖説』並ニ『大
日本植物志』等ト逐次ニ公刊シタノデアッタガ、此等ハ皆不幸、中道ニシテ停刊ノ悲 運ニ遭遇シタ、大正十四年二『日本植物圖鑑』ヲ著ハシタ事モアッタガ、是レハ固ヨり我が意ヲシテ満足セシメ得ル勞作デハ無ク、ソハ畢竟一時臨機ノ應急本タルニ過ギ
無カッタ、故ニ早晩之レヲシテ絶版センムベキ機運ノ 到來スルノヲ俟テヰタノデアル ガ、遂ニ今日其待望ノ好期ニ際會シタノハ私ノ最モ欣ブ所デアル 以下略
昭和十五年七月
結網学人 牧野富太郎
録絛屋ノ南寓下ニ識ルス
博士の号は結網子(けつもうし)だから結網学人(けつもうがくと)。
録絛屋の「録」と「寓」はこの字ではなく、iPhoneのスキャナーアプリでは読み取れなかった。
結網とは、文字通り網を結うことで中国の史書「漢書」にある言葉。「古人曰うあり、淵に臨みて魚を羨まんよりは、退いて網を結ぶに如かず」(淵に立って魚を得たいと願うよりは、家に帰ってそれを獲るための網を結ったほうがよい=何事も実行第一)?実践を重んじる博士らしい号ではある。
この図鑑の、あじさい(学名Hydrangea*)の項は、957 がくあじさい、958 あじさい、959 ひめあじさい、960べにがく、961 やまあじさい、962 ほそばこがく、963 こあまちゃ、964 がくうつぎ、963 こあじさい、966 たまあじさい、967 やはずあじさい、968 のりうつぎ、969 つるでまり、の13種(いずれもユキノシタ科)が収録されている。他に971 くさあじさいがあるが、あじさいの花に似ているだけで別種である。
*学名解説は次のとおり。Hydrangea hydor(水)angeion(容器) さく果の形からきた名 ユキノシタ科
このうち959ひめあじさいは、学名のなかにMakino(serata Makino var.amoena Makinoが入っているので牧野博士が名付け親とわかる。「庭に栽培される落葉低木で、まだ野生は見られていない。中略 [日本名]花が普通のアジサイより女性的で優美なので姫アジサイとなづけたもの。」とある。
他のネット情報によれば、ヒメアジサイは、エゾアジサイの花序全体が装飾花になったもので、1929年に牧野富太郎が長野県戸隠付近で見たエゾアジサイの品種に命名したとある。このエゾアジサイは牧野日本植物図鑑には無い。ウキペディアには、「エゾアジサイ(蝦夷紫陽花[学名:Hydrangea serrata var. yesoensis)は、アジサイ科アジサイ属の落葉低木。別名では、ムツアジサイともよばれている。植物分類学ではでは、ヤマアジサイの変種とされる。」とあるので961やまあじさいの変種の変種と見て良いだろうと思う。
なお、958あじさいは、「もとガクアジサイを母種として、日本で生まれた園芸品である。中略[日本名]「あじ」は「あつ」で集まること、さいは真「さ」の藍の約されたもので、青い花がかたまって咲く様子から名付けられたもの」とある。 こちらは学名(Seringe var.Otakusa Makino)のなかにMakino とOtakusa が入っているが、その理由は不明。 Otakusaは例のシーボルトの妻おタキさんから来ているのだろうが。
あじさいの母種である、957がくあじさいの学名(Hydrangea macrophylla Seringe)にMakino の名前が入っていない理由も分からない。
他にMakinoの名前が入っているのは、次の四種。
960べにがくserata Makino var.Japonica Makino [日本名] 紅額で、紅色のがくを持ったアジサイという意味。
961やまあじさい serata Makino var.? acumuminata Makino北海道、本州、九州の山地に多いので日本名は山アジサイ、沢アジサイという意味で名付けられた。
?962ほそばこがく serata Makino var.angustata Makino [日本名]小額で、小形のガクアジサイという意味。
963こあまちゃserata Makino var.Thunbergil Makino [日本名]アマチャは葉を乾かすと非常に甘くなるが、それで甘茶をつくるからである。
あじさいの名ひとつ例にとっても、いやはや複雑で素人には良く分からない。まして学名や花、葉、茎、根、樹形などなどになると区別もつかない。しかも植物の種類は多く牧野博士の偉業たるや凄まじいと驚くばかりである。
青空文庫で博士の著書、自伝などが読めるが、ここしばらくは、のんびり連続テレビ小説を愉しむだけにしよう。
この花の名は? ベゴニアレックス [自然]
お隣さんから鉢植えを頂いた。去年の夏、ガレージマルシェで二鉢買い求めてプランターに植え替えたら、暑さで枯れてしまい、悔やんだのと同じ種類である。その時花の名を検索した記録がiPadに残っていた。ネームカードも付いていたが、知っているベゴニアとあまりにイメージが違うのでググったのである。
ベゴニア王であるベゴニアレックスは、ベゴニア科の顕花植物の一種である。インド北東端のアルナーチャルプラデーシュ州から中国南東部にかけて発見され、バングラデシュ、キューバ、イスパニョーラ島に導入された。観葉植物のベゴニアレックス栽培品種グループの500以上の栽培品種の親である。(ウキペディア)
ベゴニアは、シュウカイドウ科シュウカイドウ属に属する植物の総称。特徴は葉の形が左右非対称でややゆがんだ形であること、花は雌雄別であり大抵の種は雄花は4枚、雌花は5枚の花びらをもつことなどである。鑑賞のために栽培されるベゴニアの多くは多年草の草花であるが、球根性、根茎性、木立性の3種がある。
ベゴニアレックスは、このうちの根茎性。花でなく葉を楽しむ観葉植物だ。それにしてもこのベゴニアレックス、何とも、サイケでキテレツ模様の葉である。
ちなみに、ベゴニアの名はフランス人ミシェル・ベゴン(仏領アンティル諸島総督)に由来するとか。
なお、ベゴニア属に中国原産のシュウカイドウ(和名秋海棠、学名:Begonia grandis)がある。ヨウラクソウ(瓔珞草)、相思草、断腸花、八月春とも呼ばれる。日本に古くからあるためにベゴニアとは呼ばれない。日本では本州以南各地の人家周辺の木陰などに半ば自生的に生育している。俳句では秋の季語という。歳時記には断腸花と異名があったがその由来は書いてなかった。
秋海棠西瓜の色に咲きにけり 芭蕉